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執着と終着


茶色くなった枯れかけの紫陽花を見て、綺麗だという感想が抱けるような。ひしゃげて腐った足を引きずる死にかけの蜥蜴を見て、可哀想だと口に出せるような。そういう奴だ。俺とは違う。俺なら、汚いとか、気持ちが悪いとか、触りたくないとか、そういう感想がまず浮かぶ。そもそもそこから違うのだ。よくよく考えてみれば、上手くいくわけもない。これまでよく持った、とすら思える。
価値観の違う相手を、相談先としてわざわざ選ぶ必要は、俺には感じられない。同意以外の言葉は、ただの蟠りになる。だから、誰にも言わなかった。自分で悩みはじめたことなんだからと、自分で考えて、自分で決めた。自分で決めるなりに、自分の弱さも甘さも分かっているつもりで、前を向ける選択肢を選べるように。
なのに、なんでこうなったかな。

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