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こわいものシリーズ


「巧くん」
「美里ちゃん」
「律貴くん」
「清楽ちゃん」
「藍麻ちゃん」
「真守くん」

「……マジギレ?」
「マジギレ」
「……あー……」
「たくみくん!りっちゃんが!りっちゃんが泣いてる!」
「……………」
「清楽、やめなさい、お前が今行っても余計喧嘩になるだけだから」
「大丈夫だから」
「大丈夫じゃないから言ってるんだ」
「大丈夫」
「清楽」
律貴くんが過去のことを思い出して顔を覆っている。美里ちゃんがあたふたしている。巧くんが、珍しく真顔で間伸びしてない清楽ちゃんが出て行こうとするのを止めている。現在地、暗くて狭い納屋の中。何故かって、哲太くんが怒っているから、五人揃って避難しているのである。ちなみに、真守くんは学校からまだ帰ってきていない。なんで哲太くんが怒ってるのかはちょっと、全員に原因があるので、なんとも言い難い。
「……ああ……」
「りっちゃん泣かないでえ!」
「……怖え……」
「みりもこわいー!」
「ちょっと謝って来るだけだから」
「清楽!」
「あ?」
「お前の謝るが謝るだけだった試しはないだろうが!」
「うるせえてめえこの」
「あー!わーお!ピー!ピー!」
放送禁止用語が出たので、美里ちゃんがピー音を入れてくれた。ていうか今のままだと、清楽ちゃんと巧くんが喧嘩する。律貴くんの方からは、ついに湿った音が聞こえてきた。いや、わかるよ、哲太くんのマジギレ、ほんとめっちゃくちゃに怖いもんね。
ちなみに、何も知らない真守くんが帰ってきてから、何があったか知らないけど、哲太くんの怒りは多少落ち着いた。さすが末っ子。真守くん、ありがとう。


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