第18章 闇
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その時ナマエはとある夢を見ていた──
あれは、幼い頃の私……?
そこには自分と2人の男の子。その内の1人に自分が話しかけている。
「ねぇねぇ、どうしていつもつまらなそうな顔してるの?」
「……」
「ねぇってば!」
「うっせーよ……」
「おい! ナマエにそんなこと言うなよ!」
「ねぇ、本当はみんなと一緒に遊びたいんでしょ? 一緒に行こ……?」
そう言って、幼い私は男の子の手を取った。しかし、無残にも振り払われてしまう。
「放せよ!」
「……っ」
しかし私はそれに構う事なく、ニコリと男の子に笑顔を向ける。
「私、知ってるから……私もあなたと同じ……」
「…………」
「ナマエ、そんな奴放っといて早く行こーぜ」
そこへ、また誰かがやって来る。
「君たちは本当に仲が良いですね」
「あっ、先生!」
先生と呼ばれたその男は、男の子の頭をポンポンと軽く撫で、同じようにニコリと笑顔を向ける。しかし、男の子は黙ったままだ。
「先生も行くってさ。ほら早く行こ?」
「……分かった。行くよ……」
私が再び手を差し出すと、今度はその手をしっかりと掴んだ。そして、みんなの元へとかけていく──
(あれは……誰? 本当に私なの……?)
ナマエがそう思った次の瞬間──場面ががらりと変わる。
***
ゆっくり目を開けて辺りを見回すと、多くの人々が倒れている。
そして、あちらこちらから刀同士が激しくぶつかる音……激しい銃声が鳴り響いている。
(ここは戦場……⁉︎)
そう思った時、ある場面が目に飛び込んできた。そこには2人の若者と1人の天人──
(あ、あれは……⁉︎)
その若者達と、さっき見た少年たちの面影が重なる。
しかし次の瞬間、ナマエは胸騒ぎを覚えた。
(私、この光景を見たことがある──! このままじゃ、あの彼が──)
そう思った時には、身体が彼らの方に向かって動いていた。そして、大声で叫ぶ。
「早く、そこから逃げて!」
しかし彼らにナマエの声は届いていないようだ。
そして次の瞬間──1人の若者の眼から血が流れていた。どうやら天人の一太刀を浴びてしまったようだ。
「嫌──! もうやめて ──ッ!」
とっさに彼をかばおうと天人の前に立ちふさがったが、次の瞬間横から勢いよく突き飛ばされてしまう。
「……っっ──⁉︎」
直ぐ様起き上がり面を上げると、ナマエの身代りにもう1人の若者が目の前で切られる光景が飛び込んでくる。
その倒れる様は、まるでスローモーションの様にゆっくりと映し出されていく──
「い、嫌──ッ!」
ナマエが、バッと息を切らして飛び起きる。
「ハァ……ハァ……、さっきの夢一体何……⁉︎」
そうこうしていると、高杉が戻ってきた。
ナマエの様子に違和感を感じたのか、怪訝そうに話しかける。
「……どうかしたか?」
「べ、別に……」
チラッと横目で高杉を見たナマエは、さっき見た夢に、似たような面影を思い出す。まさか……と思いながらも、高杉に問いかける。
「ねぇ、あなたは誰なの……?」
「…………」
ナマエの言葉に再び曇った表情を浮かべるが、直ぐさまクククっと笑みを浮かべ、ナマエをグッと抱き寄せる。
「ちょっ、離してください!」
「ナマエ……俺ァただお前に──」
高杉の声色が、あまりにも憂いを帯びて聞こえる──ナマエは思いがけず、抵抗する手を止めてしまう。
何故だか分からなかった。ただ、この一時だけは、高杉の声に耳を傾けた。
その頃、真選組で話を聞いていた銀時らは──