【鉄道擬人化】いつだって。
「なぁ本線?」
ある日の堀ノ内駅。久里浜はぶっきらぼうにそう言うと、私の方をちらりと見た。
「どうしたの?」
私がそう言うと、久里浜は珍しく俯きがちに呟く。
「…なんかさ、お前と二人でここにいるの久しぶりだよな」
「…うん、そうだね」
私は久里浜の言葉に小さく頷いた。すると久里浜は顔を上げ、走り行く列車に視線を向けた。それから言う。
「ここにいるとなんか安心する」
「…」
「俺が久里浜線でお前が本線だってしっかり実感出来るだろ?」
「…ふーん」
「それとさ」
不意に久里浜が言葉を止めたので、私はその横顔に目をやった。
「…久里浜…?」
「…おかしいよな、俺って…何なのかわかんない…」
久里浜が再び俯いたのを見て、私は呟く。
「…京急久里浜線」
「なぁ、そうなのかな、本当に俺そうなのかな、本線」
「…」
久里浜の声は震えていた。私は少ししてから彼のその髪を梳き、言った。
「髪さ、ちょっと伸びたんじゃない」
「…なんで」
「顔、見えないから」
「…そう」
久里浜は少し複雑そうにそう呟いた。私はそのまま久里浜の頬を撫でると、静かに笑う。
「いいよ、私。久里浜のことならどんなことだって受け入れるから」
「本当かよ」
「うん、ほんとだよ」
行き交う赤い列車を眺めていた。私は京急本線、君とずっと一緒にいるからね。
ある日の堀ノ内駅。久里浜はぶっきらぼうにそう言うと、私の方をちらりと見た。
「どうしたの?」
私がそう言うと、久里浜は珍しく俯きがちに呟く。
「…なんかさ、お前と二人でここにいるの久しぶりだよな」
「…うん、そうだね」
私は久里浜の言葉に小さく頷いた。すると久里浜は顔を上げ、走り行く列車に視線を向けた。それから言う。
「ここにいるとなんか安心する」
「…」
「俺が久里浜線でお前が本線だってしっかり実感出来るだろ?」
「…ふーん」
「それとさ」
不意に久里浜が言葉を止めたので、私はその横顔に目をやった。
「…久里浜…?」
「…おかしいよな、俺って…何なのかわかんない…」
久里浜が再び俯いたのを見て、私は呟く。
「…京急久里浜線」
「なぁ、そうなのかな、本当に俺そうなのかな、本線」
「…」
久里浜の声は震えていた。私は少ししてから彼のその髪を梳き、言った。
「髪さ、ちょっと伸びたんじゃない」
「…なんで」
「顔、見えないから」
「…そう」
久里浜は少し複雑そうにそう呟いた。私はそのまま久里浜の頬を撫でると、静かに笑う。
「いいよ、私。久里浜のことならどんなことだって受け入れるから」
「本当かよ」
「うん、ほんとだよ」
行き交う赤い列車を眺めていた。私は京急本線、君とずっと一緒にいるからね。