短編 連載『つなぎ姿の向こう側』
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第五話「貴重な人材」
「今日は私だけ……」
思わず小さく呟いた。
今までは先輩の女性たちに助けてもらいながら、ようやくこなせていた受付業務。
けれど土日祝日は、彼女たちは休みだった。
それぞれ雇用契約が違う。
アニスは別の仕事を掛け持ちし、ティアは家族の付き添い。
ナタリアは旅行が趣味で、休日はよく出掛けている。
一方の私は、前職と同じように休日希望を出していなかった。
そんな時だった。
「本当に彼女たちがいないと、静かですね。」
ジェイド主任が受付へ歩いてくる。
「はい……」
「はるさんには感謝していますよ」
「えっ?」
思わず聞き返す。
「今の時代は休みが欲しい、手当が欲しい、急に予定が入った……。ーーそういう理由で、人手不足になることも珍しくありません」
「そうなんですか」
「ええ。昔は休みなんて、あってないようなものでしたから」
少し苦笑しながら話すジェイド。
「どこの業界も人手不足です」
「そうなんですね……」
「おや」
ジェイドは少しだけ目を細めた。
「はるさん、自分では気付いていませんか?」
「えっ……?」
「あなたも、その貴重な人材の一人ですよ」
その言葉に思わず目を丸くする。
「でも、まだ覚えることばかりで……」
「だからこそです」
穏やかな口調で続ける。
「とはいえ、今はまだ序の口」
「本番は秋から春です」
「え?」
今日は八月の終わり。
秋まで、もう一か月もない。
「それって……あまり時間がありませんね」
「ええ」
ジェイドは頷く。
「困ったことが、あれば呼んでください」
「もちろん、お客様対応が優先になりますから、少し待ってもらうこともありますが」
「了解です」
私は大きく頷いた。
(もっと早く覚えなきゃ)
忙しい季節が来る前に。
少しでも皆の力になれるように──。
「今日は私だけ……」
思わず小さく呟いた。
今までは先輩の女性たちに助けてもらいながら、ようやくこなせていた受付業務。
けれど土日祝日は、彼女たちは休みだった。
それぞれ雇用契約が違う。
アニスは別の仕事を掛け持ちし、ティアは家族の付き添い。
ナタリアは旅行が趣味で、休日はよく出掛けている。
一方の私は、前職と同じように休日希望を出していなかった。
そんな時だった。
「本当に彼女たちがいないと、静かですね。」
ジェイド主任が受付へ歩いてくる。
「はい……」
「はるさんには感謝していますよ」
「えっ?」
思わず聞き返す。
「今の時代は休みが欲しい、手当が欲しい、急に予定が入った……。ーーそういう理由で、人手不足になることも珍しくありません」
「そうなんですか」
「ええ。昔は休みなんて、あってないようなものでしたから」
少し苦笑しながら話すジェイド。
「どこの業界も人手不足です」
「そうなんですね……」
「おや」
ジェイドは少しだけ目を細めた。
「はるさん、自分では気付いていませんか?」
「えっ……?」
「あなたも、その貴重な人材の一人ですよ」
その言葉に思わず目を丸くする。
「でも、まだ覚えることばかりで……」
「だからこそです」
穏やかな口調で続ける。
「とはいえ、今はまだ序の口」
「本番は秋から春です」
「え?」
今日は八月の終わり。
秋まで、もう一か月もない。
「それって……あまり時間がありませんね」
「ええ」
ジェイドは頷く。
「困ったことが、あれば呼んでください」
「もちろん、お客様対応が優先になりますから、少し待ってもらうこともありますが」
「了解です」
私は大きく頷いた。
(もっと早く覚えなきゃ)
忙しい季節が来る前に。
少しでも皆の力になれるように──。
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