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おはなし



*付き合ってる世界線



「……………」
「……………」
無言かよ。やったー勝った、と拳を突き上げてやろうと思ったんだけど、やめといて正解だ。
弁当は負けず嫌いだ。そもそも基本が好戦的ではないし、どちらかというと周りに譲りながら生きているので影に隠れがちだけれど、負けたとなるとむっとするし、なんならしばらく引きずるし、もう一回の圧をかけてくる。それが顕著に現れるのはゲーム関係で、弁当が得意だからってのもあるのかもしれない。あとは前に、道で叶橋に会った時ちょうどあいつが犬連れてて、彼女の犬の散歩だって言ってたんだけど、何故か犬が俺の方に突進してきた時もむっとしてたっけ。弁当は動物に好かれて、俺は動物に嫌われるので、なんでだよって思ったんだと思う。ただその突進は俺を噛むための助走だったので、その後すごい怖かった。やっぱり嫌われてんじゃねえか、ってなった。怪我こそしなかったし、弁当も落ち着いた犬にじゃれつかれて忘れたっぽかったけど、あの時あの瞬間、あっ弁当拗ねた、ってのが俺でも分かるぐらい雰囲気が変わったのはよく覚えている。今もそう。もうそっち見なくても分かる、めっちゃ拗ねてる。
「……………」
「……もっかいや」
「やらない」
「はい」
やる?って聞こうと思ったんだけど、食い気味で拒否られた。こっち向きもしないじゃん。やってたゲームはこう、すごろくみたいなパーティーゲームで、その中のミニゲームで遊んでたんだけど、弁当がどれやっても強くて勝てないから、俺は自分が一番得意なやつを指定して、じゃあこれで勝った方が勝ちな!と啖呵を切ったのだ。弁当は自分が負けるわけないと思ってたんだと思う。
俺はゲームの中ならリズムゲームが得意だ。どちらかというと、得意寄り。それかUFOキャッチャー。なんだけど、弁当はリズム感がないので、リズムゲームは苦手だ。ゲーム全般が得意な中での苦手なんだから、別に下手くそじゃない。けど、まあ、俺が勝ってしまった。言っちゃ悪いけど圧勝だった。三回戦にしようって設定も決めて、ストレートで勝った。ミニゲームの中から音に合わせてボタンを押してくリズムゲームを選んだのは俺だけど、弁当もそれでいいって言ったし、一回だと負けそうで悔しいから三回勝負にしようと駄々をこねたのは俺だ。弁当は、しょうがないなあ、って感じで了承してくれた。しかしながら結果としては俺の勝ちなのである。三回中三回勝ってしまったので。
「……………」
「……べんと?」
「……なに」
あ、返事はしてくれるんだ。たっぷり間は置かれたけど、こっちを見てもくれないけど、答えは返ってきた。すっごい拗ねてる。横からしか見えないが、ぶすくれた顔をしている。いつもそのぐらい素直になってくれてもいいのに。正面から顔を見たくて回り込んだら、身体ごと後ろを向かれた。拗ねている自覚はあるらしい。
しばらくしつこく顔を見ようとしたけれど、最終的に蹴飛ばされたので諦めた。見たかったけどしょうがない。財布をポケットに突っ込んで立ち上がれば、後ろを向きっぱなしのままぴくりと肩が動いた。
「アイス買ってきてあげる。なにがいい?」
「……なんでアイス」
「有馬家では勝負事に勝った人がアイスを買ってくる決まりだから」
「……普通この状況で行くなら俺でしょ」
「それだと罰ゲームみたいになっちゃうだろ?そうじゃないの。なに食べたい?」
「……………」
「いつものやつでいっか」
「……ぉ、あの、……」
「ん?」
「……なんでもない……」
なんか言おうとしたっぽかったけど。なんでもない、の後はだんまりになってしまったので、じゃあ適当に買ってくるから、と背中に投げかけて玄関へ。一応夜だし、その辺にかかってた服を羽織って、なんてやってる間も無言だ。そういえばゲームはつきっぱなしだったので、ずっと流れている明るいBGMが虚しい。靴を履いている間も弁当からの応答はなく、背後で玄関の扉が閉まった音を聞いて、ぷっつりと気が緩むのが分かった。うっかり出そうになる声を飲み込む。いつもだったら鍵閉めてくれたりもするけど、テレビの前から動こうとしなかったし、自分で閉めるか。がちゃりと鍵が回って、一人うなずく。
なにあれ、めっちゃかわいくない?
