過去に見た夢

夜、都会の街中キラキラのネオン
周りの人々が空を見上げて指を差す
見上げると流れ星のようにあるミサイル
目の前にミサイルが落ち
凄まじい衝撃と爆風
呆気なく崩れる建物
落ちて突き刺さるガラス、倒れていく人々、逃げ惑う人々
どこに行けばいい
走り出すと子どもが2人座り込んでいる
雨のように降るミサイル、地震が誘発され大地が割れる
崩れる建物が2人に覆い被さる
血だらけの拳で瓦礫を殴り崩れた壁は子どもを潰す寸前でふみとどまっていた
安堵しながら怯える子どもたちを両脇に抱え走り出す

早朝、荒れ果てた街を見渡し1人歩き出す
瓦礫で潰れた屍はそのままに進む
目の前に真っ赤なバイクを見つけ跨り走り出す
しばらく進むと軍隊と戦車
バイクを降り、近づくと見覚えのある顔を見つける
でも、誰か思い出せない

偉そうな男と同じ服を着た女は振り返ると驚いた顔から満面の笑みを浮かべた

姉さん

女にそう呼ばれて一瞬だけ心臓に痛みを感じた

裏切ったのか?

裏切ってないよー
本来の居場所にいるだけ

笑顔のまま両手を広げ幸せそうに周りを見てくるりと回る。

日本が東と西に分断された時、私は子どもだった。
連れて行かれる姉さんを見た時はすごく悲しかったけど...それ以上に嬉しかった。
あぁ、やっとあの人達から離れられるって。

口元は微笑みながら、瞳はあの日を映している

最初は、また痛いこと怖いことをされるのかなって思ってたけどそんなことなかった。
あったかいご飯、あったかいお風呂、あったかい布団。...やっと安心して眠れたの

重ねた両手を頬に当て恍惚の表情で話す女を無言で見る

だから

甘えたような声から低く冷たい声に変わるとその場の空気が凍りつく

私の

女の手にナイフを見つけ

邪魔を

鬼のような顔で迫ってくる女を見つめる

するなっ

袖に忍ばせていた小型銃で肩と太ももを撃ち抜く
予想外だったのかナイフを握る手が緩んでいる
下から肘を蹴り上げるとそのまま倒れ込んだ

女を心配した声が聞こえたが、すぐに静かになった
私たちを囲んでいた男達を、味方が取り囲んでいる

一斉に弾丸が飛び交う
女を男が抱き上げバイクで逃走する
少し見えた女の顔は泣き出しそうだった

数人でバイクで追いかけ山道に入る
何度目かのカーブを曲がると、待機していた部隊と壁にぶつかって壊れたバイク
地に転がった2人がいた

一斉に銃を向けられ女はこちらを見る

お前がきえろ

叫び声と銃声が響くと目の前が真っ暗になった
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