終わりさえあればそれでいい
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昔、1人の少女がいました
少女は何かと目を惹く少女であり、クラスの中心にいる人物でした
そんな少女には、1人の親友がいました
少女を守るように振る舞うその姿は、さながら騎士のよう
2人はいつだって、人から注目を浴びていました
僻まれることもありましたが、賢い2人の振る舞いはスマートで大きな問題となること無く生活していました
決して2人が爪弾きにされるような事は無かったのです
そんな2人のクラスには、ある女の子がいました
綺麗な容姿を持つ女の子は、常に1人で過ごしていました
最初こそは囲まれていたのですが、どうにも女の子は傲慢で他人を見下して話す悪癖があったのです
いつ如何なる時も1人で過ごす女の子を見かねた担任は、少女に声を掛けました
“何とか女の子を、輪の中へ入れてやって欲しい”
中心人物である少女が呼びかければ何とかなるだろう、そんな安直な考えでした
そうは言われたものの、2人は困惑しました
女の子は徹底的に壁を作り、誰に対しても心を許そうとしていなかったのです
2人はそれから毎日女の子を観察することにしました
そうして、あることに気付いたのです
女の子はいつも同じ髪飾りをしており、それを大事にしているようだと言うことに
髪の長かった少女は、それと同じものを買うことにし、それを付けて女の子に声を掛けたのです
“その髪飾り、ウチとおんなじだね!
もしかして、ウチ等って気が合うのかな?ねぇ、一緒に遊ぼうよ”
それが始まり
最初困惑していたクラスメイト達でしたが、少女が仲良くしている手前邪険には扱えません
だから女の子に優しくしました
一緒に遊びました
女の子は形だけだとしても、クラスの輪の中に入れたのです
そんな時が暫く続き、本来の女の子の性格が顔を覗かせ始めます
傲慢な女の子の性格が
“どうして私より、少女を優先するのだろう
どうして私より、親友を優先するのだろう
私が一番、可愛いのに”
女の子は輪の中に入ることで、忘れてしまっていたのです
この輪の中まで導いてくれたのは、誰であったかと言うことを
むしろ、導いてくれた誰かがいたと言うことさえも
そんな時、女の子の前に神様が現れました
そうして、女の子に囁きました
“命の数だけ、願いを叶えよう”
その神様は、人の命を刈るのが大好きな、死神でした
本来は死ぬ予定で無い人間を、死ぬ予定のある人間の死期を早め、徒に殺しては己の欲を満たす
そんな、死神でした
勿論そんな死神を、他の神々が放って置くはずがありません
神々の怒りに触れ、天界を永久追放されてしまったのです
神の名を剥奪された元死神は、退屈で仕方ありません
自身の手で、人の命を刈り取る事が出来なくなったからです
そうして、元死神は1つ思い至った事を実行してみようと人間を観察し始めました
人間に、人間の命を刈らせよう
単純な人間は、甘い囁きに弱いのだから、欲望に塗れた生き物だから
そうして目を付けたのが女の子でした
女の子は嬉々としてその提案を聞き入れ、少女と親友を殺しました
それに加えて、自分の命を差し出すことによって他の世界へとトリップすることを望んだのです
しかし、忘れないで欲しいのは、願いを叶えたのは元死神であったと言う事
元死神は名前の通り、命を刈り取ることしか出来ない、そんな役目を担っていたもの
それすら剥奪された今、元死神にはトリップさせるなんて事は不可能
けれども、女の子はトリップを果たした
いや、したかのように見えていただけ
元死神は差し出された女の子の命の残骸を寄せ集め、人の形を作り、世界に無理矢理捻じ込んだだけのこと
人を魅了させる自身の力を少しだけ混ぜ込んで
本体を持たない命の残骸は、放っておけば勝手に消えていく
人に刻まれた記憶と共に
元死神は、命が手に入るのならば何でも良かったのです
女の子の願いを叶える気など、最初から全く無かったのです
一方殺された2人はどうしたかというと、真っ白な空間に揃って居ました
何も無い、上下左右も分からない、そんな無の空間
そんな場所に2人だけで佇んでいました
転生の神様は言いました
“負の感情が強すぎて、天へも地へも送れない”
2人は声を揃えて言いました
“あの子に復讐させて”
しかし、神様は首を縦に振ることは出来ません
復讐を目的として転生させることは、出来なくは無いですが褒められた行為では無いからです
かといって、このまま魂の2人をここに置いておくことも出来ません
輪廻転生の輪から外れてしまった魂は、消滅してしまうからです
その為に死神は死期の近い人間の傍でその死を見守りあるべき場所まで送り、転生の神がまた次の生を与えるのです
少女は言いました
“この子を殺したあの子のことが許せない
あの子が一体どうなったのか、どうしてウチ等がこうなったのか教えて
ウチ等には、それを知る権利があるはずでしょう?”
