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おしゃべりまとめ



*こーちゃん・まもりくん
「江ノ島先輩」
「……………」
「ねえ、先輩、熊手差先輩」
「……………」
「聞こえてるでしょお!畑野町先輩ってば!」
「……全部違う」
「へ?」
「……なに」
「なにしてるんですか?」
「歩いてる」
「どこへ」
「……次移動教室」
「どうして一人ぼっちなんですか?」
「一人だっていいだろ」
「置いていかれちゃったんですか?」
「うるさいな」
「じゃあ、迷子のおばあちゃんの魔法の杖を探していたんですか?」
「どういう思考回路でそこに行き着いたのか訳分からない」
「違うんですか」
「お前頭悪いだろ」
「がんばってる人にそういうこと言っちゃいけないんですよ!」
「がんばるのと出来るのは違うんだぞ」
「りりむきっす先輩なんか嫌い!」
「なんて?」
「まもりくんはお勉強できてすごいねってお姉ちゃんもお兄ちゃんも褒めてくれます!」
「俺はお前を褒めないぞ」
「ばか!嫌い!」
「どうぞ嫌ってくれ」
「がんばってるのに!」
「生徒会長にでもなったら褒めてやるよ」
「分かりました!なります!」
「お前みたいな生徒会長がいるか」

「なりましたよ」
「……………」
「ねえ。生徒会長、なりましたよ」
「……………」
「褒めてください」
「……………」
「そっぽを向かないでください!先輩!」
「……学年五位以内とかそもそも知らなかったし……」
「なんです?え?聞こえない!」
「人の名前も碌に覚えてない奴のことは褒められない」
「名前なら覚えてます!こーすけ!」
「先輩を付けろ馬鹿」



*こーちゃん・まもりくん
「先輩は将来何になるのが夢なんですか?」
「……なんでそんなことお前に言わなきゃならないんだ」
「俺は、猫を飼うのが夢なんです。今はだめなんです、家族が多いから」
「あっそう」
「家族が減ったら飼えます」
「……なんか違う気がするけど……」
「ねえ、大きくなったらなにになるんですか」
「もう大きい」
「ねええ、せんぱあい」
「うるさい」
「テレビに出るのが夢ですか?」
「目立ちたくない」
「俺、ニュース読む人とかやってみたいです、滑舌いいんですよっ」
「……誰が?」
「俺です」
「……………」
「先輩って時々ものすごく嫌そうな顔しますよね!」
「アナウンサーにでもニュースキャスターにでも、なんにでもなれよ、応援してるよ」
「えっ!応援してくれるんですか!」
「あー、はいはい、応援するする」
「わはー、じゃあがんばります!今から夢はニュースキャスターです!」
「はいはい」
「猫を飼うのは来世にします!」
「はいはい」



*さくちゃん・こーちゃん
「まもりくん、お前がなれっつったからニュースキャスターになったっつってたんだけど」
「……なれとは言ってない……なれとは……」
「録画見る?高校の時の先輩が応援してくれるって言ったって言ってたよ」
「俺じゃない」
「お前だよ。まもりくん、どうしても名前が思い出せないんですけど、って言ってたもん。航介以外に有り得ないよ」
「………………」
「そろそろ褒めてやりなよ。ほっといたらそのうち褒められたさのあまり神様とか目指し出してもおかしくないよ。俺の後輩だよ、それくらいやるよ」
「……そもそもは当也の後輩だったのに」
「はい電話番号」
「……死んでも嫌なんだけど……」
「知らないよ、まもりくんがキャスターなのに歌って踊り出しても。武道館ライブとかしても俺知らないよ」
「……さすがに、そんなことしないだろ」
「航介がそんなことしないとかいうと現実になっちゃうんだから、よく考えて否定した方がいいよ」
「俺にそんな力は無い」
「いやいや、まもりくんについては彼の運命の歯車背負ってる節があるって」
「荷が重い」
「割り切りな」
「無理」
「電話繋がっちゃった」
『もしもし?さくちゃんせんぱい?』
「切って」
「もしもしまもりくん、航介に代わるね」
『きゃー!小滝橋先輩!うれしい!』
「誰だよ……」



