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(主人公視点)
「失礼します」
相澤さんに指示されたとおりに職場体験に必要な書類(公安の書類もあった)に目を通し記入していると、ふと聞き覚えのある声が入口からして顔を上げる。
「…あ」
「……お」
人使だった。顔を合わせるの体育祭以来だなあ。
すこーしだけ気まずい。
「来たな、心操」
書類を覗き込んでいた相澤さんが手招きで人使を呼んだ。
お、もしかしてこれは…原作では描かれてないけど…
「心操、お前ヒーロー科への編入に興味はあるか」
一応の確認だと念を押す。
あれだけ体育祭ガチで戦ってて、興味ないわけないからねえ。
「あ、はい。あります」
てかそれって私聞いていいの?
いや、知ってるんだけどさ。
それから編入試験を受けるにしてもまだまだ素地が足りないこと。相澤さんが見てやりたいけど、忙しくて時間がないこと。だから暫くは私が面倒を見ること。
……ん?
「え!?待って待って相澤さん!なんか聞き捨てならない言葉があった!」
思わず叫んだ。いや、待たれよ。なぜ、私。
「基礎的な体術は十分に教えられるだろう。個性についても心操と似通った部分あるし」
「個性に関してはそうだけど、人使だって相澤さんに教わった方がいいと思う!プロヒーローの方が!」
「なんだ、お前教えられる自信ないのか」
「(かっちーん!)…ぐぬぬ、そういう問題じゃないんですけど!?」
「俺は忙しい。お前は教えながら体を鍛え直せる。心操も鍛えられる。合理的だろ」
うっ、確かに鍛え直さないとって思ってたけど…。
暫く睨みあいが続く。
くそ、折れる気ないな、この人。
「もー、分かりましたよ!でもちゃんと相澤さんも時間ある時は見てあげてくださいよ!」
じゃないと人使が捕縛布とか使えないじゃないか。
さすがに私にあれは教えられない。
ぶつぶつと言いながら書類の記入に戻る。
もう!!記入する箇所多すぎじゃない!?
「悪いな…面倒かけて」
職員室からの帰り、人使に呼び止められた。
申し訳なさそうに眉尻を下げたその顔、グッドです!
「教えるのが嫌なわけじゃないよ。ただやっぱり人使はプロヒーローに見てもらいたかったんじゃないかなって」
私と組手の経験があるマイクと爆豪が知っているけど、他の人にとったら私は治癒ができるただの女の子だ。
きっと人使だって、なんで私にって思ってるはず。
「それに関して不満はないよ。相澤先生がああいうんだから。」
プロヒーローお墨付きってやつね。
ありがたいことなんだけどさ。
「それにしても、言って相澤先生と妙に親しいよね」
そういえば焦りすぎて先生呼びしてなかったかも。
随分前に根津さんに言われた“設定”を思いだす。
「私と相澤さん、親戚なんだ。遠いから名字は違うけど。他の人には話してないから、内緒でお願い」
人使が言いふらすタイプだとは思わないけど、一応。
知られて困ることもないけど、余計な詮索は避けたい。
どこでぼろが出るか分からないもんね。
「わかった…ヒーロー科は職場体験行くんだろ。言はどこ行くんだ?」
苦笑しながら名前の記された書類を見せる。
エンデヴァー事務所までの地図と概要だ。
「エンデヴァー!?すごいな……」
「体育祭出てないのにね。ありがたいような、申し訳ないような」
みんな頑張っていた。
指名は2枠までだから私のせいで轟がいけなくなることはないけど、それでも申し訳なく思う。
私は何も、頑張っていない。
「なんで?妥当だろ。」
さも当たり前のように言う人使に、ぽかーんとした。
妥当?何が?
「お前だって頑張ってただろ。どんな小さい傷も、喉痛めるまで治し続けて、普通科の連中も感謝してたよ」
言われたことを理解していくうちに、顔が熱くなっていく。
頑張ってたなんて、久しぶりに言われた。