君が生きた世界を守ろう
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中学を卒業し無事に高校へと進学
去年クラスメイトに伊達が居たことから同い年なのは分かっていたが
『今度は萩原に松田、ね…』
なんと今回は1年目から同じクラスである、止めてほしい
その見た目の麗しさから入学早々注目を浴びたその2人
まぁ、私も私でそれなりの容姿はしているのでこのクラスに野次馬のように人が集まること集まること
その全てに前世からの特技である愛想笑いであしらって過ごす日々は、もうそりゃ結構なストレスである
最近は専ら赤井家へと直帰し、3歳の真澄ちゃんに癒やされに行く始末である
表情筋疲れたなー、何て思いながらぼんやりと毎日を過ごす日々
中学同様、友人と呼べる人間は居ないが、高校は1人だと変に浮くし馴染めないだけで爪弾きにされる
別にそれでも構わないが、ひそひそ、と陰口がついて回るのは正直鬱陶しいため、この対人スキルは必要で
あぁ、この3年間が一番しんどいんだよな…
昔のことを思い返しても高校時代が一番気を遣ってしんどかった思い出がある
それを再度行わなければならないというのは何という苦行であろうか
こう言う時男の子は羨ましい
そういう所はさっぱりしているし、1人であっても女ほどとやかく言われない
松田などは良い例だろう
つっけんどんな一匹狼タイプだが、受け入れられ許されている
あぁ、ほんと面倒臭い
とまぁ、これ以上の面倒ごとを増やさないためにそれなりに振る舞う
感情が十分に育たなかったと言えど、人生2回目、社会人経験があればそれなりに見える様にもなるモノで
目立たず生きる、と言う事がこの容姿のせいで出来ないと言うことは重々承知
ホントは松田たちにも見つかりたくなど無いのだが、お互い存在は認知していることだろう
同じクラスだしね
でも関わる事なんてそう無いだろうと高を括っていたのだが
「楽しくもねぇ癖ににこにこ愛想振りまいてんじゃねぇぞ」
まさか、そちらから接触を図ってくるなんて思いもしなかった
何か言葉だけ聞くと、彼女が愛想振りまいてるから嫉妬した彼氏みたいだな
なんてそんなぼんやりと関係ないことを考えて現実逃避をしてみる
まぁ、そんな事したって結果は変わらないのだけれど
現在時刻は放課後
人が混雑する時間帯に帰るのは嫌いなので、教室で課題を広げぼんやりと時間を潰していた
これは入学してからずっとしていることなので、知っている人は知っている私の行動パターン
目の前で眉間に皺を寄せた、記憶にある顔より幼い天パの少年をじっと見返す
きっとその顔は癖になってしまっている笑みを象っていたのだろう
眉間の皺が濃くなったような気がした
「ちょっとじんぺーちゃん!女の子にイキナリ何言ってんの!
ごめんね、九条ちゃん」
「あ?ただの忠告だろ?
コイツが愛想振りまいてるから、変な奴に目を付けられ掛かってるって」
「分かりにくい!分かりにくいよ、じんぺーちゃん!」
「ちゃん付けすんな、きめぇ」
目の前で繰り広げられるやり取りに、笑みの種類が変わっていく
なるほど、にこにこしているのが気にくわないのでは無く勘違い野郎がいるから気を付けろ、と言う忠告だったのか
流石未来のお巡りさん、正義感の強い人である
確かに最近しつこく、また距離が近い奴が居るな、とは思って居たのだ
恐らくアイツのことを言っているのだろう
『ありがとう、松田くん
それってもしかして、立花くんのことかな?』
「気付いててそれはねぇだろ」
『うん、でも特別立花くんにだけ優しくした記憶も無いし、誰に対しても同じ態度を取ってるのに勝手に勘違いしているだけでしょう?
