<web再録:ザク→ジュ>どうかボクを愛して
ボクと同じ枷をつけられた子がいると知った時、胸がときめいたことを覚えている。
ずっとずっと探していたボクと同じ存在―
ボクと同じ人間じゃなくされた子―
ボクと同じ化け物にされた子―
どんな子なのかすごく気になった。
きっとボクと同じ思いをしてるだろう。
きっとボクと同じ愛に飢えているだろう。
「大丈夫、大丈夫だよ」
ボクが君を愛してあげる―
ボクが君を守ってあげる―
だから君も―
「ボクを愛してくれるよね。ジューゴ君」
南波刑務所へ向かう途中、15番の資料を貰ったザクロはうっとりした表情をした。
資料にある15番の顔写真を見た時、彼の首にある黒い枷にゾクゾク感じた。
自分と同じ枷を付けられ、自分が何者で、化け物にされたことに人生を狂わされて、途方に暮れているこの気持ちを理解してくれる存在にもうすぐ会えることに。
「もうすぐだよ。もうすぐ君に会える」
自然と口元が緩くなり笑みを零しているザクロに、近くに座っていた一角は足を組みながら眺めていた。
「気持ち悪いくらい機嫌がいいな」
「うん。だってやっと会えるんだもん」
資料を口元に当て、ふふっと明るい笑顔を見せるザクロに一角は軽く息をこぼす。
「熱愛だな」
「一角だって久しぶりに会える楽しみにしてるんでしょ?」
「……まぁな」
少し間をあけての素っ気ない返答だったが、声色的に嬉しそうに聞こえたザクロはまたニッコリと笑った。
「でも、ジューゴ君はボクが助け出すから邪魔しないでね。一角でも邪魔した時は容赦しないから」
笑顔から一気に冷たい表情に変え、いまにも人一人殺せそうな殺気の瞳でザクロは一角を睨む。
きっと相手が一角ではなかったら腰を抜かしているかもしれない、そう思いながら一角は鼻で笑った。
「はっ!テメェだって俺の邪魔するんじゃねーぞ」
「わかってるし。それにジューゴ君以外は興味ないも〜ん」
そう言ってザクロはもう一度資料を眺める。
「早く会いたいなぁ」
どんな声なのか、どんな仕草なのか、何もかもが気になる存在であり、ザクロは今か今かと会える時を考えていた。
だが、現実はそう甘くなかった。
「いやだ。俺、お前の事嫌いだし」
付き放たれる拒絶の言葉にザクロはショックを受けていた。
本当は会った時は普通に挨拶をするつもりであった。
だが、監視されている今ではそれが出来ず、監視されている間はフリとして出会って早々攻撃し、さらにジューゴの腕に怪我をさせてしまったことにザクロは心苦しかった。
後で必死に謝ればきっと許してくれる。そう必死に願掛けしながら。
それでもやはりジューゴの態度は変わらず、ザクロは焦りながらも弁解し、手を伸ばすと弾き飛ばされる。
「さわるな」
「……っ!」
ザクロを見つめるジューゴの瞳は拒絶の色をしており、その瞳にザクロはぐっと唇を噛み締める。
「やっと……会えたのに」
口の中が血の味に染まるが、ザクロは気にしなかったし痛みも感じなかった。
むしろ胸あたりがズキズキと痛く感じ、これがなんなのかわからず胸元あたりに手を当て、ぎゅっと力強く握り締める。
「じゃあ、無理矢理にでも連れていく……話し合いはそのあとでいいよね」
そう言ってザクロは一歩足を前に出し、瞬時にジューゴの前に立った。
一瞬で目の前に現れことにジューゴは後ろに下がろうとするが、その前にザクロに両頬を掴まれ逃げられなくされる。
「教えてあげる。ボクがどれだけ君を探していたか、どれだけ君のことを考えていたか。全部全部教えてあげる。だから―」
ボクの事を知って、ボクを愛して―
小さく呟いたザクロはジューゴの顔を引き寄せ、唇を重ね合わせた。
ファーストキスはレモンの味だという言葉があるが、ザクロにとってファーストキスの味は血の味だった。
それでも唇から感じる柔らかさと温かさに、ザクロは嬉しい感情が沸き上がり、自然と目を瞑りその体温を味わった。
END
2018/04/29
