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うみ


「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……や、有馬のこと、置いてったのはこっちじゃん……」
「……当也。そういうことじゃない。そういう問題じゃないんだ」
「……はあ……」
「重要なのは、俺たちが男五人でかき氷を虚しく食べている間に、有馬くんが水着のお姉さんに親しげに話しかけられている事実だから」
「いいなあ」
「いいよなあ」
「航介も小野寺くんも!日和見主義は黙ってて!それだから童貞なんだよ!」
「は!?」
「殺す」
「ほら!いっぱい使ってる歴戦の猛者はすぐ殺意に芽生える!」
「有馬を顔まで埋めてあのお姉さんは俺がもらう」
「一人ずつ分けっこしよ、伏見くん」
「……まあ……三人はアレだし……いいよ」
「ひゅー!」
「……こういう下衆な勘繰りがあるから、そういうのが感じられない有馬に話しかけたんじゃないのかな……」
「夏に海に来てる女なんて男見に来てんだろ」
「伏見くん、それ以上言ったら多分刺される」
「おい丸眼鏡、お前どっち」
「右」
「俺左」
「……おい、朔太郎、伏見と会話してることに喜ばなくていいのか」
「魔法使い予備軍は黙ってて」
「今すげーこいつに死んで欲しい……」
「俺も同じ気持ちだよ、航介。安心して」
「……有馬、早く逃げた方がいいんじゃないかな」
「よし、行くぞ」
「合点承知の助!」
「……あんな仲良くなる?いきなり?」
「女の子の力って怖いね」
「女を侍らせたい欲がすごすぎるだろ」
「伏見最近彼女みたいな人いなかったから飢えてんじゃない」
「朔太郎もだ」
「タイミングが悪い」
「……彼女じゃなくて彼女みたいな人な」
「そう、それ」
「ふしだらだ……」

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