第9章 それぞれの憂鬱
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「ナマエとは昔付き合ってやした。まぁ、いわゆる元カノって関係でさァ。でも、今更よりを戻そうなんざ思っちゃいやせんよ。昨日のアレは酔いもまわってた…単なる過ちみたいなもんでさァ」
銀時はただ黙って聞いている
総悟はさらに話を続けた
「俺ァナマエが幸せになるならそれでいいって思ってまさァ。ただ、アイツが抱えてる何かが分からないと言いやすか…」
総悟はどこか遠くを見据える
「俺とナマエが幼馴染って話はアイツから聞いたことがあると思いますが、あれは半分そうで半分違うというか…」
「どーゆー事だ?」
「幼い頃に、アイツは突然俺達の前に現れたーー何かに追われて命からがら逃げてきたのか…着てた服も血だらけで、刀1本だけ持ってぽつんと立ってやした。瞳は恐怖と刹那が入り混じった冷たい感じで…それから、俺たちと過ごす内に少しずつ変わりはじめて…今に至るってわけでさァ」
「………」
「今じゃそんな事があったなんて微塵も感じませんがねィ。ナマエは、俺たちと会う前の記憶がないみたいなんでさァ。まぁ、思い出したくないのかもしれやせんがねィ」
総悟が視線を下に落とす
「沖田くん、ずいぶん長い独り言だね」
「そーゆーことなんで、よろしくお願いしまさァ」
「ちょいちょい、何それ、よろしくってどーゆーことォ⁉︎そんな重たい話聞かされて、俺にどーしろっつーんだよ?…あっ、それって~沖田くん的には銀さんとナマエとの仲は公認ってことかなァ?」
銀時がニヤリと笑みを浮かべる
「それとこれとは、話は別でさァ」
「なんだそりゃ⁉︎つーか君は、いっつも俺にめんどくさい事ばーっか押し付けてくるよねェ。俺ァ厄介ごとに巻き込まれるのはもうこりごりなのよ!とくにお前ら真選組に関わると、ロクなことにならない!そーゆーのは、おたくの上司のマヨ方くんの方が得意そうじゃね?だから、そちらさんでなんとかしてね。じゃそーゆーことで」
そう言うと銀時はさっと立ち上がった
「旦那ァ、そりゃちと冷たくないですかィ?」
「…けどよォ、それを聞いて俺ァナマエに何してやれんだ?アイツがその件に関して何か頼んできたってのかよ?」
「それは…」
「そーゆーこった。じゃあな」
そう言い残して、銀時は屯所を後にした