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温泉行こうよ



「雪積もってる!」
「有馬くん、立つと死ぬよ」
「よくお湯が冷たくならないね」
「どうなってんだろうねえ」
「お湯の温度がとんでもなく高いんじゃねえの」
「そっかあ、有馬頭いいね」
「今の会話最高に頭悪いけど大丈夫?」
「なんだよー、朔太郎はさあ、自分がちょっとばかし頭いいからって」
「だって俺、実はIQ一億あるもん」
「すげえ!」
「ほらあ!小野寺信じちゃうじゃん!やめろよ、そういう浅はかな嘘!」
「いいじゃん、人の言うこと疑わないってすごいことだよ」
「すごい?」
「近頃の人はみんな相手の言うことなんて疑ってかかるからね、悲しい世の中だよ」
「悲しいなあ」
「もっと暖かくうわああああここから中のお風呂見えるううう」
「わああああ!びっくりした!」
「おほお……伏見くんが笑ってるよお……ちっ、航介と当也邪魔だな」
「いいか小野寺、人を信じちゃいけないってこういうことだ」
「うん……」
「人の良さそうな皮を被った頭のいい人間はみんなどっか脳みそやられてるんだ」
「え?なに?俺のこと?」
「いいえ」
「違います」
「そうなの?でも、えっへへ、伏見くん楽しそうだなあ、可愛いなあ」
「どれ?そんなに見えんの?」
「ほんとだ。ここの窓繋がってたんだ」
「うふふ、伏見くん俺がいない時ばかりああやってにこにこして、おちゃめさんっ」
「なにやってんのあいつら、七三分け?」
「なんであの広い湯船で三人あんな引っ付いてんだろ」
「弁当が危ないからじゃねえの、離れると」
「航介いいなあ、俺と代わってくんないかな」
「さっき怒られてたね」
「だってあいつ伏見くんを怖がらせるなとか言うんだ、航介の顔のが怖いっての」
「そ、そっかあ……」
「小野寺くんも仲良しだよね。いいなあ、俺も高校が一緒だったらな」
「……聞いていい?なんで朔太郎はそんなに伏見に、その、べたつくの」
「え?だって可愛いんだもん」
「あ、そうすか……」
「ああいう女の子が好きなの?」
「えー?別に、そういうわけじゃないよお。ただの興味っていうか」
「そうなんだ」
「確かに伏見くんは女の子みたいに可愛いけ、ど……」
「……なにしてんの、朔太郎」
「ん?うん……首から下隠してる……」
「え、こう?……あー……」
「……うん……」
「……Aかなあ、身長的に」
「C、ないしD」
「でっ、朔太郎それはお前」
「いやいやいや!伏見くんちっちゃいじゃん!でも痩せてないんでしょ!?」
「そりゃ、まあ……」
「希望を持ってD、現実的に考えたらCと見る」
「俺そういうの分かんないや」
「小野寺くん胸に興味ない人なの?」
「うーん、ていうか、実際見たことないし」
「えっ」
「……えっ?」
「え、あ、えっ?」
「小野寺彼女いなかったっけ」
「あー、えっと、彼女っていうか、うん」
「そういうことさせてくれない彼女なの?」
「んんん……」
「嘘だあ!こいつ首のとこ虫刺されみたいになってることあるもん!」
「やってんじゃん!絶対やってんじゃん!」
「非童貞!」
「あー!わあー!もういいよ!俺の話は!」
「え、だって、胸見せてもらえないの……?服着てたらできないでしょ……」
「できるよ、できるけどさあ……」
「やめて!こそこそ言わないで!もういいって言ってるでしょ!」
「分かったよお、伏見くんにおっぱいがあったらの話に戻すよ」
「その話もやめようよ……」
「じゃああれは?」
「……弁当?女だったとしても絶対ねえだろ」
「肉ないしね」
「そんならあっち」
「航介え!?なんでそうなるんだよ!」
「そっか、無理かあ」
「逆になんであんな筋肉質な男でも同じように考えられると思ったの……」
「朔太郎は、B」
「えっ、やだあ。やめてよ、見ないで」
「顔隠すなよ、お前目でかいからいけるって」
「なにこれ、ねえ、なんなのこれ」
「有馬くんはー、……………」
「おい、思いつかないなら言うなよ、悲しくなるだろ」
「もう俺上がろっかな……」
「……小野寺くんは、絶対胸ある」
「ひい」
「俺前に、女の子の胸の大きさと男のあれって比例するって見てさあ」
「なにで見たの?」
「ついったー」
「や、やめて!俺を巻き込まないで!」
「ちょっ、ちょっと、見して、どんくらいのもんなの」
「い、やいやいや!さっきまで普通に一緒に風呂入ってたんだから今更見なくても」
「なんだよ、恥ずかしがんなよ」
「見せてよー、隠されると気になるよ」
「こんな迫られて隠さない奴いないよ!やだ!やめて!下がって!」
「下がるも何も、湯船から出たら寒いし」
「俺上がるから!じゃあね!」
「あっ、待て、逃げんな!」
「置いてかないでよっ、俺も行くー」

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