私に何か非があるのかな』
そう、私は誰に対しても愛想を振りまいている
彼に対してだけ特別何かをしたことなど無い
それなのに勝手に勘違いして、勝手にその気になって、逆上されたって、正直知ったこっちゃ無い
今までだってそうしてきた
勘違いした奴が告白してきたって、こっちはきっぱり断った
そうやって生きてきたのだ、今更口出しされたくなんか無い
「…、お前、自分の顔面自覚してそれやってんのか」
『嫌でも自覚するでしょう?』
「止めた方が良いと思うぜ」
『じゃあ、萩原くんはどうなの?』
「俺…?」
私と松田くんのやり取りに蚊帳の外になりかけていた萩原くんに話を振って申し訳ないとは思う
けど、私のことをとやかく言う前に、自分の隣にいる人から改めて欲しい
私と萩原くんは同じだ
内面は全く違うけれど、やっていることはおんなじ
誰に対しても平等に優しく、愛想良く
それに勘違いしちゃう女の子だってごまんといる
『そうでしょう?』
男だから、女だから、何て理由は聞きたくない
女の方が何かと生きにくいのだ
別に1人になったって気にはしないが、そうなってくると大人たちが五月蠅い
ただ放って置かれるだけなら別に構わないがそれで虐めに発展したらどう責任を取ってくれるの?
虐めを苦に思うような人間では無いが、されなくて済むというのならそれを避けて通るのは当たり前
自分が生きやすいような環境を作って何が悪いの?
そんなことを淡々と、きっと笑みを称えたまま目の前の人間に投げかける
きっと彼にとっては優しさから来る忠告だったのだろう
けれど、私からしたらそれは生きにくい世界への第一歩だ
にこにこ愛想良く振る舞っていれば、悪い感情は抱かれない
目立たずに生きることが出来ないのなら、大人しく過ごさせてはくれないだろうか
その事を松田くんに告げれば、彼は何故か笑い出してしまった
おかしな事を言った記憶は無いのだけれど
「見た目の割にはきつい性格してんだな、九条」
『万人が見た目のままの性格をしているとは限らないでしょう?』
「そりゃそうだ」
ケラケラ、と楽しそうに笑う松田くんに意味が分からず首を傾げる
萩原くんは少しはらはらした様子でこちらを見ていたのだが、松田くんの豹変により大きなため息を吐いていた
どういう事か説明して頂けると有り難いのですが
「悪い悪い、そんな強かな性格だとは思わなかったもんでな」
『まぁ、でしょうねぇ
気が弱くて周りに合わせてばかりいる様に見える様振る舞っているつもりですから』
「そこも計算かよ」
『ホントは1人が楽です』
「はっきり言うな」
やはり楽しそうな松田くんは説明する気が無いようなのでもう諦める
気にならないわけでは無いけれど、問いただしたいと言うほどでも無い
と言うか、この人たちはいつまでここに居るのだろうか
私はそろそろ帰りたいのだけれど
「九条」
『何でしょうか』
「俺達には愛想振りまく必要ないからな」
『えぇ、そうさせて頂きます
けど、この仮面は張り付いて剥がれないのでその辺りはご容赦を』
荷物を纏めて立ち上がる
引き留める気は無いようで、すんなりと教室を後にすることが出来た
関わりたくないから、と態々避けることも面倒臭い
彼等と関わると周りが五月蠅くなるだろうが、ある程度黙らせることが出来るほどの顔面はある
痛くもない腹を探られたって、何も出てこない
相手にするのが少々面倒臭くはなるが、恐らくきっと不問とされるだろう
暫くの我慢である
何て思って居たとおり、絡まれ出した当初はいろいろ言われたりしたが、暫くしたら3人でいるのが当たり前、とでも言うかの様な雰囲気になる
正直それは有り難いので、文句は無い
寄りついてくる人が減ったのも事実だ、コイツ等も私を隠れ蓑にしているのでお互い様と言うことで目を瞑って貰おう
ホント未来のお巡りさんというのは勘が良くて放っておけない性質をお持ちのようだ
