大学生のキャラたちがゆっくりと青春する物語(TNS)
多分これが、アオハルって奴みたいです
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1月、つまり新年
二年参りに行くだと何だと盛り上がる友人達を後目に人が落ち着いた頃にいつもの4人でやって来た初詣
振袖を着る、なんて情緒を大切にする様な人間でも無いため普通に厚着してやって来た
寒さに肩を竦めながら集合場所へ向かえばそこに居るのは相変わらずの仏頂面で立つ手塚のみ
集合時間の10分前
こいつはいつから待っていたのか知らないが、いつも通り顔色ひとつ変えないのはどう言った事なのだろうか
寒さを感じてないのだろうか
『あけおめー』
「…明けましておめでとう」
『略すな、って目で見ないでよ』
そう指摘すると、スイっと視線を逸らす
段々と分かりやすくなってきたな、コイツ
まぁ、お互いそんな言葉数が多いわけでも無いため横に並んで残り2人を待つ
不二くんは大体5分前集合、澪理は時間ギリギリ間に合ったり合わなかったり
そんな訳でウチ等は全員がぴったり集合するという事は無いのである
合わせるならこの眼鏡の鉄面皮の時間にしなければならないだろう
「ふふ、相変わらず2人が先着だね」
『おめでとう
この眼鏡のがだいぶ早いよ』
「明けましておめでとう
手塚は昔から人と歩調を揃えることが出来ないからね」
『まぁ、遅刻するよりいいんだけどねぇ』
「そうだね
手塚明けましておめでとう」
「あぁ、明けましておめでとう」
続いてやってきたのはやっぱり不二くん
ちょうど5分前、このくらいがちょうどいい感じなんだろうけどギリギリになると、と思うと落ち着かないのが現状
なので、妙に早く着いてしまう質なのだ
程よく会話を進める不二くんが増えたことにより会話が増加
3人で話しながら待ってると、そこで時間をちょっと超えたくらいに澪理が合流
『ごめん!遅れた!』
『いつもの事ー、あけおめー』
『あけおめ!相変わらず早いね、みんな』
『うん、澪理が遅いだけだと思われー
新年からギリギリでバタバタして、今年もまた忙しくなりそうねぇ』
『え、やだ、落ち着いた1年にしたい!』
『はて、澪理に落ち着いた1年などあったかねぇ』
『ないからそうしたいの!
あ、2人ともあけおめー』
「ふふ、明けましておめでとう
今年も仲良く過ごせそうだねぇ」
澪理が合流すると途端に騒がしくなるこのグループ
はしゃぐのが苦手な自覚はあるけど、別にこういう騒がしい場が嫌いな訳でもない
まぁ、仲良い人に限るけども
取り敢えずみんなで新年の挨拶をして、まずはお参りだろうと境内へ
ただ寒すぎる
『にしたって寒い』
『まぁ、1月だしねぇ』
暖を取るように澪理の腕に絡み付く
寒い日は人にくっつくのが一番である、冷たい手で触ってこようとする奴は処す、絶許
基本的抱き付き癖のある質なので、澪理もそれについては触れない
ため、感じる視線は別の人からで
『…何かな、不二くん』
「僕の腕も空いてるよ?」
『残念、私の腕は塞がっているのである』
にこにこ、と相変わらずあの綺麗な笑顔でとんでも発言をなさる
気持ちを隠す気がない系男子は扱いがめんどくさい
どうしたらそんなオープンになれるんだ
恐怖は無いのだろうか
なんて思いながら澪理の腕は離さない
これで離してしまっては危険だ、何が危険かは分からんけども
なんて思いながらジト目で不二くんを見遣れば、やれやれ、とでも言うかのように肩を竦める
やれやれはこっちのセリフである
「くっつくの、初めてでも無いのに」
『ちょっと黙ろうか』
『え、何、何があったの?詳しく!』
