短編 連載『つなぎ姿の向こう側』
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第四話「覚えることばかり」
朝。
今日もブルーモーターズは忙しい。
受付には、カップルのお客様が来店された。
「オイル交換をお願いします」
はるは笑顔で対応する。
「お車はなんでしょうか」
「えっ‥。なんだっけ」
お客様は、車種がわからないようだ。
よくあることらしい。
オイル交換には『車の型式、年式。』を調べて、車両に応じた適切な量を整備士に伝える必要がある。
私はひとまず。
現車を見に行った。
正面から見えたロゴはアルファベットの『S』だ。
(えっと……)
(これはダイハツじゃない)
(スズキ……)
(……何だっけ)
正面からでは分からない。
後ろへ、回ることにした。
「……あっ」
リアゲートに書かれた車名を見つける。
『SPACIA CUSTOM』
(スペーシアカスタム!)
(友達が乗ってた車だ)
少しだけ嬉しくなる。
「車種は……スペーシアカスタムですね」
次に型式、年式を調べる必要がある。
それには、『車検証、または車両にあるプレートを確認する』ことだ。
「オイル交換の量を調べるため、車検証を確認させていただけませんか」
「どこかにあったな」
グローブボックスかなと思ったが。
探してみないといけないらしい。
はるは許可をいただき、運転席のドアを開けた。
センターピラーのプレートを確認する。
「……あれ、ない」
助手席側も確認するが見当たらない。
「もしかして……」
ボンネットを開ける。
エンジンルームのプレートに刻まれた文字を見つけた。
「あった……! MK53S」
車両適合表でMK53Sを探し、照らし合わせる。
オイルの量は4.5L
「この車は4.5リットルなんだ」
はるはメモ帳へ書き留めた。
しかし、覚える以前に。
私自身は、基本がわからないということを、改めて実感した。
その後も、
「タント」
「ワゴンR」
「ムーヴキャンバス」
「サンバー」
「キャリイ」
(軽自動車だけでも、いっぱいある……)
頭の中は車の名前でいっぱいだった。
昼。
洗車をしているルークを見つめる。
(そういえば……)
(洗車って、晴れの日がいいと思ってた)
(でも曇りの日が向いてるって聞いたような……)
「なんでだっけ」
一人で考え込む。
そのまま立ち止まっていると、
「はるさん?」
ガイが声を掛けた。
「どうしました?」
「えっ、あっ」
「洗車って……どうして曇りの日がいいんでしたっけ?」
ガイは少し笑う。
「晴れてると、水滴がすぐ乾いちゃうんです」
「だから、水アカや拭きムラができやすいんですよ」
「曇りの方が落ち着いて拭けるので、きれいに仕上がります」
「なるほど……!」
はるはすぐにメモ帳を取り出す。
『洗車は曇りの日がベスト』
『晴れは水滴が乾きやすい』
一生懸命書き込む。
その姿を見てガイが笑う。
「本当に勉強熱心ですね」
「覚えることが多くて、大変ですけど……」
「少しずつ覚えます」
「焦らなくていいですよ」
その笑顔を見て、
ガイも優しく笑い返した。
アニスがはるを見て。
「また車見ながら、独り言言ってたでしょ?」
と言って笑い。
はるが。
「全部、覚えるまで何年かかるんだろう……」
と肩を落とす。
するとガイが。
「大丈夫です」
「俺たちも最初はみんな同じでした」
と励ます。
はるはその言葉に安心して、
「もっと、やるしかないね」
ルークは。
「俺も最初は車種なんて、全然分からなかったし」
ジェイドも。
「車は覚えるより、まず興味を持つことですよ」
はるはメモ帳を胸に抱え、小さく頷いた。
「うん。少しずつ覚えていこう」
覚えることは、まだまだ山ほどある。
それでも、一歩ずつ前へ進んでいこうと思えた。
最後に。
※車の型式はわかりやすくしているので、イメージになります。
朝。
今日もブルーモーターズは忙しい。
受付には、カップルのお客様が来店された。
「オイル交換をお願いします」
はるは笑顔で対応する。
「お車はなんでしょうか」
「えっ‥。なんだっけ」
お客様は、車種がわからないようだ。
よくあることらしい。
オイル交換には『車の型式、年式。』を調べて、車両に応じた適切な量を整備士に伝える必要がある。
私はひとまず。
現車を見に行った。
正面から見えたロゴはアルファベットの『S』だ。
(えっと……)
(これはダイハツじゃない)
(スズキ……)
(……何だっけ)
正面からでは分からない。
後ろへ、回ることにした。
「……あっ」
リアゲートに書かれた車名を見つける。
『SPACIA CUSTOM』
(スペーシアカスタム!)
