第二部「 運命に抗い、交錯する想い」
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第六話「暴かれるルーク」
――ユリアシティ 宿。ルーク視点。
朝。
目を覚ますと、ガイの姿がなかった。
「……ガイ?」
宿を見回してもいない。
ティアが静かに言う。
「夜のうちに出て行ったみたい」
「はるを探しに」
「……!」
ルークは勢いよく立ち上がる。
「一人で!?」
ジェイドはため息をつく。
「まあ声は掛けましたが、聞く耳を持ちませんでした」
「当然でしょう。大切な彼女が攫われたのですから」
ルークは拳を握る。
(俺だって……)
(はるを助けたい)
「俺も行く!」
誰の返事も待たず、宿を飛び出した。
「どこに行くの、ルーク!」
「‥そういえば‥どこだ?」
「もう‥」
⸻ガイを追って。
ティアに教えてもらった外郭大地へ行く方法は、ユリアロードを抜けた先にあった。
先に行くと驚いたが、噴水のように水が吹き出した川に出た。
なんでも、外郭のアラミス湧水って場所につながっているらしい。
しばらく走ると、前方に見慣れた背中が見える。
「ガイ!」
「ルーク?」
ガイは驚いた顔をする。
「戻れ」
「危険だ」
ルークは首を振る。
「嫌だ」
「はるは俺たちの仲間だ」
「俺だって助けたい!」
ガイは少しだけ笑う。
「……仕方ねぇな」
「絶対、離れるなよ」
「ああ!早くしないと!」
ガイとルークは駆け出した。
しかし──
「そこまでだ」
低い声。
岩の上から紅髪の青年が降り立つ。
アッシュだった。
「またお前か!」
ルークが剣を構える。
ガイは睨みつける。
「どけ」
アッシュは鼻で笑った。
「随分、急いでるな」
ガイの表情は険しくなる。
「何がいいたい」
「‥もしかしてお前知っているのか」
「はるの居場所を‥」
ガイの言葉にアッシュは肩を竦める。
「‥‥さあ」
「ただ‥」
「ヴァンは女を攫ってくるように命じたらしいが‥」
「!!」
「それってどこだ!」
ガイが叫ぶ。
しかし、アッシュは答えない。
「……女をどうするか。俺は知らない」
ガイが飛び出そうとした瞬間。
アッシュの視線がルークへ向く。
「……だが、その前に」
「お前に用がある」
アッシュはルークを見据える。
「お前っ!はるをどこへやった!」
「……笑わせるな」
地面を蹴るアッシュ。
「お前、何も考えずに超振動を使ったのか!?」
ルークは俯く。
「お前まで俺が悪いって言うのか‥!」
「師匠は‥」
声は震え、次第に小さくなる。
「冗談じゃねぇ!」
「まだヴァンを信じてるのか」
「……裏切ったとも知らずに。馬鹿か!」
「裏切った‥。本当に、師匠は俺にアクゼリュスを‥」
「俺がもっと‥。早くヴァンの企みに気づいていれば‥」
アッシュは背を向け、拳を握る。
「俺は俺は‥。悪くねぇ、悪くねぇ‥」
ルークの呟きに、アッシュは振り返る。
呆れたようにルークを見据えた。
「本当に‘レプリカ’ってのは劣化しているのか」
「な、‥なんだ。師匠もレプリカって‥」
「――お前、何も知らないんだな」
アッシュは冷たく笑う。
空気が止まった。
「‥何がいいたい」
ルークは眉をひそめる。
遠くから、仲間の声が聞こえる。
「アッシュ!やめて!」
ティアは叫ぶ。
「お前、なんで俺と同じ顔か」
「疑問に思ったことはないか」
「‥なんだ知るかよ」
アッシュはルークを睨みつける。
「何の話だ」
アッシュは、にやりとした。
「教えてやるよ『ルーク』」
「俺はバチカル生まれの貴族なんだ」
「俺は7年前、ヴァンって悪党に誘拐された」
「!!」
「まさ‥か‥」
「そうだよ!お前は俺の劣化複写人間だ!」
「ただのレプリカなんだよ!」
「う‥嘘だ!」
「嘘だ嘘だ嘘だ!」
ルークは頭を抱えると。
アッシュに向かって、剣を突きつける。
「やるのか。ーー‥‥レプリカ」
「嘘をつくな!!」
怒りのまま剣を振るう。
アッシュも応戦する。
激しい剣戟。
だが実力差は大きかった。
「こんな奴に……」
「俺の家族も、居場所も、奪われたっていうのか!」
「終わりだ」
アッシュが剣を振り下ろした――その瞬間。
「!!」
ガイの一太刀が入る。
「悪いが。‥それ以上はやめてもらえるか!」
「!?‥ガイか」
アッシュは剣を引く。
驚いたように、動きが止まる。
「‥‥俺はレプリカなんかじゃねぇ」
ルークの身体は地面へ倒れる。
意識が遠のいていく。
(俺が……)
(レプリカ……?)
