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プール



「夏だー!弁当!なつ!」
「……………」
「小野寺、見て。弁当が死んでる」
「し、死なないで……」
「……生きてる……」
「ギリじゃん」
「さまー!梅雨は終わりだー!」
「梅雨明ける前から夏みたいなもんだったけどねえ」
「海に行くぞー!」
「わー、いいねー」
「前も行った」
「……死ぬ……本当に死んでしまう……」
「有馬、4分の2が海には行きたくないみたいだよ」
「じゃあ山だー!」
「虫とかいるじゃん。やだよ」
「……………」
「弁当まだ嫌そう」
「……暑い」
「なんなんだよ!じゃあどこに行けって言うんだよ!」
「夏休み中まで青馬鹿と顔合わせたくないわ」
「伏見はもうどこにも誘わねえからな!」
「弁当だってそうだよね。ねっ、弁当」
「えっ、ん、や、えっ……」
「弁当は俺と一緒に海に行くって今決まったから!」
「それは嫌」
「秒で振られてる」
「かわいそ」
「あ″あ!もう!夏ってゆったらどっかしら行くだろ!」
「冬も秋も春もそれ言ってた」
「プールは?プール行こうよ、大きいやつ」
「混んでるし高くつくじゃんか」
「んー、えっと、あった。じゃじゃん」
「なにそれ?」
「バイト先の遊園地で配ってた、割引券。おっきいプールだよ、すごい長いウォータースライダーが有名なとこ」
「小野寺!」
「うるさ」
「そこに行くことにする!」
「夏の有馬、普段の五億倍うるさい」
「伏見だけ連れてってやんねえかんな!弁当と小野寺と俺で行くから!」
「待っ、プールって、行くとはまだ言ってな」
「わーい!プール!伏見も行こう、ねっ」
「えー」
「……まだ行くとは……」

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