しばらくして、銀時が改めて
ナマエに問いただす
「
ナマエちゃん、あのさ~」
「ん?何ですか?」
「
ナマエちゃんはさァ、多串くんの事…どう思ってんの?」
「多串くん?あ~土方さんの事ですか?急にどうって言われても…何でそんなこと聞くんですか?」
「い、いや~ちょっと気になったってゆーかさァ…実際どうなのよ?」
そう聞かれて、
ナマエはしばらく間を置いてから答えた
「好き…ですよ」
「へ、へェ~、やっぱりそうなんだ~…」
「でも、これが恋愛感情なのかはまだイマイチ…」
「何言っちゃってんのォ~?さっきの反応からして、
ナマエの気持ちは明らかじゃん?」
「そ、そんなことないですよ!あっ、銀さんは、好きな人とかいないんですか?」
「えっ⁉︎お、俺ァ――…」
ナマエの思わぬ問いかけに、銀時が言葉を詰まらせる
そして、内心こう思うーー…
(こいつァ、なんつー質問してきゃがるんだァ⁉︎
んなもん、今の今まで一緒にいれば、分かりそうなもんだろーよ?
もしや、知っててわざと聞いてんのかァ⁉︎
だとしたら、とんでもねェ小悪魔だなァ、こいつはよォ…)
その思いを隠しながら平然と言い放つ
「俺ァ断然、結野アナかなァ?ありゃ~もろタイプだしねェ」
「やっぱり!銀さん、前から言ってましたもんね〜」
「そうそう!でもまぁ、結野アナはファンって感じだしよォ、現実には銀さん好きな人はいないかなァ」
「そっか~」
銀時は本心をはぐらかす為に、思わず裏腹な事を告げてしまう
そしてイルカショーも見終わり、帰ることになった
「あ~楽しかった!銀さん、今日はありがとうございました」
「あぁ…」
「銀さん…?」
どこか上の空な感じの銀時に対して、
ナマエが不思議そうにしていると、突然銀時が話を切り出した
「
ナマエちゃん、銀さんさっき嘘ついたわ」
「えっ、嘘って…?」
「好きな人いないって言ったけど、やっぱりいたわ」
「えっ、誰なんですか⁉︎」
そう言う
ナマエをじっと見据えて、銀時はさらりと言い放つ
「
ナマエちゃん」
「えっ…⁉︎」
「あれ?かなりあからさまにアピールしてきたつもりなんだけど…もしかして全然気づいてなかった?」
あっけらかんと言ってのける銀時に対して、
ナマエは戸惑いを隠せないでいる
「えっ⁉︎銀さん、ちょっと待って下さい!えっ⁉︎どーゆーこと⁉︎」
「だから~さっきから言ってるでしょーがよォ、銀さんの好きな人は
ナマエちゃんだって」
「いやいや、冗談でしょ?」
「
ナマエちゃ~ん、銀さんこれでもかなり勇気振り絞って告白したのに、それはないでしょ~マジへこんじゃうよ?」
「き、急にそんなこと言われても……それに、さっき私の好きな人聞いたじゃないですか!」
「だから、何?」
「えっ…?」
平然とした返しに対し、呆気にとられている
ナマエを横目に銀時はさらに続ける
「そんなの全然関係ないから。まぁ、はなっからあんなマヨヤローに
ナマエを渡すつもりなんざ、さらさらなかったけどよォーー…とりあえず、銀さんの気持ち知っちゃったからには……」
「な、何ですか…?」
「覚悟、しときなよ、
ナマエちゃん…?」
銀時がニヒルな笑みを浮かべる
その後の2人がどうなったかは…
読者様の想像にお任せします……(逃)
the END