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(主人公視点)
『オールマイト、わずか1時間で3件の事件解決!!』
ぶーっとお茶を吐き出す。
おいおいおいおい!待て!昨日の今日だぞ!唐突すぎんか!?
朝のニュースで流れた速報。
それは紛れもなく、彼が駆けつけるのが遅れた原因。
あの日の、朝の出来事。
(まじかまじか。今日かよ)
確か救助訓練は昼過ぎから。
今この時点で根津さんや相澤さんに直談判に行くという手もあるが、間違いなく流されるだろう。
残念ながら、私への信頼は0に近い。
信じてもらえない。1000%。
「白、ちょっと話、聞いてくれる?」
大丈夫。手は出さない。物語は変えない。
ただ、見守るだけ。
クソ神の言葉が、気になったから。
---お前が知っている通りに物語が進むかどうかは、分からん。精々楽しませてくれよ、人間---
昼休み。
これが終われば、始まってしまう。
震える手をぎゅっと握りしめた。
大丈夫。誰も死なない。物語通りなら。
---こんこん---
「やあ、いま大丈夫?お昼ご飯持ってきたよ」
トゥルーフォームのオールマイトがそこにいた。
今日のお昼ごはん当番は彼だったらしい。
大方活動限界を迎えているから、他の人の前には出られないのだろう。
「八木さん、ありがとうございます」
初日に彼の正体を言ってしまった時は警戒心半端なかったけど、何度かこうしてお昼ご飯をともにするうちに次第に警戒心は解かれていった。
曰く、悪党はそんなに美味しそうにご飯を食べないし、いただきますもご馳走様も言えないのだそうだ。
どんな教育受けてるのよ。
「今日はランチラッシュ特性弁当だよ!」
美味しそうなおかずが並べられる。
原作通り、ランチラッシュのご飯はとても美味しいのだ。
だけど、今日の私は味がちゃんと感じられない。
ちなみに白用のお弁当もあった。
「「ご馳走様でした」」
手を合わせる。
二人で片付け、出ていこうとする彼を呼び止める。
全部は言えない。けど、少しでも彼が早く駆けつけてくれれば…
「どうしたんだい?」
言い淀んでしまった私を不思議に思ったのか、オールマイトは私の顔を覗きこむ。
落ちくぼんだ瞳、やせ細った体。
思わずその傷跡があるであろうところにそっと触れていた。
「お願いします」
ぴくりと揺れる体。
知っています。あなたの傷も痛みも、苦悩も。
それでも、あれに勝てるのはあなたしかいない。
「今日は、自分の直感を信じてください。根津さんの話は長いけど、最後まで聞かなくても大丈夫です。」
不思議そうな顔をするオールマイト。
そりゃそうですよね。わけわかんないこと言ってる自覚もある。
「待ってます。平和の象徴“オールマイト”」
オールマイトが首を傾げながら去る背中を見つめて、私は隣室で監視を行っている先生に話しかける。
ごめんなさい、少しだけ
『眠れ』
かくんと体が崩れ落ちる。
それを白にベッドに寝かせてもらう。
やっぱり。私の個性は、言葉だ。
三つ編みを解いて、高い位置でポニーテールにする。
自分で自分の頬を叩いて、気合を入れた。
「行こう、白」
大きな猫になった白に飛び乗り、窓から飛び出した。
見守るだけ。オールマイトが駆けつけるのを確認したら、すぐに戻ってこよう。