うみ
「おはよ、弁当」
「おはよう、……」
「ん?」
「……有馬は、それ、こないだ俺に言った持ち物、持ってるの?」
「え?だって俺浮き輪とかいらないし」
「鞄見せろ」
「うわわ」
「……すっからかんだ……」
「ねえ、あれ、朔太郎なにしてんの?」
「路線図見てる」
「楽しいの?」
「楽しいんじゃないの」
「航介は?つれてきた?」
「寝てたから置いてきた」
「えっかわいそう」
「てめえらが飲み物飲み物ってうるせえから買ってきてやってんだろ!」
「いった」
「おはよー」
「おはよう!」
「ほんとに来てくれると思わなかった」
「俺だって思わなかったわ」
「航介が来なかったら俺伏見に目くり抜かれるとこだったんだからな」
「なにそのえぐい約束」
「お茶」
「おら」
「ふん」
「ありがとうだろ!?」
「あっ有馬くんだ!おっはよー!ところでマイスイートフェアリー伏見くんは?」
「まだ来てない」
「有馬くんが来てて伏見くんがいないわけないだろ!見てろ!探し出してやるから!」
「いるの?」
「……さっきからいるんだけど、朔太郎が路線図の前にいるの見てあそこに隠れてる」
「ほんとだ」
「あっ逃げた」