(友達が乗ってた車だ)
少しだけ嬉しくなる。
「車種は……スペーシアカスタムですね」
次に型式、年式を調べる必要がある。
それには、『車検証、または車両にあるプレートを確認する』ことだ。
「オイル交換の量を調べるため、車検証を確認させていただけませんか」
「どこかにあったな」
グローブボックスかなと思ったが。
探してみないといけないらしい。
はるは許可をいただき、運転席のドアを開けた。
センターピラーのプレートを確認する。
「……あれ、ない」
助手席側も確認するが見当たらない。
「もしかして……」
ボンネットを開ける。
エンジンルームのプレートに刻まれた文字を見つけた。
「あった……! MK53S」
車両適合表でMK53Sを探し、照らし合わせる。
オイルの量は4.5L
「この車は4.5リットルなんだ」
はるはメモ帳へ書き留めた。
しかし、覚える以前に。
私自身は、基本がわからないということを、改めて実感した。
その後も、
「タント」
「ワゴンR」
「ムーヴキャンバス」
「サンバー」
「キャリイ」
(軽自動車だけでも、いっぱいある……)
頭の中は車の名前でいっぱいだった。
昼。
洗車をしているルークを見つめる。
(そういえば……)
(洗車って、晴れの日がいいと思ってた)
(でも曇りの日が向いてるって聞いたような……)
「なんでだっけ」
一人で考え込む。
そのまま立ち止まっていると、
「はるさん?」
ガイが声を掛けた。
「どうしました?」
「えっ、あっ」
「洗車って……どうして曇りの日がいいんでしたっけ?」
ガイは少し笑う。
「晴れてると、水滴がすぐ乾いちゃうんです」
「だから、水アカや拭きムラができやすいんですよ」
「曇りの方が落ち着いて拭けるので、きれいに仕上がります」
「なるほど……!」
はるはすぐにメモ帳を取り出す。
『洗車は曇りの日がベスト』
『晴れは水滴が乾きやすい』
一生懸命書き込む。
その姿を見てガイが笑う。
「本当に勉強熱心ですね」
「覚えることが多くて、大変ですけど……」
「少しずつ覚えます」
「焦らなくていいですよ」
その笑顔を見て、
ガイも優しく笑い返した。
アニスがはるを見て。
「また車見ながら、独り言言ってたでしょ?」
と言って笑い。
はるが。
「全部、覚えるまで何年かかるんだろう……」
と肩を落とす。
するとガイが。
「大丈夫です」
「俺たちも最初はみんな同じでした」
と励ます。
はるはその言葉に安心して、
「もっと、やるしかないね」
ルークは。
「俺も最初は車種なんて、全然分からなかったし」
ジェイドも。
「車は覚えるより、まず興味を持つことですよ」
はるはメモ帳を胸に抱え、小さく頷いた。
「うん。少しずつ覚えていこう」
覚えることは、まだまだ山ほどある。
それでも、一歩ずつ前へ進んでいこうと思えた。
最後に。
※車の型式はわかりやすくしているので、イメージになります。
