君とありふれた話をしよう
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その邂逅は、本当にただの偶然だった
「あれ、九条ちゃん?」
その日は職場の同期2人と遊びに出かけていた
その場には私とさゆが居り、遅刻常習犯のもう1人を待っている時の事だ
さゆとは2年ほどの付き合いになるが、凄いクールな女性で、自身の話をあまりしない
仲の良い友人の話もあまり聞かないため、一匹狼タイプで生きていたのだろうと勝手に思って居た
そんなさゆを、九条ちゃん、などと気軽に呼び声を掛けてくる友人、ましてや男性がいるとは正直思って居なかったので驚いたのだ
声を掛けられた当事者であるさゆは、その声に僅かばかり不思議そうな顔をしながら振り向く
声を掛けてきた男性は2人組で、やほー、と手を振りながら笑いかけてくる長髪の男性と、サングラスを掛けた天パの男性
『萩、と松も
相変わらず仲良いね、2人』
どうやら長髪男性だけでなく、天パの男性とも知り合いだったようだ
目が合ったので軽く会釈をすれば、さゆは2人を犬猫を追いやるように手を振る
『今日はメンズ禁制なのでお帰り願います』
「冷たいなー、九条ちゃん
久々に会ったって言うのにさー」
『用事も無いのに萩と会う必要性を感じない』
「必要性ww」
さゆのドライすぎる返しに慣れているのかケラケラと笑う
とそれ以上さゆの機嫌を損ねないためか、他に用事があったのか知らないが二、三言交わすと来たとき同様手を振りながら立ち去った
『友達?』
『高校時代の、意外?』
『ちょっとだけ』
なんて会話をし、笑っているともう1人が遅れて登場
そのままその話は流れ、予定通りショッピングに繰り出した
と言うのが数日前の話
同僚兼友人の新たな一面を見た、だけで終わる筈だった出来事
それなのに、今私の真横には数日前にさゆを通して希薄すぎる接点を持った長髪男性が1人
現在地は割と小さな居酒屋さん
絶賛お一人様を楽しんでいたところに現れた彼は、驚異的な記憶力の持ち主なのだろうか
特徴的でも何でも無い私をたった1回見ただけで覚えてしまっていたようで声を掛けてきたのである
どういう事だろうか
「この前九条ちゃんと一緒に居たよね?友達?」
『同僚兼友人と言いますか…』
「って事は看護師さん!いつもお疲れ様です」
『ありがとうございます…?』
驚異的な記憶力に加えて、驚異的なコミュ力の持ち主でもあるようだ
にこにこ、と人好きする笑みで話しかけてくる
初対面なのに凄いな??
「急に話しかけられて驚くよね
九条ちゃんがちゃんと友達作って休日に遊んでるって言うのがちょっと驚きで」
『あぁ、それは私も思いました
一匹狼タイプかと思って居たので、男友達がいるっていうのは結構意外で』
なるほど、彼が私を覚えて居たのは私と同じような理由だった訳か
そして私が抱いた感想もあながち間違いでは無かったようである
高校時代からの友人に驚かれるくらいには、人間関係は希薄なタイプだったのだろう
うん、そんな感じする
「俺、萩原研二
こんなんでもお巡りさんやってます」
『岸辺希空です』
そんな偶然から始まった関係だった
(偶然交わった、点と点)
「あれ、九条ちゃん?」
その日は職場の同期2人と遊びに出かけていた
その場には私とさゆが居り、遅刻常習犯のもう1人を待っている時の事だ
さゆとは2年ほどの付き合いになるが、凄いクールな女性で、自身の話をあまりしない
仲の良い友人の話もあまり聞かないため、一匹狼タイプで生きていたのだろうと勝手に思って居た
そんなさゆを、九条ちゃん、などと気軽に呼び声を掛けてくる友人、ましてや男性がいるとは正直思って居なかったので驚いたのだ
声を掛けられた当事者であるさゆは、その声に僅かばかり不思議そうな顔をしながら振り向く
声を掛けてきた男性は2人組で、やほー、と手を振りながら笑いかけてくる長髪の男性と、サングラスを掛けた天パの男性
『萩、と松も
相変わらず仲良いね、2人』
どうやら長髪男性だけでなく、天パの男性とも知り合いだったようだ
目が合ったので軽く会釈をすれば、さゆは2人を犬猫を追いやるように手を振る
『今日はメンズ禁制なのでお帰り願います』
「冷たいなー、九条ちゃん
久々に会ったって言うのにさー」
『用事も無いのに萩と会う必要性を感じない』
「必要性ww」
さゆのドライすぎる返しに慣れているのかケラケラと笑う
とそれ以上さゆの機嫌を損ねないためか、他に用事があったのか知らないが二、三言交わすと来たとき同様手を振りながら立ち去った
『友達?』
『高校時代の、意外?』
『ちょっとだけ』
なんて会話をし、笑っているともう1人が遅れて登場
そのままその話は流れ、予定通りショッピングに繰り出した
と言うのが数日前の話
同僚兼友人の新たな一面を見た、だけで終わる筈だった出来事
それなのに、今私の真横には数日前にさゆを通して希薄すぎる接点を持った長髪男性が1人
現在地は割と小さな居酒屋さん
絶賛お一人様を楽しんでいたところに現れた彼は、驚異的な記憶力の持ち主なのだろうか
特徴的でも何でも無い私をたった1回見ただけで覚えてしまっていたようで声を掛けてきたのである
どういう事だろうか
「この前九条ちゃんと一緒に居たよね?友達?」
『同僚兼友人と言いますか…』
「って事は看護師さん!いつもお疲れ様です」
『ありがとうございます…?』
驚異的な記憶力に加えて、驚異的なコミュ力の持ち主でもあるようだ
にこにこ、と人好きする笑みで話しかけてくる
初対面なのに凄いな??
「急に話しかけられて驚くよね
九条ちゃんがちゃんと友達作って休日に遊んでるって言うのがちょっと驚きで」
『あぁ、それは私も思いました
一匹狼タイプかと思って居たので、男友達がいるっていうのは結構意外で』
なるほど、彼が私を覚えて居たのは私と同じような理由だった訳か
そして私が抱いた感想もあながち間違いでは無かったようである
高校時代からの友人に驚かれるくらいには、人間関係は希薄なタイプだったのだろう
うん、そんな感じする
「俺、萩原研二
こんなんでもお巡りさんやってます」
『岸辺希空です』
そんな偶然から始まった関係だった
(偶然交わった、点と点)