「新ちゃん?」
「あっ、姉上だ!」
新八がバタバタと玄関に向かい、次にやって来たのは新八の姉、お妙だ
「
ナマエさん来てますよ」
「ホントに?楽しみだわ!」
バーゲンダッシュを手土産にお妙が入って来た
「姉御~‼︎」
「はいこれ、みんなで食べましょう!あっ、こちらが
ナマエさん?」
「
ナマエ、さっき話してた姉御アル!」
「僕の姉上です」
「どうも、初めまして。志村妙です」
そう言って、お妙はしおらしく頭を下げた
その名前を聞いて、
ナマエはハッとした表情を浮かべた
「えっ、もしかして貴女がお妙さん⁈」
「
ナマエさん、姉上のこと知ってるんですか?」
「あっ、いえ、会ったのは今が初めてなんですけど、いつも近藤さんが――」
『近藤』と言うフレーズに、お妙の眉がピクリと動いた
「新ちゃ~ん、この子何?あのゴリラの回し者?」
笑顔だが、後ろには黒いオーラをまとい、指をパキパキ鳴らしはじめている
これはヤバいと感じとったのか、
ナマエも慌てて弁解する
「い、いや、そうじゃなくて…私、真選組に知り合いがいるんです。沖田総悟って知ってます?」
「沖田って、あの沖田さん?」
「あのドSヤローアルね‼︎」
「彼、実は私の幼馴染なんです」
「「まじでか‼︎」」
新八と神楽の声がまた重なる
「それで、あのゴリラがなんですって?」
お妙はまだピリピリしている様子だ
「いつも近藤さんが、お妙さんお妙さんってうるさいんで、どんな人なんだろーって思ってたんですけど…こんなに綺麗な人だったんで、近藤さんが惚れるのも無理ないなぁってーー…」
「そうだったの~でも、あのゴリラには近づかない方が身のためよ?私に殺されたくなかったらね!」
どうやら機嫌は戻った…ようだ
一方銀時はと言うと、会話に入ろうとするも、新八及び神楽が邪魔をして入れず、お妙も加わり一段と話の盛り上がっている様子の4人を、ただ遠目で眺めているしかなかった
しばらくして、
ナマエとお妙は2人で出かけてくると言って万事屋を後にした
「あっ、坂田さん、お邪魔しました」
「は、はい…」
「
ナマエさん、また遊びに来てくださいね!」
「はい!」
「待ってるアルよ!」
「うん、それじゃー!」
笑顔で手を振る
ナマエに、これまた笑顔で見送る新八と神楽
そして、銀時は未だに状況を呑み込めないでいた
2人が帰った後、ようやく銀時が口を開いた
「新八く~ん、神楽ちゃ~ん、これは一体どーゆーこと…?」
「えっ?何がですか?」
笑顔で答える新八に対して、神楽はと言うと――…
「私に隠し事なんで、100年早いアル!この天パが!」
「隠し事って、お前…別に俺ァ何も隠しちゃいねぇがよォ…」
カシカシと頭を掻きながら、少しバツが悪そうに銀時は答えた
「嘘つくアル!
ナマエの事黙ってたネ!」
「そ、それはだなーー…」
「
ナマエさん、すごくいい人じゃないですか!銀さんにはもったいないくらいですよ」
「そーアル‼︎銀ちゃんなんかやめとけばいいネ!」
「おいおい、お前ら何か勘違いしてるみたいだけど、別にまだそんなんじゃないし…つーか、全然違うし!」
「えっ?違うんですか?」
「ぱっつあん、ここは黙って温かく見守るアル」
「そうだね。銀さん、僕らもう何も言わないんで、頑張ってください!」
2人とも、何か親のような雰囲気を醸し出している
「だから違うって…お前らすぐそんな風にしたがるのな。ったく、めんどくせーなァ…おい…」
深いため息をつきつつ、銀時はまた頭を掻いた
そんなこんなで、万事屋にもう1人新しい仲間が増えた…ようである
つづく