FINAL EXAMS(現在更新中)
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(主人公視点)
次の日、林間合宿の話で盛り上がるクラスを後にした私は、オールマイトの元へ向かっていた。(ちなみに相澤さんとは朝も顔を合わせずに出てきた)
話しておかなければいけないことがある。
「どうしたんだい?音葉少女」
職員室で呼び出してもらったオールマイト(八木さんだけど)は、私の表情を察してか個室へと移動してくれた。
どうやらまだ相澤さんは話していないみたいだ。
先生達の目が、いつも通りだった。
「オールフォーワンのことは、もうお気づきですね」
そう切り出した途端、彼の表情が険しいものに変わる。
もう出久に話した後だろう。
「グラントリノと話した内容、また出久に話したことも、全部知っています」
オールマイトの表情を見ながら、続ける。
この先に、起こること。
平和の象徴としての彼の最後の戦いにおいて、私が立っている場所について。
「詳しいことは言えません。ですがこの先、最悪の事態が起きたとして…もし私が奴の手に堕ちたのであれば」
これは貴方に言うべきじゃないのかもしれない。
人々を救い、この世界の揺ぎ無き光として立ち続ける貴方に言うのは酷かもしれない。
それでも、私が障壁になってはいけない。
「躊躇なく、切り捨ててください。」
オールマイトの瞳が大きく揺れる。
「仮定の話です。私だってみすみす奴らに手を貸すつもりなんてない」
自分の手の平を見つめる。
どうなるかなんて、分からないのだ。
「この世界にとっても、この物語にとっては、私の存在はイレギュラーです。イレギュラーは、必要ない。救けようなんて、しないでください。そんな価値、私にはありませんから」
何か言いたげな彼の視線を振り切って、私は扉に手をかける。
言い捨てごめん。
けど、貴方達の優しい言葉は、必要ない。
「優しい貴方はきっとそれでも救おうとするんでしょうね」
失笑だった。
ぽつりと漏らし、部屋を後にする。
だから、自分の終わりは、自分でつけるんだ。
「ねえ言ちゃん、何かあった?」
休み時間。
次の授業はなんだったっけと考えていたら、不意に出久が顔を覗き込んできた。
「え?なんで?…別に何もないよ?」
「そっか、ならいいんだけど…なんか痛そうな顔、してた気がしたから」
さすが主人公というべきなんだろうか。
いつもと同じように笑えてる自信あったんだけどな。
「大丈夫。心配しないで。出久には関係ないことだから」
そう言うと、少しだけ傷ついたような顔で席に戻っていった。
ごめんね。けど、本当に、大丈夫だから。
その日から、私はみんなと距離を置くようになった。
(緑谷視点)
「なあ、音葉変じゃね?」
放課後、すでに教室から姿を消した彼女の席を見ながら上鳴君がぼやく。
クラスに残っている数人も、ぱっとしない表情をしていた。
言ちゃんが、変だ。
いつもみたいに笑ってるんだけど、なんというか、僕達を見る目が寂しそうで。
「うん、僕もそう思って聞いてみたんだけど、関係ないって言われちゃって…」
彼女の秘密を知っている僕なら何か話してくれるかと思ったんだけど…
どうやら飯田君と轟君も同じだったみたい。
「相澤先生に聞いてみたんだけど、知らないの一点張りだったんだよねー!」
葉隠さんと芦戸さんは先生にも話してくれたみたい。
成果はなかったみたいだけど。
「あれか!期末試験が怖いのか!」
「……それはお前だろ」
上鳴君と瀬呂君。
うーん、言ちゃんの中間試験の結果は知らないけど、成績が悪いって感じはしないんだけどなあ。
「あれか、また公安か?」
ぼそりと小さな声で轟君が呟く。
隣には飯田君もいた。
「その可能性も考えてみた…言ちゃんは、一人で抱え込んじゃうタイプだと思うから」
オールマイトは何か知ってるかな?
後から聞きに行ってみよう。