FINAL EXAMS(現在更新中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(主人公視点)
「こんにちは!お邪魔します!」
「……あれ?鋭児郎?」
爆豪家のリビング。
いつも通りに勝己のジャージを借りて、オレンジジュースをちゅーちゅーしていた私は不意に響いた声に「?」を浮かべた。
そういえば勉強をすると言っていたけど、あれ?ファミレスとかでするんじゃないんだ。
2階に上がっていく足音にどうしたもんかと思案する。
クラスメイト、最近一緒に帰る、勝己のジャージ、超寛いでる。
これバレたらめんどくさいやつなんじゃ?
勝己には何も言われなかったけど、でも…
---バーン---
「考えるのめんどくさーい!私が来たー!」
オレンジジュースとお菓子が乗ったお盆片手に、勝己の部屋に突入する。
めんどくせぇ!そして面白いから!
「え!?音葉!?」
「よっ!鋭児郎!」
「てめえ何勝手に入ってきてんだ殺すぞ!」
はいはいと勝己をいなして、邪魔にならない位置にオレンジジュースを置く。
おーおーやってるねーなんて言いながら、勝己のベッドに寝転がる。
どうも人肌寂しい時は、勝己の部屋に遊びに来ちゃうのだ。
「え!おまっ!えっ!」
真っ赤に染まる鋭児郎の顔。
うーん、可愛い。
「やっぱり、付き合ってたんだ…」
「……おいおい、待て」
ちょっと待て。なんだそのやっぱりって。
「A組はみんな気づいてるからな!いいんだぞ、隠さなくて!」
「はああ!?何言ってんだ!誰がこんな奴!!」
ボンボンと勝己の手の平が爆発する。
おーい、また光己さんに怒られるぞー。
「え?違うのか?」
「違うよー、爆豪のお母さんと仲良くさせてもらってて、私の家庭の事情でちょっとの間お世話になってるだけ」
「そうだったのか!勝手に勘違いしてすまん!」
良い子だなあ。
無事に誤解も解け、勉強会は進む。
あ、私も勉強はしてるよ?
さすがに高校の内容になってくると教科書見ないと分からないこともあるけど、1年生の内容だったらまあ問題なし。
一応そこそこいい学校には行ってたからなー。
「クソ髪!なんでわかんねえんだよ!」
「お前結論しか言わねえんだもん!」
「鋭児郎、ここはね、こうしてこれをこっちに持ってきて、ここを計算するといいんだよー」
「おお!なるほど!サンキューな、音葉!」
「けっ」
本当にいい友達見つかってよかったねえと涙が出そうになる。
私は勝己の母親か。
いや、母親は光己さんだから、お姉ちゃん?
どんなに突き放してもこうやって傍にいて、対等に話すからこそ彼は勝己を救えるんだ。
「二人は、いい友達だね」
「ああん?誰がこんなクソ髪」
「おう!ダチだよな、爆豪!」
全く正反対の返答に苦笑する。
また同じところで間違える鋭児郎の頭を、丸めた教科書ではたく勝己。
ベッドに転がりながらうとうととし始めてしまった私は、無意識のうちに言葉を紡いでいた。
「鋭児郎…ちゃんと、勝己を救けてね」
世界がぼやける。
ああ、人が傍にいると安心するなあ。
「勝己…ちゃんと空、見てるんだよ」
(爆豪視点)
「……は?」
「……え?」
思わずあほみてえな声出ちまった。
クソ髪と一緒に、すうすうと寝息を立てる音葉を見る。
こいつ、いま何言いやがった?
「ちっ、なんで俺がてめえに救けられんだよ」
「空?なんの話だ?」
訳わかんねえこと言いやがって。
寝言だと片付けて教科書に視線を戻す。
「…何見てやがんだ、早く問題解け」
この俺が見てやってんだ。
赤点なんか取りやがったら殺すからな。
「爆豪、音葉のこと好きなのか?」
「……おいクソ髪、殺されるか死ぬかどっちか選べ」
なんで俺がこんなクソ女のこと好きにならなきゃいけねえんだよ。
シャーペンを手元でくるくる回しながら、クソ髪は音葉に視線を戻す。
「ばばあがうるせえからここに置いてやってるだけだ」
連れて来い連れて来いとうるさいばばあがうざかった。
ただそれだけだ。
体育祭からずっと気持ち悪い作り笑いを張り付けてるこいつにも、むかついてたしな。
なによりあんな普通科のクソモブと仲良くしてるのが腹立った。
廊下で仲良さそうに話しやがって。
しかもイレイザーの遠戚だと?
そんな話聞いたことねえぞ。
ちっ、気に食わねえ。
そうかと納得して教科書に向き直るクソ髪を、またまるめた教科書ではたき倒した。