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こわいものシリーズ


「いずるくーん」
「いずるくん?」
「ねえ、いずるくん」
「い、ず、る、くんっ」

「もうやだー!中原くん!上大岡ちゃんと連絡取るのやめてよー!こわいよー!」
「は?」
「君に会うふりをして俺を怯えさせに来てるとしか思えないんだよ!彼は!」
「でも、あっちの大学に三上くらいしか知り合いいないし」
「いただろー!あのキラキラした顔の子!」
「あれは授業が違うから」
「わーん!中原くん俺の彼女なのに俺の精神安定を守ってくれない!」
「彼女じゃねえから」
泣き真似をしてもダメだった。中原くんは冷たい。上大岡ちゃんと中原くんは、あの一件以来ちょこちょこ連絡を取り合って仲良くしているようなんだけど、交換授業で上大岡ちゃんがうちの大学に来るたびに、中原くんに用があると見せかけて俺にちょっかいをかけに来るので、怖いのだ。中原くんにだって怖いものくらいあるでしょう。
「……………」
「……あるでしょ?」
「……うーん」
「あるでしょ!」
「お前とか?」
「えっ……」
「うん……」
「ねえ!?ちゃんと説明して!?中原くん!なかはらくーん!」
「課題やらなきゃ……」
濁したまま会話を終わらされてしまった。やめてほしい。ぞっとする。上大岡ちゃんが登場する前の方が、中原くん俺に優しかったよ!


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