神様はその言葉に頷いて、事の真相を語りました
親友は怒りを露わにしましたが、少女は考え込みます
そうして、神様に向かって言いました
“取引をしましょう、神様”
にっこり、と綺麗な笑顔を浮かべて言いました
“ウチ等をあの子が紛れ込んだ世界に転生させて
あの子に復讐した後に、貴方にあの子を引き渡す
ね?利害の一致でしょう?”
神様は考えました
確かに女の子存在をそのままにして置くわけにはいかない
勝手に消えてしまえば、女の子を裁いて、再び輪廻の輪に戻すことが出来なくなってしまう
けれど、他の世界に紛れてしまった女の子に神様は手出しが出来ない、そんな制約がありました
けれど少女達を転生させたならば?
その世界の人間となった少女達ならば、女の子に干渉する事が出来る
そうすれば、身柄を拘束することが出来る
“…契約成立だ”
神様は少女達と契約の内容を確認すると、少女達を転生させました
こうして、2人の復讐劇は幕を開けたのです
(決して許しはしない、私達の人生を賭けることになったとしても)
少女は何かと目を惹く少女であり、クラスの中心にいる人物でした
そんな少女には、1人の親友がいました
少女を守るように振る舞うその姿は、さながら騎士のよう
2人はいつだって、人から注目を浴びていました
僻まれることもありましたが、賢い2人の振る舞いはスマートで大きな問題となること無く生活していました
決して2人が爪弾きにされるような事は無かったのです
そんな2人のクラスには、ある女の子がいました
綺麗な容姿を持つ女の子は、常に1人で過ごしていました
最初こそは囲まれていたのですが、どうにも女の子は傲慢で他人を見下して話す悪癖があったのです
いつ如何なる時も1人で過ごす女の子を見かねた担任は、少女に声を掛けました
“何とか女の子を、輪の中へ入れてやって欲しい”
中心人物である少女が呼びかければ何とかなるだろう、そんな安直な考えでした
そうは言われたものの、2人は困惑しました
女の子は徹底的に壁を作り、誰に対しても心を許そうとしていなかったのです
2人はそれから毎日女の子を観察することにしました
そうして、あることに気付いたのです
女の子はいつも同じ髪飾りをしており、それを大事にしているようだと言うことに
髪の長かった少女は、それと同じものを買うことにし、それを付けて女の子に声を掛けたのです
“その髪飾り、ウチとおんなじだね!