*ふしみ・おべんと
「おい」
「……………」
「おいってば」
「……………」
「弁財天当也」
「……なに」
「機嫌悪いなー、なんなの」
「……………」
「有馬が休みだから機嫌悪いの?あのレベルの馬鹿でも熱出すってことに俺はびっくりだよ」
「……………」
「あー、分かった、馬鹿にしないから、ねっ、べーんと、飴あげるから」
「……いらない」
「可哀想だよ、心配だね、後でお見舞いでも行ってやったら?俺家なんか知らないから」
「……迷惑になる」
「嬉しいかもしれないじゃん」
「行かない」
「行けよ!なんでそうやってイベントを避けて通るんだ、根暗童貞眼鏡」
「あ?」
「あー、んん、ごほごほ、なんでもない、お見舞い行ったら有馬喜ぶと思って」
「……行かない。寝てるとこ起こすのとか嫌だし」
「じゃあ弁当が着く前に俺が鬼電して目を覚ましといてやるから」
「やめて」
「いいから行けってのお!青い精神安定剤が今朝から摂取できてないんだから!お薬の時間だよ!もう!」
「ほっといて」
「こっちもほっときたいのは山々なんだよ!」



*ありま・さくちゃん
「有馬くん指どうしたの」
「ゆび?」
「指。ほら、違う、俺じゃない、君の指だよ。なに人の手を取ってまじまじと見てるの」
「指っつうから」
「有馬くん、指、どうしたの、って聞いといて自分の指アピールしないでしょ普通」
「指はねえ、怪我した」
「包帯じゃん。痛そう」
「弁当がやってくれたんだよ」
「当也包帯巻くのうまいよね」
「俺自分でやったら他の指まで巻き込まれ事故したもん」
「どうしたの?切った?」
「火傷した。やかんのお湯引っ掛けちゃって」
「あー、ぷくってなったの」
「爛れた」
「いたた」
「俺あんな火傷はじめてなってさあ、ぐじゅぐしゅすんのな。肌って」
「しばらくちゃんとしないと、気ぃ抜くとまたすぐぐじゅぐしゅになるよ」
「やだ……」
「痕も残るよ」
「すげえやだ……」
「……有馬くんってあんまり怪我しない人?」
「怪我あんましない人……」
「耐性ないんだね」
「やだろ。血とか、普通に考えて」
「でも生きてる証拠だし」
「……朔太郎めっちゃ怪我する人じゃん」
「んー。割と」
「……お大事に」
「うん。……ん?俺今なんでお大事に言われた?有馬くんの指の方がお大事にだよ?」
「俺は俺でお大事にするから……」
「お、おう……」



*おのでら・さくちゃん
「マリオカートしようぜ」
「負けないぞー」
「……小野寺くんだけが、負けないぞって言ってくれる……伏見くんと有馬くんは負けることが分かっているような顔になるのに……」
「朔太郎こういうゲーム強いの?」
「ううん。あんまり」
「じゃあ俺は勝てる。64でめっちゃやったから」
「まじか」
「かかって来い」
「じゃあクッパにしよー」
「俺キノコにする」
「小野寺くんに勝つぞー!」
「一位取るぞー!」

「まじでめっちゃ強い……」
「ふふん」
「初見コースなんだよね?嘘じゃないよね?」
「うん」
「うわー……航介とか当也ともやりなよ。二人とも負けず嫌いだから悔しがるよ」
「えっ、いや、別に勝ちたくてやってるわけじゃないし……」
「なにそれ!?かっこいい!」
「一位を取ったら勝てるだけだし」
「なんだこれ!すげえ!かっこいいぞ!?小野寺くんどうしたの!?」
「あのね。うち、兄がいるんだけど」
「お、おう」
「兄に負けっぱなしだったの、ずっと」
「かわいそう」
「でもそこで兄ちゃんが、勝とうとするから勝てないんだぞ、でも一位になろうとしたら何でか分からないけど他の奴にも勝てるんだ、って教えてくれたんだ」
「……うん……?」
「俺もよく分からなかったんだけど、一位になるように頑張ってみたら、兄ちゃんに勝てた」
「……そうか……」
「どうして勝てるか分かった?」
「小野寺くんの家には、不思議ちゃんが他にもいるってことは、分かった」
「なんて?」
「君のそういう、嫌にぞっとするところ、俺は好きだよ」
「うん?ありがとう?」
「もう小野寺くんとマリオカートはしない」
「なぜ!」
「闇が垣間見えて怖いから」



