藤堂平助 トリップ
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現実の世界では新撰組の歴史とかゲームとかやってたりやってなかったりする夢主です
鬼の力は基本的にない方向ですが、あったりする場合もあります
一応帰る方法とか、探っていますけどある程度親密度を上がったら話しているでしょう
新撰組の人たちは嘘ではないし疑ってもないのでしょうが想像できないって事でそんな感じです
あと家族関係の話になっちゃうので意図的に避けています
オリジナル設定はその都度説明を入れる形にして行きたいと思います
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新撰組の都合で監禁されてる名無しは
時間を追うごとに新撰組に慣れて監禁されてるのを忘れてるんじゃないかと思うくらい自由に暮らしている。
土方さんの部屋をお掃除するとか行って書き損じをもらってはその書き損じやいらなくなった手紙でたまーにお絵かきするので見せてもらおうとするけどごっちゃりしててよくわからない。
紙屑買いに売ることもあるからあまり手に入れることもできず
紙を大事に真っ黒になるまで描いたら満足して捨てているようだ。
人物は描かないのかと問うと苦手だからと言って、屯所内の建物ばかりを描いている。
奇跡的に真っ黒になる前にのぞいたらそっくりそのまま綺麗に景色を書き写していて感心した。
浮世絵師になれるのではと言ったけどまだ自信がないとの一点張りで謙遜していた。
今日もこっそり部屋を覗きに言ったらなにやら怪しい動きをしてた。
『おい?』
『ぁあっ藤堂さんなんの御用ですかっ』
声が上ずっていてかなり怪しかった。
問い質しても話を逸らされまくって胸の中がモヤモヤする。
本人があんまり言いたがらないから聞き出さなかったけど何か悪い事していたらだめだし探ってみるかと最もな理由をつけイタズラ心を陰に隠して部屋を留守にしている時を待った。
『名無し…っといない?いないのか…なら…』
俺は腰を落として低姿勢で怪しい動きをしてた所を探る
名無しの部屋は借りてきた本数冊と下着それくらいしかないいやそのまとめて置いてあったから下着は不本意で見たので不可抗力として落とし込む。
『決してやましい気持ちなんてないない…』
引き出しの奥の方にまだ紙が板沿いに立ててあって頭を突っ込んで覗かないとわからないようになっていた。
『なんだあいつ…まさか隠れて文通してるんじゃ…?』
新撰組のことを書いてる密書かと思い手を伸ばして数枚取り出すと確かに新撰組のことを描いていたがしっかりした人物画ばっかだった。
見た瞬間、後ろ髪を引かれる気持ちだったけど目が紙から離れない
『苦手ってなんだよ。うまいじゃん……』
自然と口がにやけてしまう。新撰組の幹部を描いているには描いてるけど圧倒的に俺を描いてる数が多い。
嬉しい反面むず痒い気持ちになる。
『こんなにうまいのに隠すようなもんか…?』
芹沢さんがいた頃には龍之介という絵師がいたけどそいつもあまり絵を見せてくれるたちではなかった。
『あいつ…元気にしてっかな…』
そういや良く観察しないと描けないとか言ってたような…。気がつかないうちに頬が熱くなる
なんだか龍之介の事を思い出して感慨に耽っていたら誰かの足音が聞こえてきた。
俺は慌てて紙を懐にしまい部屋から出て行く。
間一髪で襖を閉めたら名無しが帰ってきていた。
『あれ?平助。私に何か用?』
目が合わせられなくて泳ぎながら頭をかく,
『あっいやさっ。最近お前の調子どうかなって』
『元気だよってか昨日もあったじゃん。』
『あぁそうだな。元気で良かったーあー良かった良かった』そういいつつ部屋から離れる。
『藤堂さんなんかおかしい…!』
『はぁ?俺の何処が怪しいんだよ。屯所1怪しくない人間だぞ俺は。』
冷や汗をかきながらも舌を回す。
『怪しい。そんなこと言う時いつも何かしてるもん。』
『なんもしてねーって!俺の目を見ろって』
しんぱっつぁん並みに情けない言葉を発してしまったけどどうにもできねぇ。
『もしかして部屋に入った…?!』
『入ってねぇ!俺がそんなことするような奴に見えるか!?決してなんか見たりなんかしてねぇからな!』
『え!?なにそれ!!!絵をみたの?!ねぇ?!』
かつてないほどの焦りからか涙目になっている名無しを見てしまったと思ったが時すでに遅し。
『見てない見てない!なんも見てない!』
大きな音を立てて名無しは隠していたところを確認して悲鳴をあげる。
『藤堂さん返して!!!』
初めて名無しに服を掴まれる。
『別にいいじゃん上手いんだしさ?』
隠しとうせないので手のひらを返す。
『良くない良くない!!!返して!返して!』
手荷物検査のように手でパンパンされる。
ただ胸元だけは触れられず、懐に隠したことはばれなかった。
『何処にやったの!返して!もうこんなことなら捨てれば良かった!返して!』
顔を真っ赤にして今まで見たことのない焦りを見せて取り乱している。
『そんなに怒んなくていいだろ!上手いんだから自信持てよ!』
返さないといけないのはわかっているがなんでか返したくない気持ちの方が優ってしまう
『〜〜〜っそう言う問題じゃないのー返して〜』
『なんでそんなに見られるのやだなんだよ。描かれてるの俺なんだからいいじゃんか』
