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(心操視点)
「相澤先生!!」
ステージの改修中、観客席にもクラスの席にもリカバリーガールのところにも姿の見えない言が気になって、さっきの女性を探していた。
やっと見つけた彼女は俺を見つけた瞬間、泣き崩れたんだ。
「ごめんなさい!ごめんなさい!!息子を、殺すって言われて…」
思わず目の前が真っ暗になる。
言をどこに連れて行ったのか聞こうにも、錯乱状態の女性に声が届かない。
仕方なく個性を使って居場所を聞き出した俺は、放送席のA組担任のところに走った。
影のような奴に息子を殺すといわれ、殺されたくなければ女神様を連れて来いと言われたらしい。
一人でいくことも考えたけど、戦闘訓練もしていない俺だけじゃ不安だった。
こういう時、歯がゆい。
「あー、お前は心操、だったか?どうした」
放送席にはプレゼントマイクと相澤先生がいた。
事情を話すと、二人の顔が徐々に険しいものになっていく。
「マイク、無線で手の空いている教員集めろ。心操、俺達に任せてお前は席に「俺も行きます」」
相澤先生の声を遮る。
俺の個性は“洗脳”だ。
呼びかけにさえ答えれば、俺が一番無傷で捕らえられる。
「しかし「俺のせいなんです!」」
ぎりっと唇を嚙みしめる。
あの時、無理にでも止めていれば。
俺がついて行っていれば、あいつを一人にしなければ。
「……分かった。しかし前には出るなよ」
「はい!」
「イレイザー!行くぞ!!」
3人で放送席を飛び出す。
女性が言っていた場所は、少し遠い関係者以外立ち入り禁止の場所だった。
人影一つない。
その3つ目の扉。
かすかに空いたそこから、呻き声と男の声が聞こえてくる。
「直に触れないことが残念だよ」
声を聞いた途端、体が動かなくなる。
なんだこれ、怖い…今まで、感じたことのない恐怖。
後ろから数人の足音が近づいてくる。
応援の先生達だろう。
「おや、邪魔がきたようだ。私も、さすがにここで暴れるわけにはいかないからね。」
到着を待って相澤先生が扉を蹴り飛ばし、その瞬間に個性を発動させる。
中を見て、思わず全員の足が止まった。
「また遊ぼう、音葉言」
「ッッッッッッ言!!!!!」
部屋中に広がっていた影が一瞬でなくなる。
前に出ないという約束を破って、俺は一番最初に駆け出していた。
彼女の元に。
(相澤視点)
「言!言!!しっかりしろ、おい!」
心操が崩れ落ちた音葉に自分のジャージを被せながら抱き上げる。
彼女の表情に驚愕した。
いつもにこにこと笑い、未来が分かっているだけあって余裕な態度をとっている彼女はいなかった。
目を見開き、がたがたと震え、目の焦点は合っていない。
「これは、どういうことだ」
駆けつけたブラドが、ぽつりと呟く。
それに誰も答えられなかった。
既に敵はいない。ただぼろぼろの彼女がいるだけだ。
「おい、音葉、しっかりしろ」
駆け寄って顔を覗きこむが目線は合わない。
ちっ、ミッドナイトもいないから眠らすこともできない。
「心操、できるか」
こいつの個性は洗脳だ。
音葉が答えれば、眠らすこともできる。
「音葉、しっかりしろ。一言でもいい、答えろ」
頭を撫でてやると少しだけ音葉の目が俺に向く。
「心操」
「はい……言」
小さく彼女の口が開き、かすれた声だが“あ”と聞こえる。
瞬間、体からだらりと力が抜ける。
「眠れ」
閉じた彼女の瞳から、涙がこぼれ落ちた。
---女のくせに、でしゃばるな!---
---なあ言、悪いことは言わない。母さんを傷つけたくないだろ?---
---黙ってろよ、お前が黙ってれば全てうまくいく---
---言?何かあったの?---
---お前は音葉家の恥だ。お前さえいなければ---
---忘れるなよ、お前の人生は俺達のものだ---
---なあ言、できたら困るよな?な?じゃあ、ちゃんと飲むんだ---
---大人しく鳴いとけ、このクソビッチが---
だから早く殺してよ…お願いだからもう
※後から思いましたが、心操君の個性”洗脳”で呼びかけに答えたから眠らせるみたいなことできるのか?とも考えましたが、そこらへんはさらっと流してくださいっ!