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(主人公視点)
さて、どうしてこんなことになっているのか、誰かご説明願いたい。
今朝方、羽毛布団は使い物にならなくなった。
私の吐血のせいで。
体育祭で個性が強化されたお陰か、吐血はしたもののそれ以外の体調の変化はなかった。
相澤さんに理由を聞かれて、さらりと女の子の日を理由にした。(ちなみにこっちの世界にきてから女の子の日は来ていない)
そんなわけないのだが、そこは性差。
深堀りできなかった相澤さんは、洗うのは非合理的だと言い、新しいものの購入を提案してきた。
稼いでいない身で大変申し訳なかったのだが、そうすることにした。
相澤さんは職場体験指名のまとめがあるとかで、一人で買いに行くことになった。
大きなショッピングモールで目的のものを買った帰り。(宅配で今日の夕方に届くらしい)
少しふらふらと散歩をしていたら、予想もしてなかった出会いがあった。
「へえ、震えもせず、目を逸らしもせず、ただのガキじゃねえだろ」
ぷすぷすと嫌な臭いを放つ真っ黒な焼死体。
そのすぐそばに立つ男。
継ぎはぎだらけの肌、気だるそうな瞳、ツンツンの黒髪。
ね?ヒロアカ好きなみんなならわかるよね!
ああああああ!
内心で叫び声を上げながら頭を抱える。
「なんで、こんなイレギュラーばっか…」
思わず声が漏れた。
ほんと、なんで!?
あんたまだまだ先でしょ!登場は!
「はあ?」
昨日といい、今朝といい、今日といい、なんで会う人会う人、みーんな敵なの?
もっといるじゃん。
サーとか、ファットとか、ホークスとか。
いや、そもそも活動拠点が違うか。
「いや、あんたこそこんなとこでなにしてんのよ」
溜息をつく。
原作に描かれてなかっただけで、こんな近くにいたのか?
うーん、それともこれも私というイレギュラーが招いたことなのかしら。
「とにかく何でもいいから、ヒーローにみつかんないでよ」
踵を返そうとした瞬間、荼毘の手が私の首を掴む。
冷たいその手は、継ぎはぎのせいもあってか肌触りはよろしくない。
「この光景を見て、自分も殺されると思わなかったのか」
言葉を返そうとして、固まる。
別に荼毘のせいじゃない。
私の視線の先で、不機嫌そうに携帯とこちらを見比べながら歩いてくる彼を見つけたからだ。
(相澤さん!?!?)
まずい!こんなところ見られたら絶対に戦闘になる。
第一に彼らの初対面は林間合宿のはずだし、こんなところで出会っちゃダメだっっ。
「なんだあの男…お前の知り合いか」
私の視線を追った荼毘が、耳元でそう囁いた。
なんで君らって耳元で囁くの好きなん?
「今も、これから先も、彼に手出したら殴るわよ」
まだ見つかってはいないものの、相澤さんの足は真っすぐにこっちに歩いてくる。
そうだった!私の携帯、GPSついてるんだった。
「へえ、よっぽど大切なんだ」
楽しそうに歪む荼毘の顔も目に入らない。
悪いけど、あんたと遊んでる暇はないのよ。
『荼毘、動くな』
途端、ぴたりの荼毘の体が固まる。
少しだけ咳と血が出たけど、驚くほど少なかった。
彼の手を首から外し、驚きに見開かれた顔を覗き込んで微笑む。
「あんたが私を殺す?…無理よ。あんたに私は殺せない。残念だったわね。坊や」
死柄木といい、荼毘といい、年上にはもっと敬意を払ってほしいよね。
まっ、この姿だと15歳なんだけどね!
「相澤さん!」
「……遅い」
「ごめんなさい、ちょっと散歩してました」
「監視するこっちの身にもなれ。帰るぞ」
「あ、スーパー寄っていいですか?今日の夜ご飯何にします?」
「…ぶり大根」
「よーし、腕によりをかけて作りましょう!」
くつくつと笑い声が、薄暗い裏路地に響く。
「おもしれーガキ。」
「HEY!おかえり!」
「あれ、ひざしさん?」
「……帰れ」
「つれねーこというなよー。お前が褒めるから気になってよお!」
「おい、マイク!」
「…褒める?」
「そう!食事に無頓着なこいつが、音葉の作る飯はうまいって褒めてたんだよ!だから気になって食いにきちまった!」
「……本当のことだ」
「くすくす、じゃあ今日の夜ご飯はひざしさんも一緒に食べましょー!」
「YEARRRR!!」
「うるせえ。というか音葉、こいつのことなんで名前で呼んでんだ」
「オフの時はそっちでも良いってひざしさんが!中身は同じ年ですし。ねー!」
「なー!名前で呼ばれるなんて新鮮だしな!」
(……いつの間にこんな仲良くなったんだ?)