FINAL EXAMS(現在更新中)
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(主人公視点)
---ブブ---
その日の夜。
私のじゃないほうの携帯が震えた。
すうっと目を細める。
既に勝己も光己さんも勝さんも寝静まった夜中。
「白」
ベッドに座ったまま呼ぶと、既に黒の恰好をした白がいた。
白に黒ってややこしいな。
目を合わせた瞬間、意識が入れ替わる。
もう白が私で、私が白だ。
「じゃあお願いね」
私が頷く。
そのまま、猫の姿で外へ出た。
「もしもし、佐渡さんですか?」
『…あんたの言う通りになったよ。この前の店に来れるか』
「もういますよ」
驚く義爛の前に座る。
机の上には、何枚か写真が乱雑に置いてあった。
中には、見知った顔もある。
「良かった。信頼してもらえたようで」
笑おうとして、やめた。
どうせ仮面で見えないし。
「これはあんたの個性か?未来予知?」
「ノーコメントです」
それだけ言って机の上の写真を手に取る。
間違いなく、開闢行動隊のメンバーが紛れていた。
「それで、黒霧あたりから紹介してくれと言われました?」
なんか友達みたいな言い方しちゃったな。
義爛が煙草を咥えながら私と同じく写真を手に取る。
「近々何か大きいことを起こすつもりらしい。戦力になりそうな人材を数人、お願いされたよ…吸うか?」
あれ?私物欲しそうな目してたかな?
ありがたく義爛の煙草を一本もらって、火ももらった。
アメスピの匂いは嫌いじゃない。
「そこでだ、あんたに助言をもらおうと思ってな。未来予知の黒?」
二人同時に煙を吐き出す。
だからそれ個性じゃないんだけどなー。まっ、いっか。
「そうですね。最初に連れていくのは荼毘と渡我が良いと思いますよ」
「どっちもステイン信者だぞ。大丈夫か?」
おっ、死柄木がステインむかついてること知ってるのかな?
「問題ありません。一触即発状態にはなるでしょうけど、黒霧がどうにかしてくれます。それに、彼等は必要不可欠ですし」
二人の写真をぴらぴらと見せつける。
最重要といっても差し支えないのでは。
義爛の手に写真を渡しながら、新たに1枚手に取る。
「そして分倍河原仁。彼も必須です」
元々は義爛の知り合いだ。
トガちゃんと仲良しさんだもんね。
更に3枚。
「そして迫圧紘、引石健磁、伊口秀一」
Mr.コンプレス、マグネ、スピナー。
こちらも重要人物だろう。
「彼等は荼毘と渡我を紹介した後でいいでしょう。それからマスキュラー、ムーンフィッシュ、マスタード。これらも必要ですが、所詮使い捨てですね」
全員の写真が机の上に並べられる。
うん、これで問題ない。
開闢行動隊の出来上がり。
「マスキュラーが、使い捨て?」
「だって彼、バカですもん」
あ、思わず辛辣な言葉が。
だってそうじゃない?ひょいひょい目的話しちゃうんだもん。
まああれがないとダメなんだけどさ。
強いは強いんだけどね。
「…とりあえずは荼毘と渡我だな。その反応見て、残りは考えるよ」
写真が全て義爛の胸ポケットにしまわれる。その他の写真は全部床に捨てられた。
…可哀そう。
「間違いありませんよ。私の授ける未来ですからね」
紫煙を吐き出す。
空気のとどまっているこの場では、流れてはいかない。
漂う煙をぼーっと眺めていると、義爛がいつの間にか隣に立っていた。
「なにか?」
「お前はこちら側の人間か?」
あははと声に出して笑う。
表情に出しても分からないからね。
「それ、関係あります?」
義爛の表情は変わらない。
答えが分かっていたみたいに。
「私がどちら側の人間であったとしても、貴方達に有益な情報を渡している。…それだけで、十分なのでは?」
それに、と言葉を続ける。
「知らないくらいがちょうどいいんですよ…何事も」