第15章 違和感
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次の日ーー
ナマエが早速、バイト先の店長に話を切り出す
「あっ、店長ちょっと話が――」
「あ~ナマエちゃんーー」
「店長~次はどうすればいいんですか?」
ふと見ると見慣れない顔があった
「店長、こちらは?」
「あ~今日から新しくバイトに入った子だよ」
そう言われ、新人のバイトの子がペコりと頭を下げた
それに合わせてナマエも会釈を返す
「とりあえず、そこの棚卸しお願いね」
「はい!」
バイトの子に指示を出した後、店長は改めてナマエに向き直った
「で、話って?」
「じ、実は私、真選組で働いてほしいって頼まれて……それで、バイトを辞めなきゃならなくなって……」
「そっか~わざわざ頼まれたってことは、ナマエちゃんにしか出来ないってことだよね?まぁ、こっちは新人も入ったし大丈夫だから!」
「そ、そうですか……何かいきなりですいません」
「いいって!でも……たまに顔見せてね!」
「もちろんですよ!なんならお手伝いもしますから!」
「ありがとう」
バイト先を後にしたナマエだったが、些か違和感を感じていた
募集もしていなかったのに、このタイミングで新人の子が入るなんて……まるで自分が辞めるのが分かっていみたいだ……でも、まさかね……そんなのはただの勘違い
その頃万事屋では、銀時が大きなため息をついていた――
「はぁ……」
「銀さん、まだ落ち込んでるんですか?」
「あ?うっせーよ、ほっとけコノヤロー」
「これだから男はだめアル!いつまでも過去を引きづってんじゃねーヨ」
「神楽ちゃん……でも、ナマエさんこのままだと誤解したまんまですし、やっぱりちゃんと話したほうがいいと思いますよ?」
「……」
「ウジウジしてても仕方ないアル。いっそ告白するヨロシ」
「大人はそんな単純にはいかねーの!色々あんだよ!なんつーか、そのよォ……」
煮え切らない銀時の態度に、新八がある提案を持ちかける
「じゃあ、僕らに協力させてくださいよ!」
「……は?」
「僕らがナマエさんと銀さんがちゃんと話をする機会を作りますから!」
「い、いやいやいーって!ってか、何でお前らにこんなこと頼まなきゃなんねーんだよ⁉︎」
「しょーがないアル!恋のキューピットになってあげるネ!」
「あっ、来週お祭りあるじゃないですか!それにみんなで行きましょう!銀さん、ナマエさん誘いに行ってきてくださいよ」
「だから、いいっつーの!」
「遠慮するなヨ!私たちに任せるアル!」
意気込む神楽に銀時は不安しか感じなかった
「僕らもいた方がナマエさんを誘いやすいと思いますよ?」
そう言われしばらく考えた銀時は、面倒くさそうに頭をカシカシと掻いた
「……わかったよ」
「じゃあ早く、ナマエのところに行ってくるアル!」
そう言われ、銀時は渋々ナマエのバイト先に向かった
しかし先の通り、ナマエはバイトを辞めることになったのでいるはずもなく――
「店長~ナマエちゃんは?」
「あ~ナマエちゃんなら辞めましたよ?」
「……え?」
「あれ……?聞いてないんですか?まぁ、かなり急な話だったから、まだ伝えてないのかもしれませんね……」
「銀さんが知らない間に、何があったォ⁉︎」
「く、詳しくはナマエちゃんから聞いた方が……」
店長からナマエがバイトを辞めた事実を知った銀時は、とりあえずナマエの家へと向かった
途中でナマエの姿を見つけたが……ナマエの隣に土方がいるのが見えた銀時は、すぐさまナマエを呼び止める
「ナマエーー!」
「えっ、ぎ、銀さん⁉︎」
「チッ……」
呼び止められたナマエが振り返る
土方は、その傍らでバツが悪そうな表情を浮かべた
「あ、あれェ~?仕事サボってナマエちゃんとデートですか、コノヤロー!」
「ち、違いますよ!」
「テメーは何しに来やがった⁉︎」
「うっせーなァ、コノヤロー!」
またいつものように喧嘩になりそうになったが、銀時はふと我に返り、静かにナマエに尋ねる
「ナマエちゃんよォ、バイト辞めたんだって?」
「えっ、そ、それはーー」
「さっきコンビニ行って店長から聞いたんだけどよォ…」
「隠すつもりは無くて……じ、実は……」
「ナマエは明日から、真選組で働いてもらうことになった」
口ごもるナマエの代わりに、土方が説明する
「……は?何言ってんの?ナマエちゃんがそんなむさ苦しい所で働くわけが――」
「本当なんです!」
銀時の言葉を遮るようにナマエが言い放つ
「そーゆーこった!」
「あ、あの~土方さん……少し銀さんと話してもいいですか……?」
「……分かった。終わったら、また連絡しろ」
そう言い残し、土方はその場を後にした