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(主人公視点)
「あいつ普通科だろ、何話してたんだ」
人使と話してたら相澤さんに呼び出された。
つか心操!最高かよ!もう!好き!思わず高ぶって名前呼びしちゃったよ!
「心操人使君ですよー。詳しくは言いませんが、ぜひ見ててあげてください」
体育祭で相澤さんは人使の才能を見出す。
つくづく合理的じゃない入試だぜ。キラーン。
「ところで急な呼び出しどうしました?」
後ろをついて歩くが、どうやら目の前にある体育館に入るみたい。
特に何もないそこには先客がいた。
「…プレゼントマイク?」
よっと片腕を上げるプレゼントマイクがいた。
なぜ?
「HEY、音葉!待ってたぜー!」
説明を求めて相澤さんを見上げる。
どうやら私がどこまで戦えるのか見たいのだそうだ。
ヒーロー科に通う以上、最低限の体術は身に着けてほしいとのこと。
なるほどなるほど。
本当なら相澤さんが相手をしたいけど、ミイラマンだから武闘派ではないが暇そうなマイクを捕まえてきたそうな。
「どんな形でもいい。マイクと組手をしてみろ」
まあそうだよね。
一般人が戦闘訓練なんて積んでるわけないし、ヒーロー目指しているわけでもなかったからヒーロー科の他の面々に比べて体術では劣るだろうとお考えで。
動きにくいローファーを脱ぎ、ブレザーも脱ぐ。
スカートの中にはスパッツを履いてるから問題ない。
にっこりと相澤さんに笑いかけて一言。
「早めにブラドキングでも呼んでおいてください」
私の経歴を知らないとはいえ、格下に見られるのは癪だ。
(相澤視点)
「なっ!?」
「What!?」
体育館に俺とマイクの声が響く。
どういう、ことだ。
俺の目の前には、マイクを組み伏せる音葉の姿があった。
体重も身長も、全てで上回るマイクが一瞬で倒れていた。
「どういう、ことだ」
マイク本人も訳が分からないようで目を白黒させている。
聞いてないぞ。こいつ、こんなに強かったのか?
涼しい顔でマイクの上からどいた音葉は、にっこりと微笑む。
「ね、だからブラドキングを連れてきてくださいって言いましたでしょ?」
あの言葉は、マイクでは相手にならないってことだったのか…?
いや、こいつだって個性柄体術メインではないにしろ、曲がりなりにも現役ヒーローだ。
ただの一般人に負けるわけがない。
「シヴィー!?どういうことだよ、音葉!」
体をほぐしている音葉が、んっ?と振り返る。
「合気道、柔道、剣道、弓道、居合道、なぎなた」
つらつらとあげられていく武道の数々。
まさか…
「お前、それを全部やっていたのか…?」
音葉は、にっこりと笑いながら頷いた。
彼女の言うにはこうだ。
昨日、音葉が料理人だったという話は聞いたが、どうやら元の世界で彼女の家は随分な名家だったらしい。
有名な和食の料理人を数多く輩出する家で、音葉家といえば知らない人はいないくらいだった。
音葉家には“全ての和に通ずるべし”という考えがあり、産まれた子供は小さい頃から様々なことを習うらしい。
武道の他にも、華道や茶道などをしていたそうだ。
向こうの世界ではこちらの世界のように争いは頻繁に起こることではなかったそうだが、真剣の心得もあると。
兄弟の中で武道に秀でていた彼女は、一族の中でも1、2を争う強さだったそう。
「まあ分かりやすく油断してくれていたから、虚を突いたというのが正しいかもしれません。実践的な戦闘訓練というわけではないので。」
元の世界でのことを話す時、少し暗くなった彼女の表情はいつものそれに戻っていた。
「事情は理解したよ。悪かったな」
組手を始める前、彼女の顔が少しいらだったことを思い出して謝った。
あれは多分、自分を軽んじられた故だ。
「いえいえ、私もこの世界でどの程度通用するのか確かめたかったので、ちょうどよかったです」
その言葉を聞いてから、ギロリとマイクを睨む。
小さく体育すわりをしたマイクが、びくりと震える。
「お前、現役プロヒーローだろう。油断してたじゃ済まさねぇぞ」
「うっ…返す言葉もねぇ」
はあ、生徒が見てなくてよかった。
油断していたにしても、さすがに学生に教師が負けるのはいただけない。