もしかして、ウチ等って気が合うのかな?ねぇ、一緒に遊ぼうよ”
それが始まり
最初困惑していたクラスメイト達でしたが、少女が仲良くしている手前邪険には扱えません
だから女の子に優しくしました
一緒に遊びました
女の子は形だけだとしても、クラスの輪の中に入れたのです
そんな時が暫く続き、本来の女の子の性格が顔を覗かせ始めます
傲慢な女の子の性格が
“どうして私より、少女を優先するのだろう
どうして私より、親友を優先するのだろう
私が一番、可愛いのに”
女の子は輪の中に入ることで、忘れてしまっていたのです
この輪の中まで導いてくれたのは、誰であったかと言うことを
むしろ、導いてくれた誰かがいたと言うことさえも
そんな時、女の子の前に神様が現れました
そうして、女の子に囁きました
“命の数だけ、願いを叶えよう”
その神様は、人の命を刈るのが大好きな、死神でした
本来は死ぬ予定で無い人間を、死ぬ予定のある人間の死期を早め、徒に殺しては己の欲を満たす
そんな、死神でした
勿論そんな死神を、他の神々が放って置くはずがありません
神々の怒りに触れ、天界を永久追放されてしまったのです
神の名を剥奪された元死神は、退屈で仕方ありません
自身の手で、人の命を刈り取る事が出来なくなったからです
そうして、元死神は1つ思い至った事を実行してみようと人間を観察し始めました
人間に、人間の命を刈らせよう
単純な人間は、甘い囁きに弱いのだから、欲望に塗れた生き物だから
そうして目を付けたのが女の子でした
女の子は嬉々としてその提案を聞き入れ、少女と親友を殺しました
それに加えて、自分の命を差し出すことによって他の世界へとトリップすることを望んだのです
しかし、忘れないで欲しいのは、願いを叶えたのは元死神であったと言う事
元死神は名前の通り、命を刈り取ることしか出来ない、そんな役目を担っていたもの
それすら剥奪された今、元死神にはトリップさせるなんて事は不可能
けれども、女の子はトリップを果たした
いや、したかのように見えていただけ
元死神は差し出された女の子の命の残骸を寄せ集め、人の形を作り、世界に無理矢理捻じ込んだだけのこと
人を魅了させる自身の力を少しだけ混ぜ込んで
本体を持たない命の残骸は、放っておけば勝手に消えていく
人に刻まれた記憶と共に
元死神は、命が手に入るのならば何でも良かったのです
女の子の願いを叶える気など、最初から全く無かったのです
一方殺された2人はどうしたかというと、真っ白な空間に揃って居ました
何も無い、上下左右も分からない、そんな無の空間
そんな場所に2人だけで佇んでいました
転生の神様は言いました
“負の感情が強すぎて、天へも地へも送れない”
2人は声を揃えて言いました
“あの子に復讐させて”
しかし、神様は首を縦に振ることは出来ません
復讐を目的として転生させることは、出来なくは無いですが褒められた行為では無いからです
かといって、このまま魂の2人をここに置いておくことも出来ません
輪廻転生の輪から外れてしまった魂は、消滅してしまうからです
その為に死神は死期の近い人間の傍でその死を見守りあるべき場所まで送り、転生の神がまた次の生を与えるのです
少女は言いました
“この子を殺したあの子のことが許せない
あの子が一体どうなったのか、どうしてウチ等がこうなったのか教えて
ウチ等には、それを知る権利があるはずでしょう?”
神様はその言葉に頷いて、事の真相を語りました
親友は怒りを露わにしましたが、少女は考え込みます
そうして、神様に向かって言いました
“取引をしましょう、神様”
にっこり、と綺麗な笑顔を浮かべて言いました
“ウチ等をあの子が紛れ込んだ世界に転生させて
あの子に復讐した後に、貴方にあの子を引き渡す
ね?利害の一致でしょう?”
神様は考えました
確かに女の子存在をそのままにして置くわけにはいかない
勝手に消えてしまえば、女の子を裁いて、再び輪廻の輪に戻すことが出来なくなってしまう
けれど、他の世界に紛れてしまった女の子に神様は手出しが出来ない、そんな制約がありました
けれど少女達を転生させたならば?
その世界の人間となった少女達ならば、女の子に干渉する事が出来る
そうすれば、身柄を拘束することが出来る
“…契約成立だ”
神様は少女達と契約の内容を確認すると、少女達を転生させました
こうして、2人の復讐劇は幕を開けたのです
(決して許しはしない、私達の人生を賭けることになったとしても)