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温泉行こうよ



「お前も運転できるだろ、やれよ」
「毎日やって慣れてんだから快く引き受けろよ、なんでわざわざ俺が」
「誰が助手席行くの?後ろ三人しか座れないけど」
「誰でもいいんじゃない、航介も場所分かってるみたいだし」
「俺助手席ー!朔太郎ちょっとどいて!俺ここね!」
「痛い!有馬くん痛いよお!それ頭皮だから!」
「後ろ狭いからやだ」
「じゃあ隣来るか?助手席」
「んん……そうしたいけど……弁当も狭いの嫌でしょ?」
「俺はいいよ。ねえ、有馬、朔太郎。伏見が前行きたいんだって」
「えっ、伏見くんは俺の隣だよ。助手席は三人で決めなよ」
「……………」
「……助手席どうする……」
「伏見死にそうな顔してるから前にしてあげてよ」
「後ろ狭いんだよなあ」
「小野寺が助手席に座ってその上から伏見を乗せる、とか」
「それいいじゃん!チビだし!」
「よくねえよ馬鹿死ね、原型留めず死ね」
「いいから早く乗れよ!さみいんだよ!ほら!」
「伏見前行け、もういいから、誰も文句言わないから」
「なんでだよお、俺伏見くんの隣がいいって言ってんのに」
「じゃあ急に前に回り込んだり追っかけ回したりしないって誓える?」
「え?なに?なんのことやら分かりませんね」
「朔太郎お前、あんま酷かったら置いてくからな」
「やだあ、運転手のくせに横暴」
「伏見、そこ座るならちゃんとシートベルト締めろ」
「うん、大丈夫。ありがと」
「あっ狭い、狭いすごいやばいこれ」
「俺乗れないよお、当也もうちょい奥行って」
「え、小野寺もうちょい詰めらんないの……」
「ごめん無理そう、あっ、有馬がちょっと前出たら余裕出来ない?」
「えっ前って何、ぎゃああ」
「あ、座れた」
「うるせえな、何してんだよ後ろは」
「有馬くんが隙間に落ちた」
「はあ?隙間?そんなもんねえだろ」
「ちょ、ちょっと、有馬、動かないでよ」
「苦しい!死ぬ!圧死する!」
「伏見後ろどうなってんのか見える?」
「えー……足元のちょっと空いてるとこに青ジャージが見える」
「じゃあ全員乗れてるな、出発するぞー」
「温泉だー!」
「わあー!」
「有馬そこで吐かないでね」
「んなこと言うならちゃんと座らせてくれよ!人でなし軍団!鬼!」

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