第19章 過去
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そして、もう1つ重要な事実があった。
それは──
何を思い出しかけた時、ナマエの元に高杉がやって来た。
「ナマエ、さっきの話だが……承諾してくれたととっていいんだな?」
「………」
高杉の問いかけに、ナマエは一瞬目線を下に落とし、ただ黙って頷いた。
その時、万斉もやって来た。
「晋助、奴がやって来たみたいでござるよ」
「そうか……にしては、やけに静かじゃねーか?」
「そうでもないでござるよ。余計な者も1匹、ついてきたみたいでござるな」
「えっ、な、何⁉︎ 来たって、誰が……⁉︎」
戸惑うナマエに、高杉はニヒルな笑みを浮かべて答える。
「今一番会いたい奴が来てくれたみてーだな」
「え…?」
「さて、お楽しみはこれからだ……」
そう口走る高杉の冷徹な表情に、ナマエは背筋にゾクリと寒気が走った
これから一体何が起こるのか……
高杉に手を取られ向かった先に、見慣れた人物がいるのが分かった。
「銀さんに土方さん⁉︎ どうして2人がここに……⁉︎」
「ナマエ──⁉︎」
「クククッ……銀時、お前が来るのを待ってたぜ」
「待ってただァ⁉︎ あんなもんよこしやがって、何の招待状かと思いきゃこんな趣味の悪ィパーティーだったとはよォ、とんだ期待外れだぜ!」
「高杉──ッ! テメーはこの俺がしょっ引いてやらァ、覚悟しやがれ!」
「つーか、離せよ……俺の大切なもんに気安く触んじゃねー!」
そう言うと同時に銀時が高杉に切りかかる。
高杉もそれを腰の刀で素早く受け止める。ギリギリと刃こぼれが起こりそうな勢いで、2人が力をぶつけ合う。
「高杉ィ……俺ァ次に会った時はテメーをぶった切る……って言ったよなァ? 忘れたわけじゃねーよなァ⁉︎」
「クククッ…お前は忘れたのか?」
「はァ? 何をだよ⁉︎」
「ナマエは……元々俺のもんだ」
そう言い放つと、高杉は銀時を突き放した。
「銀さん、もうやめて!」
ナマエの叫ぶ声すらも届いていないのか……銀時は高杉と交戦を続けている。
一方土方が、その隙にナマエを助けるべく向かうも、そこに万斉が立ちはだかる。
「ぬしの相手は拙者がいたすでござるよ」
「お、お前はあん時の──」
「鬼の副長の、お手並み拝見といくでござるか……」
「上等じゃねーか!」
どうしていいか分からない……とりあえず、近くの銀時の元へ向かおうとするナマエの所に見覚えのある2人組が近付いていた。
気配を感じ振 振り返ると同時に後ろから捕まえられる。
「ちょっと、離して!」
「逃げてもらっては困ります。ここでおとなしくしててください」
「武市センパ~イ、何でこんな女見張ってなきゃならないんスか? 大体アンタ、晋助様の何なんスか⁉︎」
「何で⁉︎ 約束が違うじゃないですか! 私が従えば、銀さんたちには手出ししないって……そう言ってたじゃないですか!」
「うるさいッスよ! 大体先に手を出してきたのはあいつらの方ッスよ?」
「……ッ」
「晋助様はそれを防いだだけ……つーか、騒ぐなら少し黙らせてやろーか?」
「また子さん、手荒な真似はやめてください! 彼女は晋助殿の大事な人なんですからね」
「もー! それが一番気に入らないッス!」
「私、止めにいかなきゃ……いいから、離して!」
抵抗するもなかなかふりほどけず、ナマエはただ2人が戦う姿を見ていることしかできなかった。