いやだって、超拗ねてたじゃん。しかも、ゲームで負けたぐらいで。普通だったら、っていうか、昔だったら、ああいう様は弁当の幼馴染がよく見ていたはずなのだ。そういう感じにはしょっちゅうなってたけど、ほんとめんどくせえよな、あいつ。っていう話を聞きながら、俺は心のどこかで「仲良くていいなあ」「そこまで心を許されるようになりたいなあ」なんてちょっと羨ましく思う、というのが常であったはずだ。だがしかし、今のこれ。俺にもある程度心を開いてくれた証拠ではないだろうか。しかもめっちゃ拗ね倒してんのに、それを全然隠しもしてないくせに、でも見られたくないって感じでそっぽ向いてたのとか、超かわいいんですけど。めんどくせえ、と言い切った航介と、それに対して一切反論せず無言で肯定していた朔太郎に、そんなこたないだろう、と俺はずっと思ってきたわけだ。いや。もうめんどくさい。あの拗ね方はめんどくさい。ただ、しっちゃかめっちゃかにめんどくさいのに、ぶすくれて拗ねてるところを見せてくれてるって事実が嬉しいし、なによりかわいい。割といつも他人を優先して、自分のことは後回しで一歩引いてる弁当が、「は?なに?全然納得いかない」って顔をして、あからさまに不貞腐れている事実。なんなの?もうかわいいんですけど。むしろ感動で泣いちゃうんですけど。
とか思ってる間に、コンビニに着いた。ちょっと寒い。弁当は俺のことを寒さを感じない人間だと思っているけれど、一応弁解しておくと、寒いかどうかはさすがに分かる。寒いからと言って、上着を着ようとは特に思わないだけだ。だってもこもこするから動きにくいじゃん。
さて、なに買って帰ろう。この場合は、なにを買って帰ったらあのかわいいわがままちゃんは機嫌を直してくれるだろうか、という今まで直面したことのない問いにぶち当たっている。恐らく本人も、無駄に意地張って拗ねてしまったことをよく分かっているので、こっちを見なかったし変な間を置いて喋っていたのだ。居心地が悪そうだった。俺に対してあからさまに拗ねてやろうという気持ちと、そんな姿を見せて申し訳ないという気持ちが、混ざってる感じ。だったらまあ、弁当が諸手を振って「これがあるならしょうがないなあ」と言えるぐらいのレベルのものを買って帰ったら、いいのではないだろうか。そのレベル、すげー低そうだけど。一人にしちゃったから、我に帰って申し訳なさに負けてそう。連れてきた方が良かったかな。でも、俺と無理やりいさすのもかわいそうだったしな。あー!めんどくさいなあ!かわいい!