ずっとずっと探していたボクと同じ存在―
ボクと同じ人間じゃなくされた子―
ボクと同じ化け物にされた子―
どんな子なのかすごく気になった。
きっとボクと同じ思いをしてるだろう。
きっとボクと同じ愛に飢えているだろう。
「大丈夫、大丈夫だよ」
ボクが君を愛してあげる―
ボクが君を守ってあげる―
だから君も―
「ボクを愛してくれるよね。ジューゴ君」
南波刑務所へ向かう途中、15番の資料を貰ったザクロはうっとりした表情をした。
資料にある15番の顔写真を見た時、彼の首にある黒い枷にゾクゾク感じた。
自分と同じ枷を付けられ、自分が何者で、化け物にされたことに人生を狂わされて、途方に暮れているこの気持ちを理解してくれる存在にもうすぐ会えることに。
「もうすぐだよ。もうすぐ君に会える」
自然と口元が緩くなり笑みを零しているザクロに、近くに座っていた一角は足を組みながら眺めていた。
「気持ち悪いくらい機嫌がいいな」
「うん。だってやっと会えるんだもん」
資料を口元に当て、ふふっと明るい笑顔を見せるザクロに一角は軽く息をこぼす。
「熱愛だな」
「一角だって久しぶりに会える楽しみにしてるんでしょ?」
「……まぁな」
少し間をあけての素っ気ない返答だったが、声色的に嬉しそうに聞こえたザクロはまたニッコリと笑った。
「でも、ジューゴ君はボクが助け出すから邪魔しないでね。一角でも邪魔した時は容赦しないから」
笑顔から一気に冷たい表情に変え、いまにも人一人殺せそうな殺気の瞳でザクロは一角を睨む。
きっと相手が一角ではなかったら腰を抜かしているかもしれない、そう思いながら一角は鼻で笑った。
「はっ!テメェだって俺の邪魔するんじゃねーぞ」
「わかってるし。それにジューゴ君以外は興味ないも〜ん」
そう言ってザクロはもう一度資料を眺める。
「早く会いたいなぁ」
どんな声なのか、どんな仕草なのか、何もかもが気になる存在であり、ザクロは今か今かと会える時を考えていた。
だが、現実はそう甘くなかった。
「いやだ。俺、お前の事嫌いだし」
付き放たれる拒絶の言葉にザクロはショックを受けていた。
本当は会った時は普通に挨拶をするつもりであった。
だが、監視されている今ではそれが出来ず、監視されている間はフリとして出会って早々攻撃し、さらにジューゴの腕に怪我をさせてしまったことにザクロは心苦しかった。
後で必死に謝ればきっと許してくれる。そう必死に願掛けしながら。
それでもやはりジューゴの態度は変わらず、ザクロは焦りながらも弁解し、手を伸ばすと弾き飛ばされる。
「さわるな」
「……っ!」
ザクロを見つめるジューゴの瞳は拒絶の色をしており、その瞳にザクロはぐっと唇を噛み締める。
「やっと……会えたのに」
口の中が血の味に染まるが、ザクロは気にしなかったし痛みも感じなかった。
むしろ胸あたりがズキズキと痛く感じ、これがなんなのかわからず胸元あたりに手を当て、ぎゅっと力強く握り締める。
「じゃあ、無理矢理にでも連れていく……話し合いはそのあとでいいよね」
そう言ってザクロは一歩足を前に出し、瞬時にジューゴの前に立った。
一瞬で目の前に現れことにジューゴは後ろに下がろうとするが、その前にザクロに両頬を掴まれ逃げられなくされる。
「教えてあげる。ボクがどれだけ君を探していたか、どれだけ君のことを考えていたか。全部全部教えてあげる。だから―」
ボクの事を知って、ボクを愛して―
小さく呟いたザクロはジューゴの顔を引き寄せ、唇を重ね合わせた。
ファーストキスはレモンの味だという言葉があるが、ザクロにとってファーストキスの味は血の味だった。
それでも唇から感じる柔らかさと温かさに、ザクロは嬉しい感情が沸き上がり、自然と目を瞑りその体温を味わった。
END
2018/04/29
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