『あなたも黙ろうか』
とんでもない爆弾発言をかましてくれやがる
そうですね、確かに抱き締められたことありますね、えぇありますとも
だからって態々言わんでよろしい、ウチ等はそう言う関係ではないのだ
なんて下らないやり取りをしながらも進み、境内へ
お参りをして、お御籤を引いて、お守りを見て、と一通りの事を済ませて神社を後にする
実は今日この後、みんなで買い出しをして鍋パを行う予定なのだ
なんだかんだ大学生を謳歌している
そのままの足でスーパーまで行き、カートを押しながら店内を見て回る
鍋の定番の具材を手に取ってカゴに入れるが、如何せん量が多くなりそうだ
細身だが結構食うのだコイツ等(澪理も含む)
『スープ何にするー?』
『キムチは却下』
「梨乃ちゃん辛いのダメだもんね」
「俺は別に拘りはない」
「かと言ってトマト鍋とかにしたら渋い顔するだろ?」
『それはいつもかと思われー』
「確かに」
『ちょっと!笑』
なんてケラケラ笑いながら選んだものは結局、魚介ダシの塩ベースのスープ
他に飲み物やお菓子なども見て周りお会計
………うん、やっぱり結構な額いったな
世の息子を持つお母様方、家計のやり繰り大変でしょう、お疲れ様です
取り敢えず一括で一人が払って後で割り勘
会計は手塚に任せて荷物を詰めていく(澪理は割りとこれが下手くそなのだ、手塚は遅そう)
そんな訳で不二くんと手分けして荷物を詰めて、会計が終わった頃には綺麗に纏められていて
うん、不二くんやっぱり器用だ
荷物は当たり前のように男性陣が持ってくれたので、ウチ等はほぼ手ぶら状態で帰宅
まぁ、料理するから許してくれ
『じゃー、さっさとやりますか』
『私野菜切るー』
『んじゃ肉類下茹でしていくわ』
『…流石ですね、ねーさん』
『生だと怖いしねぇ』
「手伝おうか?」
『キッチン狭いから定員オーバーでーす』
「乗り遅れたかな」
取り敢えず男性陣には皿や箸の準備を任せておく
一人暮らしのマンションでは、キッチンが狭いのですよ
『あ、ちょっと澪理、何テキトーに突っ込んでんの
何が何処にあるか分からんくなるやん』
『えー?鍋なんてテキトーに突っ込んで煮たら出来る料理じゃん』
『おい、A型』
『食べたら残んないよ!』
『そういう事じゃない』
やはり澪理は澪理であった
一応好きな相手居るんだから気を遣え?料理は見栄えも大事だぞ?
コイツ先月手塚に告白して、想いが相手にバレたからか吹っ切れている
お陰で今日の手塚はいつにも増して口数が少ないこと少ないこと
何でこう想いを隠さなくなった人間て、表に出す事に躊躇が無いのだろうか
『ほい、出来たよー』
『お腹減ったー』
『もうさ、澪理何なの?好きな人の前でカッコつけたいとかないの?取り繕わないの?』
『これが私だと知ってもらわないといけないからね!』
「そうだよね、幾ら取り繕っていいカッコしても、一緒に居たらその内絶対ボロ出るもんね」
『私隠し通せる自信ないしね!』
『もうヤダ、コイツ等怖い』
「…錦は告白されたのか?」
『されてないよ
この手塚にすらバレるほどのオープン具合って何なの、私が何か居た堪れないよ』
前までもうちょい隠してたじゃん
ねぇ、何なの?ウチの気持ちの変化に気付いてんの?分かりにくい方なんだけど、ウチさ
澪理はさ、まぁ、告白して今は手塚の返事待ちって状況だからいいのかもしんないけどさ
一応ウチと不二くん、そんな段階まで至ってないからね?
何か手順色々おかしいけど、ウチ等そう言う関係じゃないからね?ご存知?
確かにさ、それとなく恋人っぽいことは度々してきましたけども
私自覚したのつい最近なの
先月と言っても2週間くらい前の話なの、知ってる?
