第9章 それぞれの憂鬱
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次の日――…
目が覚めたのは、いつも起きる時間をかなり過ぎてからだった
仕事が終わるのも遅かったから疲れてしまったのだろうと思いつつ、スマホに目を向ける
昨日帰宅した後、土方からメールがきていたのを思い出した
「返事、返してないや…」
メールの内容だけは何となく覚えていた
“総悟なら大丈夫だ。酔ってたとはいえ、あいつが悪いんだし、ナマエは気にするな”
この様な配慮をしてくれる土方は、やっぱり優しい人なのだろう…
そう思いながらも、同時に銀時が昨日言った言葉も頭に思い浮かぶ
(とりあえず、総悟に会いに行こう…)
準備をして家を出ると、アパートの階段下に総悟がいるのが見えた
「あ…」
「…よぉ」
「今、屯所に行こうと思ってたんだけど――」
そう言いながら、ナマエが階段を降りて行く
すると総悟が下を向きつつポツリと呟く
「少しその辺でも散歩するか?」
「…うん」
とりあえず近くの川辺にやって来た
そして近くのベンチに腰掛ける
しばらくの沈黙の後、初めに話を切り出したのはナマエだ
「昨日、大丈夫だった?」
「まぁ…途中記憶があいまいなところもあるけど…心配いらないでさァ」
「そっか…」
総悟の顔を改めて見ると、うっすら青アザがあるのが目にとれた
「でも、顔…」
「あー大したことないでさァ、このくらい日常茶飯事でィ!」
そう言って笑ってみせる
そしてポツリと呟いた
「昨日は悪かった…」
「ううん!あれは私のせいでもあるし…そんなに気にしてないから!」
「それならいいんだけど…」
そう言うと総悟はさっと立ち上がった
「あの2人は何か言ってたかィ?」
「土方さんと銀さん?い、いや~特に何も?」
「そーかィ」
「ってか、ドSの総悟が素直に謝るなんて…何か気持ち悪いんですけどォ~今日、ヤリでも降って来なきゃいいけど」
「なんてこと言うんでィ!俺だって、テメーが悪いと思った時には、素直に謝りまさァ」
「えぇ~そんな事今まであったっけ?」
「ナマエだって、素直じゃないだろ~ィ」
「う、うるさいな~!私の事は関係ないでしょ⁉︎」
「テメーの事棚に上げて、物言ってんじゃないでさァ」
そんなやり取りの最中、ふとナマエに笑いがこみ上げる
「アハハっ、何か私たちっていつまで経ってもこーゆーところ、変わらないね」
その言葉を聞いた総悟もフッと微笑む
「確かに…あの頃もいつもこんな感じで――」
「でも、あの頃よりはお互い何でも素直に話せてるんじゃないかな…?」
少し懐かしむ様に話すナマエに対して、総悟も遠くを見据える
「そうかもな…」
しばらくの沈黙の後――…
「それじゃ、そろそろ戻りまさァ。確か、会議だって土方さんが言ってたような」
「そっか。じゃー早く戻らないと怒られるね」
「まぁ、大した会議じゃないと思うがねェ…ナマエ――」
「ん?何?」
「…いや、何でも…じゃあ、また…」
そう言って、総悟は行ってしまった