視界が暗く染まった。
――ガイ視点
「ルーク!」
ティアが駆け寄る。
ナタリアも膝をつく。
ジェイドは静かに様子を確認した。
「命に別状はありません」
「ですが、精神的な衝撃が大きいでしょう」
ガイは拳を握る。
「悪いティア。ルークを任せてくれないか」
「ええ。ユリアシティに戻り、休ませるわ」
ティアはルークの治療をする。
「‥‥俺は行く」
アッシュは立ち去ろうとする。
そこへ。
ナタリアは呼び止める。
「‥待ってください!」
「あなたは‥」
「俺は‥」
「私のこと‥覚えていますか」
アッシュは一瞬だけ足を止める。
「……知らねぇ」
「‥‥俺は行く」
「‥‥待って!」
ナタリアは再び止めるが。
先に行くアッシュ。
「おい!」
ガイの視線はアッシュへ。
「お前、本当に知らないのか!」
「はるの居場所‥!」
アッシュは背を向けながら言った。
「さあ‥な。助けたいなら急げ」
それだけ言い残し、姿を消した。
静寂。
ガイは目を閉じる。
(悪い、ルーク)
(でも今は……)
(はるを助ける)
ジェイドが静かに口を開く。
「行くのですね」
「ああ」
「必ず連れ戻す」
ガイは一人、洞窟の奥へ駆け出した。
必ず、はるを連れ戻すために。
――ユリアシティ 宿。ルーク視点。
朝。
目を覚ますと、ガイの姿がなかった。
「……ガイ?」
宿を見回してもいない。
ティアが静かに言う。
「夜のうちに出て行ったみたい」
「はるを探しに」
「……!」
ルークは勢いよく立ち上がる。
「一人で!?」
ジェイドはため息をつく。
「まあ声は掛けましたが、聞く耳を持ちませんでした」
「当然でしょう。大切な彼女が攫われたのですから」
ルークは拳を握る。
(俺だって……)
(はるを助けたい)
「俺も行く!」
誰の返事も待たず、宿を飛び出した。
「どこに行くの、ルーク!」
「‥そういえば‥どこだ?」
「もう‥」
⸻ガイを追って。
ティアに教えてもらった外郭大地へ行く方法は、ユリアロードを抜けた先にあった。
先に行くと驚いたが、噴水のように水が吹き出した川に出た。
なんでも、外郭のアラミス湧水って場所につながっているらしい。
しばらく走ると、前方に見慣れた背中が見える。
「ガイ!」
「ルーク?」
ガイは驚いた顔をする。
「戻れ」
「危険だ」
ルークは首を振る。
「嫌だ」
「はるは俺たちの仲間だ」
「俺だって助けたい!」
ガイは少しだけ笑う。
「……仕方ねぇな」
「絶対、離れるなよ」
「ああ!早くしないと!」
ガイとルークは駆け出した。
しかし──
「そこまでだ」
低い声。
岩の上から紅髪の青年が降り立つ。
アッシュだった。
「またお前か!」
ルークが剣を構える。
ガイは睨みつける。
「どけ」
アッシュは鼻で笑った。
「随分、急いでるな」
ガイの表情は険しくなる。
「何がいいたい」
「‥もしかしてお前知っているのか」
「はるの居場所を‥」
ガイの言葉にアッシュは肩を竦める。
「‥‥さあ」
「ただ‥」
「ヴァンは女を攫ってくるように命じたらしいが‥」
「!!」
「それってどこだ!」
ガイが叫ぶ。
しかし、アッシュは答えない。
「……女をどうするか。俺は知らない」
ガイが飛び出そうとした瞬間。
アッシュの視線がルークへ向く。
「……だが、その前に」
「お前に用がある」
アッシュはルークを見据える。
「お前っ!はるをどこへやった!」
