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(主人公視点)
「ぐぅぅぅううう…尊い」
鏡の前でくるりとまわるとスカートが揺れる。
可愛いいいいいいい!!!
え、可愛くない!?制服!!
あ、尊いって自分のことじゃないよ?制服のことだから。
「30でニーハイって痛いかな…」
でもでも、体は15歳なわけだし!
まだ30は現役だから!
とかなんとか訳わかんない言い訳をする。
タイツも考えたんだけど、どうせ若返ってるなら冒険したいじゃん。うん。
髪もいつも通り三つ編みにして、前に流す。
「おい、いくぞ」
相澤さんと一緒に家を出る。
今日は根津さんに挨拶してから、とうとう1-Aの面々とご対面だあ!
あ、ちなみに学校にいる間、白は猫の姿でふらふらしててもらうことにした。
「何か聞かれたら君は相澤君の遠戚で、家庭の事情で入学が遅れたということにしておいてね。教員はみんな君のことについて知っているけど、生徒達には口外しないように」
相澤さんの遠戚!!!くっそご褒美っっ!!
「知っているとは思うけど、いまは体育祭直前で生徒達もピリピリしている時期だ。特にヒーロー科はね」
唯我独尊ポメラニアン爆豪と、麗らかじゃないお茶子の顔が浮かぶ。
あ、この段階ではまだ轟も確執轟だわ。
「体育祭に関してだけど、申し訳ないが参加は遠慮してほしいんだ」
「異論ありません」
全くない。
戦闘訓練も大して積んでない私が活躍できるとは思えないし、個性もうまく使えない。
「私はヒーローになりたいわけじゃありません。私みたいな中途半端な気持ちの人間が、参加したいと気軽に言えるほど、あれは軽いものじゃありませんから」
みんな、真っすぐに夢に向かって走っている。
そこに水を差すほど馬鹿じゃない。
ただの祭りじゃない。
あれは、文字通り戦いだ。夢へ歩き出すための、大きな一歩。
私の言葉に、根津さんは苦笑した。
「君の気持ちが中途半端だと言っているわけじゃないよ。ただあまり目立ってほしくないし、敵連合のこともある。カメラの前に出てほしくないだけだよ」
確かに治癒のできる個性については、かなり希少だったはずだ。
敵連合にもそういう個性持ちがいなくて、死柄木は苦労していたはずだし。
そうなると必然的に、私って狙われやすくなる?
んなバカなー!あいつらが次に狙うのは爆豪でしょ?
「静かにしろ」
一足先に相澤さんは教室に入っていった。
お、ドキドキすんな。
転校とかしたことなかったから、このザ転校生感やばい。
「今日は転入生がいる」
「女子!?女子ですか!」
「可愛いですか!」
みねたぁ、かみなりぃ。
お前等はぶれねぇな!!
好きだぞ!そういうの!!
相澤さんのうるせえ、黙れの言葉を合図に私は中に入った。
「「「あっっっっっ!!!!!」」」
教室中が驚きに声を上げた。
あ、みんな私のこと知ってる感じ?
ニッコリと笑うと数人の顔が赤くなる。
なぜ?
「音葉言です。今日から1年A組に編入しました。よろしくお願いします!」
峰田の「ニーハイ!絶対領域!」という声とともに、黒板消しが飛んで行った。
「音葉ちゃん、私芦戸三奈!よろしくね!」
「私、葉隠透!」
おおう。このクラスのコミュ力高いツートップ!
もちろん知ってるよ!
「言でいいよ。よろしく!三奈ちゃん、透ちゃん!」
残りのHRの時間は、私との交流タイムになっていた。
早速囲まれてます。はい。
「俺、上鳴電気!なぁなぁ、今度お茶いかない?」
「切島鋭児郎!よろしくな!」
上鳴!お前はぶれねえな!
そして切島!君は良い子だ!うん!
「よろしく、上鳴君に切島君!」
あーーーー、もう!最高!!上鳴も切島もかっこいいんだよ!
ふとちょっと離れたところからちらちらとこちらを見ている緑頭に気づいた。
うん、ちゃんと主人公には挨拶しておかないとね!
「初めまして、あの時の子だよね?」
あの時で伝わったのか緑頭が何度も頷く。
うっわ、可愛いな!おい!
この可愛さで、戦闘時は言葉遣いちょっと荒くなるのとかやばくない?ドツボ。
「みみみみ緑谷いいいい出久です!」
もじもじしてる…可愛い…
「あ、あの時は助けてくれて、本当にありがとう」
にこっとした笑顔にやられましたとも。はい。
自分のことしか考えてなかったから、ありがとうなんて言われる資格ないんだけどね。
「私からもお礼を言わせて。蛙吸梅雨。梅雨ちゃんと呼んで」
梅雨ちゃんも超可愛い!!
結果、轟、爆豪を抜かした全員に名前(男子は名字)で呼んでもらう仲にはなりました。(私は女子は名前、男子は名字。本当は名前で呼びたいけど、さすがに自重した。)
くそ!やっぱり拗らせツートップは話しかけにきてくれないか!
「え!?じゃあ言ちゃんは体育祭参加しないの?」
お昼。
お茶子ちゃんと緑谷、飯田と4人でご飯を食べていた時。
やっぱり話題に上がるのは体育祭。
参加しないことを告げると酷く驚かれる。
まあそうだよね。ヒーロー科のみんなは体育祭やる気満々だもの。
「うん、編入したてだし、個性は発現したばかりでうまく扱えなくて…」
3人の頭の中には、いまきっと血反吐を吐いている私が想像されていることだろう。
一様に顔が険しい。
「そっか、USJの時凄かったもんね」
お茶子ちゃんの言葉に苦笑した。
自分でもなかなかに引く映像だったと思います。
「でも音葉さんの個性は凄いよ!攻撃も防御も治癒でさえこなすオールラウンダーだし、上手く扱えるようになったらプロにも通用するんじゃないかな。体育祭に出ないのは残念だけど、他にもプロにみてもらえる場所はたくさんあるし、間違いなく音葉さんの個性ならプロの目に留まると思うんだよねブツブツブツブツ」
おお、これがあの有名な緑谷のブツブツ!
凄いな、実際目の前でされるとなかなか怖い。
「おーい、デクくーん戻ってきてー」
「はっ!…そういえば、あの時白い猫と男の人いたんだけど、あれも音葉さんの個性?」
お茶子ちゃんの呼びかけで戻ってきた緑谷が、思い出したように言う。
白のことだ。
「あれはね、使い魔みたいなもんかな?白っていうんだけど、猫にも人にもなれるんだよー。生まれた時から一緒にいるんだ」
この世界に生まれた時、ね。
白については個性ではないと思うけど、上手く説明できる気がしないから複合型ということにしておいた。
「凄い!言霊と使い魔の個性なんて聞いたことないし、さらにできることの幅が広がるよね!常闇君みたいに自分の体から発現しているわけじゃないなら、使い魔単体で動くこともできるし、言霊の個性と組み合わせれば動きを止めてから使い魔に拘束させることもできる。一人にも二人にもなれるっていうのは単純に手数も増えるから多対一でも通用すると思うブツブツブツブツブツブツ」
また旅立った緑谷を尻目に、うどんをすすった。
うまっ!