騒ぎも落ち着き、カウンターに座っている
ナマエの隣に銀時が座る
「
ナマエちゃ~ん、銀さんが悪かったって…ね?」
「銀さんなんて知りません…天パがうつるんであっち行ってください」
ナマエは銀時とは反対方向に顔を背けた
「い、いや、天パはうつんないからァ~‼︎…そー怒んなよ…なァ?」
(こいつ、酒が入ってるかわけんねーけど、かなりめんどくさい感じになってるんですけどォォ~まぁ、俺が悪いんだけどね…)
そんな事を内心思いつつ
ナマエを見ると、あるものに目が止まった
「あれ?その髪飾りどーしたの?そんなの持ってたっけ?」
「土方さんにもらったんです~バレンタインデーのお返しです~」
“土方”と言うフレーズに銀時の眉がピクリと動いた
「へ、へぇ~土方くんから貰ったんだ~んで早速身に着けてんのね~マヨ方くんからもらったものをねぇ~」
少し不満そうに言ってくる銀時に対して、
ナマエは未だにそっぽを向いたままである
「別に私が何を身に着けようが、銀さんには関係ないでしょ?」
「ま、まぁ確かにそうだけどさァ…」
「今日だって仕事とか言って、本当はデートしてたくせに…」
「え…?」
「……」
「銀ちゃん!デートってどーゆーことネ⁉︎誰とデートしてたアルか⁉︎」
「銀さん、本当ですか⁉︎僕らには仕事だって言ってたじゃないですか⁉︎」
ナマエの発言に対して、新八と神楽の2人が食いつく
「ち、ちょっと待てって!ぎゃーぎゃー騒ぐなよ、コノヤロー‼︎だから、違うんだって!」
「何が違うんですか?月詠さんと楽しそうにデートしてたじゃないですか!私、偶然見かけて…」
「何ィ⁉︎相手はツッキーか⁉︎ツッキーアルか⁉︎いつからそんな関係だったネ?ちゃんと説明するアル!」
「ち、ちょっと神楽ちゃん、落ち着いてよ」
前のめりに身を乗り出して聞いてくる神楽に対して、新八が止めに入った
「ったく、めんどくせーなァ…ありゃデートっつーか、日輪にアイツの息抜きに付き合ってくれってまた頼まれたんだよ」
「なんだ、そーだったアルか!期待して損したネ」
「あ〜前みたいな感じですか」
「そうそう。だから、お前らが期待しているような感じじゃ全然ないっつーの!大体、相手が月詠って時点で分かりそうなもんだろーよ…そーゆーわけだから!って、
ナマエ聞いてる?」
銀時は
ナマエの肩を揺さぶるが…反応がない
「…アリ?こいつ、寝てやがる…」
その時お登勢が静かに話始める
「銀時…この子がここであんたを待ってた時の気持ち、分かるかィ?」
「あ?何だよ、急に」
「あんたが何気なくしてる行動も、それに対して一喜一憂してるやつもいるってことさァ。あんまり曖昧な態度ばかりとってると、本当に大切なもんを見失っちまうよ…?」
「おい、ババア、それはどーゆー意味だ?」
「まぁ、今に分かるさ」
「…?」
銀時は怪訝そうな表情を浮かべた
一段落して皆が帰り、店には万事屋の3人と
ナマエだけとなった
普段飲まないお酒を飲んだからか、
ナマエはずっと眠ったままだ
「銀さん、もう遅いし、僕今日は万事屋に泊まりますね。神楽ちゃんも寝ちゃったし、
ナマエさんはどうしますか?」
「こんな状態で送って行くのもなんだしよォ…
ナマエも泊めるか」
「銀時!
ナマエに変なマネすんじゃないよ…?」
ギロリとお登勢が睨みをきかせて釘を刺す
「んなことすっかよ!俺ァ、酔ってる女を手籠にするようなマネはしねーよ!」
きっぱり言い放ち、銀時は
ナマエを起こした
「おい、
ナマエ~起きろ~帰るぞ~」
「ん…っ…」
「支払いはツケっつーことで」
ひょいっと
ナマエを抱えて、銀時は店を後にした
つづく