兄さん然り伊達然り…
放って置いて欲しいのにこうも構われたら私だって何も思わないわけにはいかない
絶対阻止してやる、とまでは思えないが、死なない未来があるのなら、と思ってしまう
あぁ、面倒臭い
取り返しのつかなくなる前に
(今ならまだきっと間に合うから、皆が笑える未来に)
去年クラスメイトに伊達が居たことから同い年なのは分かっていたが
『今度は萩原に松田、ね…』
なんと今回は1年目から同じクラスである、止めてほしい
その見た目の麗しさから入学早々注目を浴びたその2人
まぁ、私も私でそれなりの容姿はしているのでこのクラスに野次馬のように人が集まること集まること
その全てに前世からの特技である愛想笑いであしらって過ごす日々は、もうそりゃ結構なストレスである
最近は専ら赤井家へと直帰し、3歳の真澄ちゃんに癒やされに行く始末である
表情筋疲れたなー、何て思いながらぼんやりと毎日を過ごす日々
中学同様、友人と呼べる人間は居ないが、高校は1人だと変に浮くし馴染めないだけで爪弾きにされる
別にそれでも構わないが、ひそひそ、と陰口がついて回るのは正直鬱陶しいため、この対人スキルは必要で
あぁ、この3年間が一番しんどいんだよな…
昔のことを思い返しても高校時代が一番気を遣ってしんどかった思い出がある
それを再度行わなければならないというのは何という苦行であろうか
こう言う時男の子は羨ましい
そういう所はさっぱりしているし、1人であっても女ほどとやかく言われない
松田などは良い例だろう
つっけんどんな一匹狼タイプだが、受け入れられ許されている
あぁ、ほんと面倒臭い
とまぁ、これ以上の面倒ごとを増やさないためにそれなりに振る舞う
感情が十分に育たなかったと言えど、人生2回目、社会人経験があればそれなりに見える様にもなるモノで
目立たず生きる、と言う事がこの容姿のせいで出来ないと言うことは重々承知
ホントは松田たちにも見つかりたくなど無いのだが、お互い存在は認知していることだろう
同じクラスだしね
でも関わる事なんてそう無いだろうと高を括っていたのだが
「楽しくもねぇ癖ににこにこ愛想振りまいてんじゃねぇぞ」
まさか、そちらから接触を図ってくるなんて思いもしなかった
何か言葉だけ聞くと、彼女が愛想振りまいてるから嫉妬した彼氏みたいだな
なんてそんなぼんやりと関係ないことを考えて現実逃避をしてみる
まぁ、そんな事したって結果は変わらないのだけれど
現在時刻は放課後
人が混雑する時間帯に帰るのは嫌いなので、教室で課題を広げぼんやりと時間を潰していた
これは入学してからずっとしていることなので、知っている人は知っている私の行動パターン
目の前で眉間に皺を寄せた、記憶にある顔より幼い天パの少年をじっと見返す
きっとその顔は癖になってしまっている笑みを象っていたのだろう
眉間の皺が濃くなったような気がした
「ちょっとじんぺーちゃん!女の子にイキナリ何言ってんの!
ごめんね、九条ちゃん」
「あ?ただの忠告だろ?
コイツが愛想振りまいてるから、変な奴に目を付けられ掛かってるって」
「分かりにくい!分かりにくいよ、じんぺーちゃん!」
「ちゃん付けすんな、きめぇ」
目の前で繰り広げられるやり取りに、笑みの種類が変わっていく
なるほど、にこにこしているのが気にくわないのでは無く勘違い野郎がいるから気を付けろ、と言う忠告だったのか
流石未来のお巡りさん、正義感の強い人である
確かに最近しつこく、また距離が近い奴が居るな、とは思って居たのだ
恐らくアイツのことを言っているのだろう
『ありがとう、松田くん
それってもしかして、立花くんのことかな?』
「気付いててそれはねぇだろ」
『うん、でも特別立花くんにだけ優しくした記憶も無いし、誰に対しても同じ態度を取ってるのに勝手に勘違いしているだけでしょう?