*ただよしくん・まもりくん
「あっ、航介の後輩」
「あー、えーと、かっこいい先輩」
「やだー、照れる」
「さくちゃん先輩はいますか?」
「職員室にさっき行ったよ。どうしたの?」
「もずくちゃんから伝言を一昨日預かったのを伝えるのを忘れていて、叱られたので伝えに来ました」
「伝言ゲームしようか。俺聞いてあげるよ」
「だめです、今度しっかり伝えられなかったらジョウロでおへそを洗うって脅されました」
「……それは怖いのかな……?」
「怖いですよ!ジョウロで、しかもおへそですよ!?恐ろしい!」
「きっとそのもずくちゃんとやらも、君がそんなに怖がってくれるなんて思ってもみなかっただろうよ」
「えーと、先輩は、お名前なんでしたっけ」
「都築忠義です、後輩くん」
「はああ、砧真守です、つじゅ、づっ、き、先輩」
「ただよし先輩でもいいよ」
「だめです!」
「なにゆえ」
「人の名前はきちんと呼べって、柿崎浦先輩に言われています!あと先輩にはきちんとしろって!」
「おー、これが噂のやつか」
「はい?」
「こうのうら先輩」
「誰ですか?」
「柿崎浦先輩」
「誰ですか?」
「こえー!うける!めっちゃ面白い!ちょっと航介呼んでくっからここで待ってて!」
「ちゅ、じゅっ、き、えーと、かっこいいせんぱい?」
「待ってて!お願いだから!お願い!」
「はあ、あー……行っちゃった……」



*たくみ(30)・りつき(27)・こーちゃん(19)
「……………」
「……そんなにじっと見てんなら声かけろよ、怖えよ」
「……人違いかもしれない」
「あれ真守の先輩だよ。俺見覚えあんもん」
「うちに来たのは何人かいただろう」
「あんたが一番気に入ったのは糸目の餃子の時の子だろ?そいつだよ。絶対そう」
「どうして絶対なんだ」
「俺頭悪いけど記憶力はいいから。ほらあ、見つめてる方がきもいって」
「……後輩の兄に声をかけられるなんて、そっちの方が気持ち悪くないか」
「うるせーなー、いいから早く行けよ、でけえのは図体だけかよ」
「そういう口をきくとまた哲太に叱られる」
「あー、あーあー、母ちゃんかあいつは」
「……あの子はどうして市場にいる?働いてるのか?」
「知らねえよ!長靴履いてナンバー付きの帽子被ってんだから、遊びに来たわけじゃねえんだろうよ!」
「……あの」
「うお」
「……………」
「……砧の……ええと」
「あー、そう。砧真守の兄です。って言って、覚えてるのか?」
「……一応」
「そっか。別に、お前のこと探しに来たとかじゃねえんだけど、ただこいつがここに友達がいて、呼ばれたから会いに来たらあんたがいて」
「……………」
「なに固まってんだよ、初恋相手でもあるましに、おっさん」
「……………」
「……え、あの……」
「……お、ひさしぶり、です」
「……お久しぶりです……」
「……気持ち悪……」
「律貴」
「いってえ!ふざけんな踏むんじゃねえ!てめえ重いんだよ!筋肉だるまが!」
「邪魔をした」
「え?あ、はあ……」
「働いてるんだな。頑張れ」
「ありがとうございます……」
「行くぞ」
「口下手か!もっと話しゃいいのに、あっ馬鹿持ち上げんなクソ兄貴!馬鹿力!」
「……なんだったんだ……?」



*ありま・おべんと
「お鍋だー」
「……あ、もうちょっと煮てから取ってね」
「え?」
「……………」
「ごめん聞いてなかった、なに?」
「……まだ白菜固いよ」
「でもかじっちゃった」
「煮直したら。戻して」
「戻していいの?」
「えっ、だって、固いんでしょ」
「……弁当って潔癖に見えて結構がばがばだよな」
「は?」
「あー!怒んなよ!最近お前沸点が低い!俺に慣れてきた!」
「うるさい」
「だから、なんていうか、お鍋とか、直箸はやめて!みたいなタイプっぽいじゃん?齧った白菜鍋に戻すとか論外じゃん?」
「……誰が?」
「お前がよ」
「……そんな風に見えるの?」
「見える。俺だけかな」
「ふうん……」
「俺だけじゃないと思うんだけど、俺だけだったらごめんね」
「……そんなに固くない」
「え?白菜?」
「もういい」
「なにが!?今なんで怒ったの!?弁当って難しいなあ!」