いや、認めたのがそれくらいってだけで自覚はあったと言えばあったけども
なんて一人もやもやしながらご飯を食べる
なんかもう、考えるのが面倒くさくなって来てしまった
結局はウチが動かなければ変わらない
この時点で不二くんから告白されて、ウチはきちんと返事出来るか分からない
だから、不二くんはタイミングを見計らってて、待っててくれて居るわけで
やりにくいなぁ、ホント
人の恋愛相談なら幾らでも答えは出せるのに、自分の事になるとこうもままならない
だから、恋愛ってのは難しいのだ
にこにこ、と笑う彼と目が合う
これだけ分かりやすく伝えてくれていると言うのに、ウチは一体何が不満なのか
どうしたいのか、どうするべきなのか、自分のことなのにそんな事も分からなくて
何か言いたくて、でも、適切な言葉が浮かんでこなくて
自分でもどうすればいいか分からないそんな気持ちは、鶏肉と共に飲み込んだ
初詣と、今年の抱負
(この気持ちを認める勇気が欲しい)
二年参りに行くだと何だと盛り上がる友人達を後目に人が落ち着いた頃にいつもの4人でやって来た初詣
振袖を着る、なんて情緒を大切にする様な人間でも無いため普通に厚着してやって来た
寒さに肩を竦めながら集合場所へ向かえばそこに居るのは相変わらずの仏頂面で立つ手塚のみ
集合時間の10分前
こいつはいつから待っていたのか知らないが、いつも通り顔色ひとつ変えないのはどう言った事なのだろうか
寒さを感じてないのだろうか
『あけおめー』
「…明けましておめでとう」
『略すな、って目で見ないでよ』
そう指摘すると、スイっと視線を逸らす
段々と分かりやすくなってきたな、コイツ
まぁ、お互いそんな言葉数が多いわけでも無いため横に並んで残り2人を待つ
不二くんは大体5分前集合、澪理は時間ギリギリ間に合ったり合わなかったり
そんな訳でウチ等は全員がぴったり集合するという事は無いのである
合わせるならこの眼鏡の鉄面皮の時間にしなければならないだろう
「ふふ、相変わらず2人が先着だね」
『おめでとう
この眼鏡のがだいぶ早いよ』
「明けましておめでとう
手塚は昔から人と歩調を揃えることが出来ないからね」
『まぁ、遅刻するよりいいんだけどねぇ』
「そうだね
手塚明けましておめでとう」
「あぁ、明けましておめでとう」
続いてやってきたのはやっぱり不二くん
ちょうど5分前、このくらいがちょうどいい感じなんだろうけどギリギリになると、と思うと落ち着かないのが現状
なので、妙に早く着いてしまう質なのだ
程よく会話を進める不二くんが増えたことにより会話が増加
3人で話しながら待ってると、そこで時間をちょっと超えたくらいに澪理が合流
『ごめん!遅れた!』
『いつもの事ー、あけおめー』
『あけおめ!相変わらず早いね、みんな』
『うん、澪理が遅いだけだと思われー
新年からギリギリでバタバタして、今年もまた忙しくなりそうねぇ』
『え、やだ、落ち着いた1年にしたい!』
『はて、澪理に落ち着いた1年などあったかねぇ』
『ないからそうしたいの!
あ、2人ともあけおめー』
「ふふ、明けましておめでとう
今年も仲良く過ごせそうだねぇ」
澪理が合流すると途端に騒がしくなるこのグループ
はしゃぐのが苦手な自覚はあるけど、別にこういう騒がしい場が嫌いな訳でもない
まぁ、仲良い人に限るけども
取り敢えずみんなで新年の挨拶をして、まずはお参りだろうと境内へ
ただ寒すぎる
『にしたって寒い』
『まぁ、1月だしねぇ』
暖を取るように澪理の腕に絡み付く
寒い日は人にくっつくのが一番である、冷たい手で触ってこようとする奴は処す、絶許
基本的抱き付き癖のある質なので、澪理もそれについては触れない
ため、感じる視線は別の人からで
『…何かな、不二くん』
「僕の腕も空いてるよ?」
『残念、私の腕は塞がっているのである』
にこにこ、と相変わらずあの綺麗な笑顔でとんでも発言をなさる
気持ちを隠す気がない系男子は扱いがめんどくさい
どうしたらそんなオープンになれるんだ
恐怖は無いのだろうか
なんて思いながら澪理の腕は離さない
これで離してしまっては危険だ、何が危険かは分からんけども
なんて思いながらジト目で不二くんを見遣れば、やれやれ、とでも言うかのように肩を竦める
やれやれはこっちのセリフである
「くっつくの、初めてでも無いのに」
『ちょっと黙ろうか』
『え、何、何があったの?詳しく!』
『あなたも黙ろうか』
とんでもない爆弾発言をかましてくれやがる
そうですね、確かに抱き締められたことありますね、えぇありますとも