とりあえず甘党相手なので、当たり前のようにスイーツコーナーに来てしまったが、どうだろう。プリンもあるしゼリーもある。ケーキもあるし、シュークリームも、クレープも、パフェもある。なんならカットフルーツもある。二周ぐらいスイーツコーナーを全部見て回って、新発売って書いてあったパフェを手に取った。うまそう。黒ごま?のなんからしい。ちっちゃいおもちみたいのも入ってる。とりあえずこれは買おう。
アイスを買ってくるという話で出てきたので、アイスも買わなければならない。弁当に「しょうがないなあ」を言わせるための手札は多いに越したことがないので、パフェもちゃんとあげるけど。想像できるもん。こう、ちょっと渋々みたいな感じで、でもなんか申し訳なさそうな雰囲気もありつつ、だけど拗ねてるの引きずってる弁当が「……別に怒ってないし……これも欲しくないし……」ってぼそぼそ言いながら俺からビニール袋を受け取り、無言で目ぇきらきらさせながら甘いものに囲まれて食べてるの。多分現実になる。アイスコーナーを見回したけれど、時期柄なのか、時間帯なのか、そんなに充実はしていなかった。ふむ。
しばらく迷って、うしさんのマークがついてるやつが美味しそうだったので、それのチョコクッキー入りのやつをカゴに入れた。濃厚!って書いてあるから、濃くておいしいんじゃなかろうか。よくわからんけど。レジを待っている間に、あんまんが大改良!プレミアム!みたいなポップも見てしまったので、それも買った。弁当は甘いものが好きだけど少食なので、一つを半分ずつにするぐらいでちょうどいいだろう。ていうか、あんまんのなにを大改良したんだろう。あんこかな?
「……あっ!?」
「……………」
「なにしてんの!寒いだろ!」
「……寒くない……」
「ばか!」
コンビニを出て二歩歩いたら、電信柱の影に弁当がいた。しかも、足元はちょっと玄関先で宅配便とかの応対する用のサンダルだし、ぺらい部屋着しか着てない。俺が着てたパーカーを、まあこれもあまり心許ないけど、と思いつつ無理やり着せたら、さむくない!と抵抗しながら包まっていた。寒いんだろ。顔色白いよ。いつもだけど。
「なにしてたの」
「……………」
「帰ろ」
「……うん」
「どしたの」
「……………」
どうやら質問には答えてくれないらしい。これはもう、俺の推理力が問われるな。ぺたぺた、ざり、とサンダルの音がして、これ履いてるってことは相当急いで飛び出してきたってことだろう、と当たりをつける。
「俺が忘れ物をした!」
「……したの?」
「……してない……財布も鍵も持ってる……」
「……………」
「え?じゃあなに?家が火事になったとか」
「なってない」
「……靴が壊れた!」
「違う」
「もう分かんない。あんまん食べようぜ、冷めちゃう」
「……………」
あ。今、「まったくもう」って顔した。ふっと力が抜けた、ような感じ。あんまんを割って渡せば、普通に受け取られた。うん。諦めたっぽいし、答えてくれるかな。とりあえず一口頬張ったら、あんこはおいしかった。おいしいけどなにが変わったのかまでは分かんないな。半分だから、すぐ食べ終わりそう。
「なあ、どしたの?」
「……勝ったのに行かせるのは、やっぱりちょっと、と思って」
「いいっつったのに」
「追いかけたけど、追いつかなかった」
「連絡してくれりゃよかったじゃん」
「……そこまでじゃない」
「でも弁当外で一人で待ってたろ?寒かったのに」
「……………」
ふる、と首を横に振られて、無言になる。今日はほんとにとことん意地っ張りだな。家着いたら、お風呂あっためて入れるようにしないと、風邪引いちゃうよ。弁当薄着だし、ただでさえ肉ないのに。もそもそとあんまんを頬張っている、反対側の手が空いていたので、そっちに回り込む。びくりと肩を跳ねさせた弁当に拒否られる前に手を取れば、当たり前のように振り払われかけたので、無理やり指を絡めた。
「なにっ、して、離して」
「寒いから嫌です」
「寒くない!」
