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【鉄道擬人化】青空がくれた希望

『ほんせん、ぼく大きくなったらもっともっと便利になってみんなを笑顔にします!!』
『そうか、頑張れよ…、いずみ野』

二俣川の駅のホームで、ふと物思いに耽っていた。あれから何年が経ったのだろうか。僕が湘南台まで延伸して…、今年でもうぴったり20年になるのか。数日後に迫る3月10日、僕がいつか”あの言葉”を言う時が来るのだろうか。
「何ぼーっとしてんだ、いずみ野」
そんな時、ふと聞き慣れた声がした。僕が視線を上げていくと、そこにはやはり見慣れた本線の姿があった。僕は緩く首を振る。
「ごめんなさい、ちょっと考え事です」
「…ふーん、お前でも考えるとかあるのか」
「完全に馬鹿にしてますよねそれ」
けろっとした表情で僕をディスっていく本線を軽く睨みつけつつ、僕はそう言った。そのままぼーっとしばらく本線を見つめていると、本線は少し顔を赤くして言う。
「な…何だよ」
彼のその言葉に、僕は少し口角を上げて言った。
「いや…、本線背ちっちゃいなって」
「う、うっせ…!俺はいつか新線開業させてやんだからな!!」
「貴方それ結構気にしてますよね」
「お前がデカいだけだろ!!!」
結構ガチで本線が突っかかってきたので、僕は「はいはい」と軽く彼をあしらっておいた。路線的には断然本線の方が大きいのだが、僕は将来延伸というものが待っているので彼よりも背が高いのである。と、その時。
「お前らまーたケンカしてんのかぁ?」
僕と本線が同時に声のした方を振り向くと、そこには気だるそうにこちらを見つめる金髪の青年が立っていた。
「厚木さん…」
僕がそう呟くと、本線はくるりと厚木さんに背を向けて言った。
「別に!!!ケンカなんかしてないけど!!!」
「大人げねぇなあ本線、またいずみ野になんか言われたんだろ?」
「別に何も言われてないし!!!」
「ほっといてあげてくださいよ厚木さん…本線背ちっちゃいの気にしてるんですから」
「ああ、それであんなに機嫌悪いのか…」
「いちいち余計なこと喋ってんじゃねぇよいずみ野!!!!!////」
「いいから落ち着けよ本線…」
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