FINAL EXAMS(現在更新中)
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(主人公視点)
---さて、久しぶりだな…音葉言---
ええ、そうね
良かったわ。呼びかけに答えてくれて。
---随分煮詰まっているようだが?---
別に。変わらないわよ。
それにあんたには関係ないじゃない。
ただの傍観者のくせに。
---そりゃそうだ。俺はただ楽しみたいだけ、だからな---
ちょっと聞きたいことと、できればお願いしたいことがあるの。
---傍観者の俺に?---
…悪かったわよ。
でもあなたにしか頼めない事なの。お願い。
---内容によるけどな---
一つ確認なんだけど、白の存在は私に付随しているものって認識であってる?
---ああ---
つまり、私が消えれば白も消える?
…そう。じゃあ…
期末演習試験当日。
「やっぱ言ちゃんのコスチューム、超似合ってる!」
「へへ、和服で超ミニで絶対領域とか分かってるじゃねえブヘッッ」
あ、実が梅雨ちゃんに引っぱたかれた。
なんかもうあれお馴染みの、みたいになってない?
集合がかかる前、ヒーローコスチュームに身を包んだA組の中に私もいた。
そうかなーと言いながら、刀を背負うベルトを固定していく。
マスクを口まで上げたら言の葉ヒーロー・ワークターの完成です。
ヒーロー、ね。
思わず顔が歪む。
あ、そういえば。
はたと思い出し、彼女に駆け寄って抱き着く。
「きゃっ!…え、言さん?」
私より大きい身長。
顔が柔らかいものに埋もれる。
うーん、こんなつもりじゃなかったけど、女で良かった。
「ねえ百ちゃん、私、百ちゃんのこと凄いと思うんだ」
「え?」
八百万百。
多角的に物事を捉え、A組をブレーンとして導くのは彼女だ。
USJでも、そしてこれからも。
「状況判断も、実行力も、人を率いる能力も、百ちゃんに敵わないことばっかりだなって思うの」
「そんな、私なんて…言さんの方が」
他人に対する劣等感。
それを自分の力とできるか否かは、その子の将来を左右する。
本当にこの世界は、15歳の彼女らに優しくないよね。
「んーん、私ね、諦めちゃったの。どうせ夢に向かって走ることはできないんだって」
「…え?」
そう、諦めた。
諦めて、心に蓋をした。
そうしていれば、楽だったから。
「百ちゃんは諦めないで。諦めたら、そこで何もかも終わりなんだから」
私にはできないこと。
みんなにはできること。
「胸を張って、前を真っすぐ見て。私、足元ばっかり見てるヒーローなんて嫌だよ」
見上げた百ちゃんの顔が少し和らいでいて、自分にできるのはここまでだと思った。
あとは、焦凍と…相澤さんの役目だ。
「それじゃあ演習試験を始めていく」
相澤さんを筆頭に13号、プレゼントマイク、スナイプ、セメントス、エクトプラズム、ミッドナイト、パワーローダー。
わーお、みんな集まると壮観だな。
あ、やば。思いっきり目逸らしちゃった。
なんとなくずっと相澤さんとは気まずいままなんだよね。
先生多くない?なんて耳郎ちゃんの言葉にそうだねと返しながら、根津さんの解説(?)が始まる。
というか捕縛布の中とか、どこにいたの?
根津さんが入れるくらいの隙間なくない?
そして首ちょっとぐりってされてるの可愛いな…うーん、気まずくても推しは推しだ。
今日も尊い。
しかも捕縛布ロープみたいにして降りてくるとか…知ってたけど可愛すぎな!!!
「そして最後」
相澤さんの目が真っすぐに私を見る。
ツーマンセルでの演習試験。
当たり前だけど、私も自分の相棒が誰かなんて知らない。
うーん、A組はみんな決まってるし…誰?もしかして一人?
「B組の物間と二人で、ブラドキングだ」
…ええええええええ!?!?!?
物陰から出てきた二人に、思わず絶句。
まじで?なんで?
え、B組でしかも物間?
「なんで僕がA組なんかと…」
とてつもなく不服そうな物間にじろりと睨まれた。
そりゃそーだ。A組へのライバル意識半端ないもんね。
「えーっと、あの、よろしく?」
というか何気に初対面なんだけど。
B組の面々とは、関わってこなかったし。
「はっ!足だけは引っ張らないでくれよ!」
…可愛い。
なんだ、私、誰でも良いのか?
この意識高い系、どこかの誰か思い出すな…
…あ、勝己か。
こんなにひねくれてないけど。