私に何か非があるのかな』
そう、私は誰に対しても愛想を振りまいている
彼に対してだけ特別何かをしたことなど無い
それなのに勝手に勘違いして、勝手にその気になって、逆上されたって、正直知ったこっちゃ無い
今までだってそうしてきた
勘違いした奴が告白してきたって、こっちはきっぱり断った
そうやって生きてきたのだ、今更口出しされたくなんか無い
「…、お前、自分の顔面自覚してそれやってんのか」
『嫌でも自覚するでしょう?』
「止めた方が良いと思うぜ」
『じゃあ、萩原くんはどうなの?』
「俺…?」
私と松田くんのやり取りに蚊帳の外になりかけていた萩原くんに話を振って申し訳ないとは思う
けど、私のことをとやかく言う前に、自分の隣にいる人から改めて欲しい
私と萩原くんは同じだ
内面は全く違うけれど、やっていることはおんなじ
誰に対しても平等に優しく、愛想良く
それに勘違いしちゃう女の子だってごまんといる
『そうでしょう?』
男だから、女だから、何て理由は聞きたくない
女の方が何かと生きにくいのだ
別に1人になったって気にはしないが、そうなってくると大人たちが五月蠅い
ただ放って置かれるだけなら別に構わないがそれで虐めに発展したらどう責任を取ってくれるの?
虐めを苦に思うような人間では無いが、されなくて済むというのならそれを避けて通るのは当たり前
自分が生きやすいような環境を作って何が悪いの?
そんなことを淡々と、きっと笑みを称えたまま目の前の人間に投げかける
きっと彼にとっては優しさから来る忠告だったのだろう
けれど、私からしたらそれは生きにくい世界への第一歩だ
にこにこ愛想良く振る舞っていれば、悪い感情は抱かれない
目立たずに生きることが出来ないのなら、大人しく過ごさせてはくれないだろうか
その事を松田くんに告げれば、彼は何故か笑い出してしまった
おかしな事を言った記憶は無いのだけれど
「見た目の割にはきつい性格してんだな、九条」
『万人が見た目のままの性格をしているとは限らないでしょう?』
「そりゃそうだ」
ケラケラ、と楽しそうに笑う松田くんに意味が分からず首を傾げる
萩原くんは少しはらはらした様子でこちらを見ていたのだが、松田くんの豹変により大きなため息を吐いていた
どういう事か説明して頂けると有り難いのですが
「悪い悪い、そんな強かな性格だとは思わなかったもんでな」
『まぁ、でしょうねぇ
気が弱くて周りに合わせてばかりいる様に見える様振る舞っているつもりですから』
「そこも計算かよ」
『ホントは1人が楽です』
「はっきり言うな」
やはり楽しそうな松田くんは説明する気が無いようなのでもう諦める
気にならないわけでは無いけれど、問いただしたいと言うほどでも無い
と言うか、この人たちはいつまでここに居るのだろうか
私はそろそろ帰りたいのだけれど
「九条」
『何でしょうか』
「俺達には愛想振りまく必要ないからな」
『えぇ、そうさせて頂きます
けど、この仮面は張り付いて剥がれないのでその辺りはご容赦を』
荷物を纏めて立ち上がる
引き留める気は無いようで、すんなりと教室を後にすることが出来た
関わりたくないから、と態々避けることも面倒臭い
彼等と関わると周りが五月蠅くなるだろうが、ある程度黙らせることが出来るほどの顔面はある
痛くもない腹を探られたって、何も出てこない
相手にするのが少々面倒臭くはなるが、恐らくきっと不問とされるだろう
暫くの我慢である
何て思って居たとおり、絡まれ出した当初はいろいろ言われたりしたが、暫くしたら3人でいるのが当たり前、とでも言うかの様な雰囲気になる
正直それは有り難いので、文句は無い
寄りついてくる人が減ったのも事実だ、コイツ等も私を隠れ蓑にしているのでお互い様と言うことで目を瞑って貰おう
ホント未来のお巡りさんというのは勘が良くて放っておけない性質をお持ちのようだ
兄さん然り伊達然り…
放って置いて欲しいのにこうも構われたら私だって何も思わないわけにはいかない
絶対阻止してやる、とまでは思えないが、死なない未来があるのなら、と思ってしまう
あぁ、面倒臭い
取り返しのつかなくなる前に
(今ならまだきっと間に合うから、皆が笑える未来に)