「俺が寒い」
「ぐ、じゃあ、これ、返すからっ」
「アイス明日にしてパフェ今日にするか、お風呂入ってからアイス食べて夜更かししてパフェも食べちゃうか、どっちがいい?俺はどっちでも、あ、や、アイス食べてからパフェにしよっかな」
「は、えっ?なに、え?」
「だから今から帰って風呂入るだろ?そんでアイス食べてからいろいろして、いろいろしたら腹減るだろうからパフェも買ったからそれ食べて歯磨きして寝るの方がいいかなと思ったんだけど」
「……はあ?」
「だからあ!」
俺がわあわあ言ってるうちに、機嫌は直ったらしい。手も振り解かれなかったし、家に着くまでには笑ってくれた。
だいじょぶだよ。俺は弁当のこと、嫌いになんてならないから。







どうしよう。どうしようっていうか、いや、絶対怒らせた。変な態度をとった俺が悪い。
なんかゲームしてたら、有馬が三回勝負って言い出して、俺があんまりやらないタイプのミニゲームだなあと思いながらやってたら案の定あっちが勝って、別に、有馬に負けたことがすごく悔しかったとかそういうわけじゃないんだけど、そのはずなのに俺が負けてふてくされたみたいになっちゃって、引っ込みがつかなくなった。明らかに気を使ってる感じで、「有馬家では勝った方がアイスを買いに行く決まり」みたいなこと言って、出てってしまった。俺も行くって言おうと思ったんだけど、いや来なくていいんですけど、むしろ邪魔ですけど?ていうか一人にしてほしいんですけど、と断られてしまったらどうしようって怖くなって、喉から声が出なかった。
もう、なんでいつもこうなんだろう。うまくできない。甘えたいなら片意地張らずに素直にそうすればいいのに、ちょっとぐらいわがまま言ったところで有馬は呆れたり見放したりしないのに、っていうのはよく分かってる。別にそこを疑うつもりはなくて、有馬のことは信用しているのだけれど、どうしてもうまくできない。さっきだって、ちょっとあからさまに拗ねてる自分が分かったから、それを踏み台にして腹を曝け出せばよかった。そうしたら、ってその後を想像することは容易いのに、現実の俺はつっけんどんに変な態度をとって、気を遣わせて、挙句に家から追い出した。酷い。流石に、怒ってると思う。ゲームで負けて態度悪くなるだけならまだしも、いやそれだって相当子どもっぽいけど、飽き足らず気を揉ませて使いっ走りにしているわけだから。有馬はあんまり怒るのが得意じゃないから、変な感じになる前に出て行ったんだと思う。俺よりよっぽど感情の制御が上手い。負けて悔しかったなら、もっと普通に悔しがってれば、有馬も勝った優越感に浸れたかもしんないのに。なんでこう、うまくいかないんだろう。
とにかく、謝ろう。有馬が出て行ってからはそんなに時間が経っていない。鍵だけ持って、適当なサンダルを引っ掛けて外に出る。角を曲がる背中が見えた気がして、急いで玄関の鍵を閉めた。小走りに追いかけて覗いた先には誰もいなくて、でもコンビニって言ってたからこっちで間違いはないと思う、と探しながら歩く。暗い道では見つからなくて、鼻を啜って早足になった。謝らなくちゃ。変な風になってごめんって、悔しかったからもっかいやろうって、アイスは俺が買うからって、言わなくちゃ。ぐるぐると頭の中がそんなことでいっぱいになっているうち、コンビニの前についた。ちょうど入っていく背中が見えて、ああ追いつけなかった、ってぼんやり思って、後をついて行こうと思ったけど、行けなかった。
嫌がられたら、どうしよう。一人になりたくて出て行ったのに、俺がついてきたら、意味ないんじゃないか。でも謝らないと、とはたしかに思うのだけれど、そんなの家でだっていいじゃないか。なんでついてきちゃったんだろう。ぶるりと背が震えて、足の爪先が痛かった。きっと、自分が家に帰ってくる頃にはあっちも気持ちの整理をつけてるだろうと思って、有馬は出て行ったはずだ。それが、あとから追っかけてきたら、は?まだなんか文句あるの?と思われるかもしれない。家で待ってれば良かった。今から帰って、ずっとここにいましたって顔を取り繕うのは、間に合うだろうか。意味もなくポケットに手を入れたけれど、鍵しかなかった。スマホも財布もない。なにしに出てきたんだ。電信柱の影に隠れるようにしながらまごまごしていたら、声がした。
