僕が「救けて」と言えるまで
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そして午後。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!」
高笑いとともにばーんと教室の扉があく。
そこには身長が高くて、筋肉の凄い人がいた。
マントがひらひらしてる。
あれが、オールマイトかあ。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくるため、様々な訓練を行う科目だ!早速だが今日はこれ!」
オールマイトが出したカードには「BATTLE」と書かれている。
へえ、戦闘訓練ね。
その後、各自にコスチュームの入ったケースが配られる。
僕も21番のケースを持って、切島君と一緒に更衣室へ向かった。
僕のコスチュームは黒霧が考えてくれた。
とりあえず僕の要望は真っ黒ってだけ。
ケースを開くと、見事に全てが真っ黒だった。
唯一白いのは、腰につける複数のポーチだけ。
わ、凄い!ナイフもあるー!
「お前、真っ黒だな」
隣で着替えてた紅白頭の子にまじまじと見られる。
「うん、要望通りなんだよ」
にこっと笑うと紅白頭君はそうかと自分の着替えに集中しだした。
僕に言わせれば君のコスチュームの方が、なんかロボットみたいだけどね。
特に顔が。
まっいっか、僕も着替えよーっと。
スキニーパンツに膝下までのロングブーツ。
シャツ、お尻が隠れる長さのコートの内側にはナイフを仕舞う場所がある。
ネクタイもあったけど、これは僕がネクタイ結べないことを分かったうえでの意地悪だなと思ってつけなかった。
ボタンは第二まであけてやるう!
計10本のナイフをしまって、腰に左右1つずつポーチをつけ、そこに血液パックをしまった。
コートきちゃうとポーチ見えないから、見事なまでに真っ黒。
もう相澤先生に黒い人って言えないや。
「おい、神呪!行こうぜ!」
切島君と更衣室を出た。
僕がまたどっかいっちゃうんじゃないかと思って声かけてくれたんだって。
いい子だねぇ。
「始めようか有精卵共!戦闘訓練のお時間だ!」
演習場につくと、すでにほかのみんなは集まってた。
わー、いろんなコスチュームの子がいるなぁ。
飯田君はフルアーマーみたいだし、八百万さんは…わあ、大胆。
あとは蛙っぽい子とか、籠手みたいなの…うわ。
思いっきり目があった。
切島君に聞いたら、爆豪君って言うんだって。
苦手だなあ、彼。
どうやら二人一組で分かれて屋内での対人訓練するんだって。
ヒーローと敵に分かれて、敵が隠した核兵器をヒーローが確保する。
ヒーローは敵を、敵はヒーローを捕まえてもいいんだって。
へえ、敵、ねえ。
みんなが次々とチーム分けのくじを引いていく中、僕のには「Z」って書いてあった。
相方を探してみるけど、誰もZなんていなかった。
ん?ミス?
「お!当たりをひいたのは神呪少年だったか!」
オールマイトが僕の手元を覗き込んでいった。
当たり?
「Zの当たりを引いた神呪少年は、全員が終わった後に好きな対戦相手を選んでもらうぞ」
好きに選べるんだ。
へー。好きに、ねえ。
「最初の対戦相手はこいつらだ!」
Aチーム対Dチーム。
モブって言った人と飯田君VS緑谷君と女の子みたい。
それ以外の人は、ビルの地下にあるモニタールームに移動する。
この時から僕の対戦相手は決まっていた。
好きに選んでいいんだもんね。
うひゃー!凄い!あの爆発の威力!
いいなあ、あの個性。
僕は一番後ろでにやりと笑った。
それにあの目。
好きだなあ。
恐怖と、絶望と、今まで自分が信じてきたものが崩れ去った顔。
大方緑谷君と何か確執があるんだろうな。
緑谷君は怪我が酷かったので搬送ロボに保健室に運ばれていった。
帰ってきた3人に対する講評の時間。
あ、女の子は麗日さんっていうらしい。
「今戦のベストは飯田少年だ!わかるひとー!?」
オールマイトの質問に一番に手を上げたのは八百万さん。
「それは飯田さんが状況設定に一番順応してたから」
確かに、「俺は至極悪いぞー」って言ってた。
ん?あれのこと?
「爆豪さんの行動は私怨丸出しの独断。屋内での大規模攻撃は愚策ですわ」
あ、やっぱり私怨だったんだ。
んーなにがあそこまで爆豪君を歪めちゃったんだろ。
まあ歪んでる方が、僕達にとっては好都合だけどね。
強い個性の強い人は、厄介だからね。
「緑谷さんも同様の理由ですね。麗日さんは中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴すぎたこと」
確かに吹き出してた。
本当の戦いであんな余裕はないだろうしね。
八百万さんの観察眼すごーい。
飯田君は相手の対策をしっかりとして、核の争奪を想定していたからベストプレイヤーなんだってさ。
みんなしっかり考えてるんだー。
僕も頑張ろう!
そこからどんどんと各チームの対戦が行われていく。
轟君って凄く強い!
ビル丸ごと凍らせちゃうとか、この子も個性強いなー。
切島君は全身硬化だって。体がかたーくなるの。
あれ僕のナイフとか銃弾とかもはじくのかな?
他にも腕からテープ出す子とか、電気の子とか、蛙っぽい子とか、いろんな個性の子がいて見てるだけで楽しい!
いいな、あんな個性だったら…
「さあみんなお疲れ!最後は神呪少年だ」
全員の対戦が終わり、オールマイトが僕に向き直る。
誰を選ぶんだい?と言われて、僕はにっこりと笑ってある一人を指さした。
「えっ」
誰かの声が静かなその場に響く。
僕が指さした人、それは
「僕の対戦相手はオールマイトがいいです」
平和の象徴。。
弔君の嫌いなオールマイト。