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天撃を超えた先に

「痛い…!」

「私を拒絶してるの!?」

平田の進もうとする先には蠢く闇が密度を増して、壁の如く道を塞いでいた。

「ちょっと待って!」

「身動きが取れないじゃない…」

後ろに下がろうとするが一歩も動けなかった。蠢く闇は自我を持っているかのように動き回り、平田の周囲を覆って身動きを取れないようにしていた。

「そうだ、電話があるじゃない!」

平田は動けないながら携帯を取り出し、中山に電話をかける。しかし、中山の携帯からは電源が切れているか電波の届かないところにいるため…と自動音声が聞こえるだけだった。

「こんな時に限って何で繋がらないのよ…」

さっきまでとは違う弱々しい声で平田はそう呟いた。
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