だからって態々言わんでよろしい、ウチ等はそう言う関係ではないのだ
なんて下らないやり取りをしながらも進み、境内へ
お参りをして、お御籤を引いて、お守りを見て、と一通りの事を済ませて神社を後にする
実は今日この後、みんなで買い出しをして鍋パを行う予定なのだ
なんだかんだ大学生を謳歌している
そのままの足でスーパーまで行き、カートを押しながら店内を見て回る
鍋の定番の具材を手に取ってカゴに入れるが、如何せん量が多くなりそうだ
細身だが結構食うのだコイツ等(澪理も含む)
『スープ何にするー?』
『キムチは却下』
「梨乃ちゃん辛いのダメだもんね」
「俺は別に拘りはない」
「かと言ってトマト鍋とかにしたら渋い顔するだろ?」
『それはいつもかと思われー』
「確かに」
『ちょっと!笑』
なんてケラケラ笑いながら選んだものは結局、魚介ダシの塩ベースのスープ
他に飲み物やお菓子なども見て周りお会計
………うん、やっぱり結構な額いったな
世の息子を持つお母様方、家計のやり繰り大変でしょう、お疲れ様です
取り敢えず一括で一人が払って後で割り勘
会計は手塚に任せて荷物を詰めていく(澪理は割りとこれが下手くそなのだ、手塚は遅そう)
そんな訳で不二くんと手分けして荷物を詰めて、会計が終わった頃には綺麗に纏められていて
うん、不二くんやっぱり器用だ
荷物は当たり前のように男性陣が持ってくれたので、ウチ等はほぼ手ぶら状態で帰宅
まぁ、料理するから許してくれ
『じゃー、さっさとやりますか』
『私野菜切るー』
『んじゃ肉類下茹でしていくわ』
『…流石ですね、ねーさん』
『生だと怖いしねぇ』
「手伝おうか?」
『キッチン狭いから定員オーバーでーす』
「乗り遅れたかな」
取り敢えず男性陣には皿や箸の準備を任せておく
一人暮らしのマンションでは、キッチンが狭いのですよ
『あ、ちょっと澪理、何テキトーに突っ込んでんの
何が何処にあるか分からんくなるやん』
『えー?鍋なんてテキトーに突っ込んで煮たら出来る料理じゃん』
『おい、A型』
『食べたら残んないよ!』
『そういう事じゃない』
やはり澪理は澪理であった
一応好きな相手居るんだから気を遣え?料理は見栄えも大事だぞ?
コイツ先月手塚に告白して、想いが相手にバレたからか吹っ切れている
お陰で今日の手塚はいつにも増して口数が少ないこと少ないこと
何でこう想いを隠さなくなった人間て、表に出す事に躊躇が無いのだろうか
『ほい、出来たよー』
『お腹減ったー』
『もうさ、澪理何なの?好きな人の前でカッコつけたいとかないの?取り繕わないの?』
『これが私だと知ってもらわないといけないからね!』
「そうだよね、幾ら取り繕っていいカッコしても、一緒に居たらその内絶対ボロ出るもんね」
『私隠し通せる自信ないしね!』
『もうヤダ、コイツ等怖い』
「…錦は告白されたのか?」
『されてないよ
この手塚にすらバレるほどのオープン具合って何なの、私が何か居た堪れないよ』
前までもうちょい隠してたじゃん
ねぇ、何なの?ウチの気持ちの変化に気付いてんの?分かりにくい方なんだけど、ウチさ
澪理はさ、まぁ、告白して今は手塚の返事待ちって状況だからいいのかもしんないけどさ
一応ウチと不二くん、そんな段階まで至ってないからね?
何か手順色々おかしいけど、ウチ等そう言う関係じゃないからね?ご存知?
確かにさ、それとなく恋人っぽいことは度々してきましたけども
私自覚したのつい最近なの
先月と言っても2週間くらい前の話なの、知ってる?
いや、認めたのがそれくらいってだけで自覚はあったと言えばあったけども
なんて一人もやもやしながらご飯を食べる
なんかもう、考えるのが面倒くさくなって来てしまった
結局はウチが動かなければ変わらない
この時点で不二くんから告白されて、ウチはきちんと返事出来るか分からない
だから、不二くんはタイミングを見計らってて、待っててくれて居るわけで
やりにくいなぁ、ホント
人の恋愛相談なら幾らでも答えは出せるのに、自分の事になるとこうもままならない
だから、恋愛ってのは難しいのだ
にこにこ、と笑う彼と目が合う
これだけ分かりやすく伝えてくれていると言うのに、ウチは一体何が不満なのか
どうしたいのか、どうするべきなのか、自分のことなのにそんな事も分からなくて
何か言いたくて、でも、適切な言葉が浮かんでこなくて
自分でもどうすればいいか分からないそんな気持ちは、鶏肉と共に飲み込んだ
初詣と、今年の抱負
(この気持ちを認める勇気が欲しい)