第8章 2月14日【後編】
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さっきから総悟の様子に違和感を感じていた土方が尋ねる
「おい、総悟!お前、これ何飲んでんだ…?」
「何って、焼酎でさァ」
総悟の目の前に置かれているグラスを一口飲んでみると、明らか焼酎とは違うものが入っていた
「ちょっ、お前、これ焼酎じゃなくてテキーラ的な感じなんだけどォォ~‼︎お前大丈夫かこんなもん飲んで⁉︎」
空のグラスは既に5つ以上も置いてある
「え?何言ってんでさァ、俺ァ大丈夫ですぜィ、土方さん」
そう言いつつ、総悟が話しかけている相手は銀時である
「沖田くん、沖田く~ん、君の上司の土方くんはあっちなんですけど…?ホント大丈夫?」
「あり?旦那でしたかィ。こりゃ~失礼しやした」
「誰だよ、こいつにこんなもん飲ませたのはよ⁉︎」
「誰って、土方くん…俺らにお酒作ってくれたの1人しかいないじゃん…」
そう言って、銀時はナマエに目線を送ると
「…えへっ、ごめんなんさい!」
平謝りをするナマエに対して、銀時と土方はため息をついた
すると、急に総悟が銀時に話かけてきた
「旦那ァ~チョコレートが一番甘くなる食べ方、知ってやすかィ?」
「あ?チョコはそのまま食っても十分甘いだろ?」
「まぁ、見ててくだせィ」
総悟は、ニィと不気味な笑みを浮かべて、次はナマエに話しかける
「ナマエ、ちょっと口開けてみ?」
「えっ、こう?」
総悟はナマエの口内にさっき貰ったチョコを1つ放り込んだ
「ん?チョコ?ありがと…」
その直後、総悟はナマエの顎をクイッと持ち上げると少し乱暴に口付ける
「ん…んんっ…!」
そして、口内のチョコを舌で絡め取る
その光景はまさしくキスをしているようにしか見えなかった
ナマエから奪い取ったチョコを食べながら一言「甘めェ」とだけつぶやいた矢先――…
ナマエの右ストレートが飛んできたのは言うまでもなかった
「ちょっ、総悟、何すんのよっ⁉︎」
ぶっ倒されている総悟に気づいた近藤が慌ててやって来た
「総悟ォォ~‼︎どうしたんだァァ⁉︎誰にやられたァ~⁉︎」
状況がつかめていない近藤をよそに、銀時と土方はいたって冷静だった
「近藤さん、それは総悟が悪いんでそのままほっとけばいいて」
「何っ⁉︎どーゆー事だよ、トシーーッ⁉︎」
ここにきて、我に返ったナマエが総悟のもとに駆け寄ってきた
「総悟っ‼︎だ、大丈夫⁉︎ごめんね!ちょっといきなりっだったからビックリしちゃって…」
総悟は酔いも回ってるせいか、そのままグッタリしている
「まぁ、こいつなら大丈夫だろ…ったく、いつもはこんなにならねーのに。近藤さん、めんどくせーけどこいつは俺が連れて帰るんで」
そう言うと、土方は総悟を抱えて立ち上がった
「土方さん、何かすいません」
「いいって…また後で連絡するわ」
土方はそう言うと総悟を抱えながら店を後にした