FINAL EXAMS(現在更新中)
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(相澤視点)
「組の采配について最後に音葉ですが、B組の物間と組ませたいと思います」
「え、B組?」
これにはブラドも目を見開いている。
音葉の場合白と組ませることも考えたが、それじゃ意味がない。
「音葉は個性、身体能力ともに問題ないように思いますが、自分の身を顧みない傾向があります。個性の性質上、仕方のない部分もありますが、ヒーローとして、それ以前としても、自分の身を削る方法はいただけない」
その場にいる教員の表情が曇る。
全員、USJ、体育祭、職場体験の彼女をよく知っているからだ。
「音葉ってそんなに身体能力高いのか?」
「Yes!それは俺が保証するぜ。体育祭前に何度か組手したが、凌ぐので精一杯だった」
武闘派ではないが、マイクだってプロヒーローだ。
初回の時のように組み伏せられることはなかったが、逆に音葉を組み伏せたことはない。
「B組物間ですが、彼も個性に頼りきりの節がある。またA組に対するライバル視が強い。A組である音葉とどう共闘するか、そして反動の大きすぎる音葉の個性をどう扱うか、それに対してどう対処するかを見たいと思います」
ブラドに相談したところ、二つ返事で了承してくれた。
ライバル意識は悪くはないが、ヒーローとして気にくわない相手ともチームアップをしなければいけない。
さて、どう出るかな。
(主人公視点)
3人でバスに乗り込んだ。
たかだか3人のために大型バスとか、めっちゃ豪華だよね。
「私、音葉言。よろしくね、物間君」
「A組の人間が僕の名前知ってるなんてね!」
「私の個性、多分コピーできると思うんだけど、反動が強すぎるからあまりお勧めはしないかな」
「はっ!僕に無個性で頑張れってバカにするのかい!?これだからA組は!」
…ああいえばこういう。
なんだこいつ。じんわり腹立つな。
というかお前もちゃんと自己紹介しろ。
嫌でも共闘しなきゃいけないんだから。
私達の試験会場は大きな倉庫みたいなところだった。
天井まで高く積み上げられた荷物が、視界を邪魔して見えにくい。
ブラドキングの試験説明が終わり、5分間の作戦タイムが与えられた。
まっっったく人の話を聞こうとしない物間を残して、ブラドキングはゲートの方へと歩いていってしまう。
「物間君、作戦を立てよう?力を合わせて試験クリアしようね」
「A組と話すことなんてないさ。相手は我らがB組担任、ブラドキング先生だよ?操血の個性も強く、武闘派の先生に君じゃ適うわけないさ」
え?待って待って。あれ?最初から諦めてるの?
物間ってそんな感じだったっけ?
もっとこう、頭脳!ずるがしこい!みたいな感じじゃなかったっけ?
あ、そっか。
頭がよくて、作戦立てに優れているからこそ、勝ち筋が見つからないのか。
探りに探った結果なのかも。
「諦めるの?戦う前から?」
物間にじろりと睨まれた。
なんだよう。私、クリアしたいんだよ。
この後のことを考えた時に、補修で拘束されているって状況は避けたい。
「何か考えがあるとでも?」
「ブラドキング先生相手にどこまでやれるか分からないけど、武術にはちょっとは自信あるよ。私が先生を押さえている間に、物間君には迂回しながらゲートを目指してほしい」
一番の最善策だと思う。
この狭い空間で白の機動力はあてにならない。
森とかだったら、白に乗ってもらって一気にゲートを超えるってのも考えたんだけど。
「君の個性は言霊だろ。使えないのか」
あ、知ってたんだ。
物間の個性的に、周りがどんな個性かは把握してるだろうなとは思ったけど。
「悪いけど、コピーしないでほしい。反動が大きいって言ったよね?使い方間違えたら、多分死ぬよ」
私自身、どこまで耐えられるか把握していない。
そんな危険性の高く不透明な個性を、この子には使ってほしくなかった。
物間が血を吐くところなんて見たくないし。
「君が傷つく必要ない。個性を使うのは、私で十分だよ」