「……笑わせるな」
地面を蹴るアッシュ。
「お前、何も考えずに超振動を使ったのか!?」
ルークは俯く。
「お前まで俺が悪いって言うのか‥!」
「師匠は‥」
声は震え、次第に小さくなる。
「冗談じゃねぇ!」
「まだヴァンを信じてるのか」
「……裏切ったとも知らずに。馬鹿か!」
「裏切った‥。本当に、師匠は俺にアクゼリュスを‥」
「俺がもっと‥。早くヴァンの企みに気づいていれば‥」
アッシュは背を向け、拳を握る。
「俺は俺は‥。悪くねぇ、悪くねぇ‥」
ルークの呟きに、アッシュは振り返る。
呆れたようにルークを見据えた。
「本当に‘レプリカ’ってのは劣化しているのか」
「な、‥なんだ。師匠もレプリカって‥」
「――お前、何も知らないんだな」
アッシュは冷たく笑う。
空気が止まった。
「‥何がいいたい」
ルークは眉をひそめる。
遠くから、仲間の声が聞こえる。
「アッシュ!やめて!」
ティアは叫ぶ。
「お前、なんで俺と同じ顔か」
「疑問に思ったことはないか」
「‥なんだ知るかよ」
アッシュはルークを睨みつける。
「何の話だ」
アッシュは、にやりとした。
「教えてやるよ『ルーク』」
「俺はバチカル生まれの貴族なんだ」
「俺は7年前、ヴァンって悪党に誘拐された」
「!!」
「まさ‥か‥」
「そうだよ!お前は俺の劣化複写人間だ!」
「ただのレプリカなんだよ!」
「う‥嘘だ!」
「嘘だ嘘だ嘘だ!」
ルークは頭を抱えると。
アッシュに向かって、剣を突きつける。
「やるのか。ーー‥‥レプリカ」
「嘘をつくな!!」
怒りのまま剣を振るう。
アッシュも応戦する。
激しい剣戟。
だが実力差は大きかった。
「こんな奴に……」
「俺の家族も、居場所も、奪われたっていうのか!」
「終わりだ」
アッシュが剣を振り下ろした――その瞬間。
「!!」
ガイの一太刀が入る。
「悪いが。‥それ以上はやめてもらえるか!」
「!?‥ガイか」
アッシュは剣を引く。
驚いたように、動きが止まる。
「‥‥俺はレプリカなんかじゃねぇ」
ルークの身体は地面へ倒れる。
意識が遠のいていく。
(俺が……)
(レプリカ……?)
視界が暗く染まった。
――ガイ視点
「ルーク!」
ティアが駆け寄る。
ナタリアも膝をつく。
ジェイドは静かに様子を確認した。
「命に別状はありません」
「ですが、精神的な衝撃が大きいでしょう」
ガイは拳を握る。
「悪いティア。ルークを任せてくれないか」
「ええ。ユリアシティに戻り、休ませるわ」
ティアはルークの治療をする。
「‥‥俺は行く」
アッシュは立ち去ろうとする。
そこへ。
ナタリアは呼び止める。
「‥待ってください!」
「あなたは‥」
「俺は‥」
「私のこと‥覚えていますか」
アッシュは一瞬だけ足を止める。
「……知らねぇ」
「‥‥俺は行く」
「‥‥待って!」
ナタリアは再び止めるが。
先に行くアッシュ。
「おい!」
ガイの視線はアッシュへ。
「お前、本当に知らないのか!」
「はるの居場所‥!」
アッシュは背を向けながら言った。
「さあ‥な。助けたいなら急げ」
それだけ言い残し、姿を消した。
静寂。
ガイは目を閉じる。
(悪い、ルーク)
(でも今は……)
(はるを助ける)
ジェイドが静かに口を開く。
「行くのですね」
「ああ」
「必ず連れ戻す」
ガイは一人、洞窟の奥へ駆け出した。
必ず、はるを連れ戻すために。
