第13章 サクラの時
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日ーー…
レジ打ちをしながらナマエが答える
「お花…見ですか?」
「あぁ、毎年恒例の行事で、今年はナマエも誘えって近藤さんがうるさくてな…何かお妙も連れて来てほしいって言ってたが…まぁそれはどーでもいいとして…どうだ?」
「いいですよ!真選組のみんなとお花見なんで楽しそうですし。それでいつなんですか?」
「今週末が見頃らしいから、日曜日にでもと思っているんだが…空いてるか?」
日曜日と聞いて、ナマエの表情が曇る
「日曜日ですか…」
「あ?何か予定でもあんのか?」
「実はその日、他のお花見にも誘われてて…あっ、場所とかはまだ決まってないんですけど――…」
「それなら、そいつらもまとめて連れて来ればいいだろ?」
「え…?いいんですか⁉︎」
「ナマエの友達だろ?」
「ま、まぁ友達と言えば友達なんですけど…」
「それじゃー問題ねーだろ。じゃあ日曜日に」
「は、はい!」
そう言って土方は帰って行った
「だ、大丈夫かな…?でも、土方さんがいいって言ったんだし…大丈夫か!」
そうこうしている間にお花見当日となった
満開の桜が咲き誇るとある公園
いつも真選組の花見が行われる恒例の場所だ
「おぉ~ナマエちゃん、待たせて悪かったね。ちょっと準備に手間どっちゃってな~」
「別にいいですよ、近藤さん。あっ、これお弁当作ってきました」
そう言ってナマエは近藤に弁当を手渡した
「ホント、何から何まですまんね〜ありがとう!」
「ところでお前、連れはどうした?」
「もうそろそろ来ると思うんですけど――…」
ナマエが周りをキョロキョロ見回す
しばらくして友人を見つけたのか、大きく手招きをする
「こっちこっち~」
そしてやって来たのは、なんと万事屋の面々だ
「あぁ⁉︎なんであいつらが…⁉︎」」
怪訝そうな表情を浮かべる土方をよそに、ナマエはその様子を特に気に留めることもなく銀時らを迎えている――…が、さすがに銀時は真選組の面々を見て、何も思わないわけがない
「あれ?あれェェ?チンピラ警察24時のみなさんじゃないですかァ?なんですかァ?みなさん揃って仕事サボリですか、コノヤロー!」
「はァ⁉︎なんでお前らがここにいんだよ⁉︎とっとと帰りやがれ!」
「はい⁉︎帰れって言った奴が帰ればいいだろ⁉︎」
「何だとテメー!」
「やんのか、コノヤロー!」
そう言って、銀時と土方の2人は睨みあう始末
その様子を見かねたナマエが慌てて止めに入った
「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いてくださいよ」
「つーか、この前言ってたお前の連れって、もしかしてこいつらじゃねーだろーな⁉︎」
土方は青筋を立てながら怒声をあげる
「そ、そうですけど…で、でも、土方さんだって誰かとは聞かなかったし、去年もなんやかんや一緒にお花見したって聞いてたから、別に問題ないかなぁ~って思って…」
ナマエがうつむき加減に答えたのを見かねて、土方はため息をつきつつ、それ以上声を荒げるのをやめる
「何で好き好んでこいつらと顔合わせて酒飲まなきゃならねーんだよ…」
「それはこっちのセリフだ、コノヤロー…俺ァせっかくナマエちゃんと楽しくお花見できると思ってたのによォ~」
「な、なんか…すいません…」
「別にナマエちゃんが悪いわけじゃねーから、謝んなくてもーー…」
「そうでさァ、そんなに嫌なら帰りやがれ、土方コノヤロー」
そう言ったのは総悟だ
せっかく落ち着いたはずなのに、そんな総悟の一言を土方は聞き逃さなかった
「おい、総悟!おめーはどさくさに紛れて今なんつった⁉︎」
「あり?聞こえてやしたか…でも、土方さん、ここは大人しくしてた方がいいんじゃないですかィ?」
「何でだよ⁉︎」
「先にナマエを誘ったのは旦那達みたいですし、それなら後から誘った俺達は不利でさァ」
「ま、まぁ、確かに…」
「それに…このまま旦那と言い争ってるとナマエも困惑しまさァ」
総悟の言葉を受けてナマエに目を向けると、ナマエが苦笑いを浮かべている
「………」
土方はふに落ちないところはあるが、これ以上事を荒立てるのをやめることにした
銀時もナマエの手前、慌てて言葉を返した
「ま、まぁ、俺ァナマエちゃんが連れてきた相手なら誰だろーが一緒にお花見するつもりだったんだけどよォ~マヨ方くんが喧嘩腰で突っかかってくるから、ついね、つい。ほら、銀さん負けず嫌いだらかさァ」
「はァ⁉︎お前はさっきから何調子いいこと言ってんだよ⁉︎おいナマエ、俺だってーー…あれ?ナマエ⁉︎」
銀時と土方の2人が慌てて辺りを見回したが…ナマエの姿はどこにも見当たらない
「ナマエちゃ~ん?」
「おい、ナマエ〜?」
2人でナマエを探すが、ナマエは既に新八と神楽に連れていかれた後だった
置いてけぼりをくらった銀時と土方は、目が合ったとたん、チッと舌打ちをしてみんなの所へと向かった