『あわあああわあわそうだけど?!そうだけどっうう』
『俺を描いたんだから!だから俺が貰う。』
『やだやだ!恥ずかしいから返して!』
『俺を描いたのが恥ずかしいのか?』
『そうじゃなくてそうだけどそうじゃなくて…』
だんだん本格的に泣き出しモードになられると男としては折れないといけない気持ちになる。
『わかったよ返すから泣くな返すから』
逆ギレ気味に懐から手を突っ込んで紙を返す。
俺の手から奪うように紙を取り隠す名無しは半泣きだ。
『…嫌なことして悪かったよ。でも俺を描いてくれてるんだから少しは見る権利くらいあるだろ?』
『ぬ…そうだけど…そうだけど…無理なものは無理…』
顔を真っ赤にして拒否を示す
『そっ…その勝手に描いてごめんなさい…気持ち悪いよね…もう描かないから…』
目をこすりながらくぐもった声で言われる。
『なんで気持ち悪いんだよ。俺はうまく描いてくれて嬉しかったぜ?』
何をそんなに滅入っているのか理解できない。
『本当…?』
恐れを持った目をしつつやっと目線を合わせてくれた。
『本当本当。上手いから自信持てって。』
『うん…』
名無しの頬が緩み紙を手で更に包み込む。
機嫌が直ったのだと思って手を差し出す
『じゃあその紙くれよ』
『だめ』
『なんで!?』
『それとこれとは別なの!私が恥ずかしいの!』
若干子供ぽい口調になってきている。
『いいじゃん一枚くらい。ケチ。』
『ケチじゃない!一枚もだめだからね!』
しゃがんで抵抗の意思を示し出した。
そんなことされたら逆に追いたくなる。
『な?!やめって!』
とりあえず腕を退けようとしたが馬鹿力で抵抗される。
『一枚くれたらやめてやる!』
錆び付いた扉をこじ開けるように徐々に開くがさっと懐の中に隠された
『あっずりぃ!』
『ふふーんこれで取れないもんね』
胸を張って紙のある場所を見せつけてくる。
さすがに女子の懐に手を突っ込む事は男としてできない。というよりそんな勇気はない。
ここまできたら引っ込められないのが江戸っ子たるもの。
絶対手に入れることが目的になったらやるしかない。
『ええい!男同士ならなんもおかしくない!!!』
『え!?藤堂さん!?』
顔色変えて怯えたがもう遅い。俺の腕は迷うことなく名無しの胸元に伸びる。
寸前で理性が働く。やっぱりこいつのこと女として認識しまう俺がいる。
胸を抱いて隠す名無しは俺が怯んだ隙に急いで部屋の中へ逃げた。
『えっち!変態!スケベ!』
障子越しに言われる。普段言われ慣れてないから焦る。
『なっ!?お前から言い出したんだろ!』
『だからって普通するっ?!!!』
『そこに入れておいてなに言ってんだよ!』
馬鹿力比べて障子をガタガタ言わせながらこじ開けていく。女に負けるとは思ってないけどやっぱり力強いこいつ。
力比べを諦めたのか逃げようとしてこけたところを狙って俺もすかさず部屋に入って捕まえる。
(一瞬だけ一瞬だけなら大丈夫)
上から乗って動けなくしたら紙を探るように腕を忍ばせた。もはや紙を取るまで止まれない。
『んっ…!?やめっっ…!』
お願いだから変な声出さないでくれ、急いて這わせて紙をぶんどるとびりっと嫌な音がした
『あっ……』
『破れちゃった。』
背筋がヒヤリとしてなんとなく間が空く。
『えっと…ごめん…』
『?別にいいよ、捨てようと思ってたし』
『はぁ?捨てるなら素直にくれればいいじゃんか…破ちっちまったじゃん…』
『その前に背中から退いてよー』
『おっおう…』
よく思えば今の体制やばくないか……
急に恥ずかしさが込み上げたけど、紙を破ってしまった罪悪感の方が強くて混乱して来る。
『はぁ…わかったよ。もっと上手に描けるようのなったらあげるよ』
名無しは体を起こしてこちらに向き直る。
なんともなさそうな顔をしているがきっと悲しいはずだ。
『ほんとか?』
『保証はないけど…多分…』
『じゃあ俺待ってるよ。』
『えー?盗んだのに?』
ニヤリと笑われる。すっかり忘れてたことをぶり返されて腹立つ。
『ちょっと確かめるだけだったんだよ。名無しが怪しい行動するから…』
『……ふーん。』
『あっそういうわけじゃなくて、俺は名無しの事は疑いたくないから……ごめん……』
『いいよ。藤堂さんだから許してあげる』
どきりとする。なんで俺だと許してくれるのだろうか。
なぜそれだけ信用してくれているのか俺にはわからない
『あーもう藤堂さんのせいで疲れた。』
ゴロンと横になる名無し。女ってこんなもんだっけという疑問も慣れてしまったらどうも思わない。
『ちょっと寝るね…おやすみ』
小さくなって顔を隠して目の前でねやがる。
人前で幹部の前で寝るほど神経図太くなるとは思わなかったなぁ。
俺は破れた紙をそのまま懐に入れる。
やぶれてても別に俺は構わない。
というか捨てにくい。
寝てる名無しの前にいたら幹部にどう思われるかとか考えたけど俺も疲れたから思考停止して腕を枕にして横になって天井を見上げる。
ちょっとしか見れなかったけどよくよく考えたらそれだけ俺の事を見てくれているってことがわかって胸がかゆい。
思いを馳せてるのは俺だけじゃないって思ってもいいのかな…
モヤモヤしつつも言葉に表せない環境においてる俺たちには随分自分勝手なのだと思う。
だけどいつか。いつか答えが聞けるほど平和になったら。俺は言葉にしようと1人で願った。
end