「……あっ!?」
あ、間に合わなかった、見つかった。とっさに背中を向けたのに、なにしてるんだと大声で言われて、向かい合わせに回り込まれた。謝らないと、謝りに来たんだから、と思えば思うほどうまく言葉が出なくて固まる俺に、有馬がパーカーを被せてきた。寒いだろうという問いかけには、寒くないとちゃんと答えたのに。これを被せられてしまったら、有馬の方が寒いに決まってるのに。もごもごと抵抗したけれど、適当にいなされて上着を着せられてしまった。
「寒くないっ」
「いいから!」
「う……」
残った体温が、ちょっとあったかい。なにしてたの、と聞かれて、まだつっかえる喉はうまく動かなくて、帰ろうって言われたのに肯定を返すのでやっとだった。普通に言えばいいのに、謝りたくて追いかけてきたって。でも、どうしよう。わざわざいつも通りに接してやってるのになんで蒸し返すの?とか思われたら。「どうしたの」に答えを返さない俺に、同じように有馬は黙り込んでしまった。なんか言えよって、思われてんのかな。だから早く謝らないと、でも。
「俺が忘れ物をした!」
「……したの?」
「……してない……財布も鍵も持ってる……」
唐突に言われて、撤回された。しょぼりとしょげた有馬が、再び顔を上げて難しい顔をする。まさか、俺がなんで追いかけてきたかを、考えてる?えー、じゃあなに、と漏らして、人差し指を立てた有馬がこっちを見る。
「家が火事になったとか」
「なってない」
「……靴が壊れた!」
「違う」
「もう分かんない。あんまん食べようぜ、冷めちゃう」
はい、と半分に割ったあんまんを渡されて、気が抜けた。謝りたかったのに、うまく謝れなかったのに、そのことを責めもしない。むしろ、そうしないことが当たり前みたいな態度で。あんまんを受け取れば、にんまりと嬉しそうに笑われた。なんか、変な風に躓いてた自分が、馬鹿みたいだ。あんまんはまだあったかくておいしかった。自分の指先が冷え切っていたのがよくわかる。ぱくぱくと食べ進めていく有馬が、再び聞いた。
「なあ、どしたの?」
「……勝ったのに行かせるのは、やっぱりちょっと、と思って」
「いいっつったのに」
今、謝ろうと思ってついてきた、って言えばよかった。とは、少し思ったけれど、結局謝れていないのにそれを言うのは、些かずるい気がした。追いかけたけど追いつかなかった、と付け足せば、連絡してくれればよかったのに、なんて返されて、連絡手段が手元にないことをなんとなく隠したくて誤魔化した。そこまで焦って飛び出してきたと思われるのも、なんだか。
もそもそとあんまんを食べていたら、ぱっと空いていた方の手を取られた。移動したのは見えてたし、突然動いたから驚いたけど、これがしたかったとは思わなかった。振り払う前にぎゅうっと指を絡めて握られて、ぶんぶん振り回して離そうとしたものの、全然意味なかった。寒いから手は離さないと言われたので上着を返そうとした俺に、アイスがどうたら、パフェがどうたら、お風呂だの明日がどうだの夜更かしだの、と有馬が捲し立てた。
「は、えっ?なに、え?」
「だから今から帰って風呂入るだろ?そんでアイス食べてからいろいろして、いろいろしたら腹減るだろうからパフェも買ったからそれ食べて歯磨きして寝るの方がいいかなと思ったんだけど」
「……はあ?」
「だからあ!」
今日の、これからの話。どうしたいかを捲し立てられて、つい笑ってしまった。いつもこうやって、助けられてばかりで。
お風呂上がりのアイスは、おいしかった。


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