この世では人と人ならざる者が生きている。

古来、人ならざる者たちは人里を離れてひっそりと暮らしていた。

だが、その人並み外れた大きな力を欲した欲深い人間により、人ならざる者たちは次第に戦いに巻き込まれていった。

長い月日が経ち、その怨みを持った人ならざる者たちは人に危害を加えるようになった。

人々はそれを討ち払うための職業を作った。

人ならざる者たちは『妖』と呼ばれ、それを払う者たちは『妖払い』と呼ばれるようになった。

妖払いたちは、妖を目の敵にして、暴力的に討ち払ってきた。

その中、一人だけ一風変わった妖払いがいた。

妖たちに優しく語りかけ、それぞれの棲む場所へ帰るよう促す。

その妖払いは他の者たちから疎まれていた。

彼女が頼まれる仕事は面倒な仕事や皆がやりたがらない仕事、報酬の少ない仕事ばかりだった。

それでも彼女は懸命に妖たちに語りかけ続けている。






人も妖も悲しまない世界を作る。
その信念と誇りの下、己の道を行く主人公。

かつて“薄桜鬼”と名付けた男のような真っ直ぐな彼女を気に入り、風間は行動を共にすることにした。


ひとりぼっちの妖払いと
悠久の時を生きた鬼の
凸凹コンビ

二人の間に、少しずつ愛が芽生えていく。