*ふしみ・こーちゃん
「航介って」
「うひい!?」
「意外と体温高いんだね」
「……冷たいんですけど……」
「びっくりするとそんな高い声出るんだ」
「なんでいきなり首……」
「髪の毛で隠れてるから、触りたくって」
「……お前のそういう、言わずにやるところ、よくないぞ」
「あー、よく言われるわ」
「改めろよ!」
「は?俺に品行方正な良い子になれって言うわけ?こんなベリーキュートな見た目で清く正しく真面目で人の嫌がることをしない良い子だったらこの世で何人死ぬと思ってんの?」
「清く正しく真面目で人の嫌がることをしないってのがどれ一つ当てはまらないって自分で分かっててやめないのもすごいけどな」
「長くて何言ってんだか分かんない」
「……………」
「黙ってちゃ何が言いたいか分かんない」
「やりたい放題か」
「耳たぶ触らして」
「だからやりたい放題、馬鹿やめろ!」
「耳弱いの知ってるよ」
「なんでやるんだよ!やめろっつってんの!」
「ふーっ」
「んああああ!もうお前嫌い!本当嫌!」
「俺は好き」



*こーちゃん・さくちゃん・おべんと
「合唱祭もうすぐだね」
「……………」
「航介、当也の機嫌がすこぶる悪いよ、俺のこと睨んでくる」
「合唱祭が嫌なんだろ」
「……歌は苦手」
「当也、リズム感ないもんねー」
「音感もないしな」
「うるさい」
「航介はそもそも声でかいから、普通に歌ってるだけでも重宝されて得だね」
「おー」
「……大きい声なんて出ない」
「コソ練したら?当也」
「えー……」
「手伝ってあげるから。航介ほら、一緒に歌って」
「ええ、やだ」
「俺は伴奏やるから。いくよ、ぽろぽろぴろりろら」
「なにそれ」
「ハープ。素敵でしょ」
「……普通の楽器で伴奏してよ」
「ピアノやれよ」
「豆知識!さくちゃんの天敵の中の一つ、ピアノ!近づくのも怖いぞ!」
「なんでだよ……」
「わかんないけど。じゃあ他の楽器でやるよ」
「普通のやつね」
「しょうがないなあ。ずっだんどだだ、だん!だん!だん!」
「うるせえ!なんだよ!」
「ドラム」
「歌えねえだろ!」
「……メロディー楽器にして」
「もー、注文が多いんだから」
「コソ練しようっつったの朔太郎だろ……」
「口笛なんてどう?自信ないけど」
「自信ないのはやめてよ」
「口で言ってもいい?ぴゅるっぴゅるぴゅ」
「顔がうざったい」
「もういいよ、朔太郎」
「あー!そうやって俺の気遣いを無駄にする!もういいもどれ!ってか!そうやって冷たくボールに戻されたポケモンの気持ちを考えたことはあるのか!」
「お前が合唱嫌がるからこんな面倒なことになってんだぞ」
「……ごめん……」



*ありま・さくちゃん
「東京では素敵なイベントがたくさんあるんでしょう」
「そうなの?知らないけど」
「なんで知らないの!生まれも育ちも東京の癖に!この都会っ子!」
「ええ……分かんないよ、イベントなんて。いっぱいあるもん」
「俺、行ってみたいやつがあってね」
「うん」
「ビールのお祭りみたいなのやるでしょ」
「あー、オクトーバーフェスト」
「それ!それよ!最高!お酒大好き!東京ばっかりずるい!」
「俺あんま行かないけど」
「この前、行きたすぎてシステムを調べた」
「おお……」
「ジョッキ代とビール代で飲みまくれるんでしょ?最高だよー、もう最高としか言いようがないよ」
「夏とか秋だよな、あれ」
「当也に前、一緒に行ってくれる?って聞いたんだけどさー、やだ無理断るってばっさり切られちゃって」
「すげー人だし、盛り上がりが半端じゃないから、弁当嫌がりそう」
「そっかあ……行きたいなあ……」
「行く?今度」
「えっ!?」
「俺でよければ」
「行くー!札束持って行くー!」
「朔太郎と同じペースでは絶対に飲めないけどいい?」
「いいよお!有馬くんのゲロなんか見たかないもん!」
「えっ待って、俺吐く前提なの」
「当也に自慢しよーっと!」



*おのでら・ふしみ
「はっぴーはろうぃん」
「……コスプレは?」
「しねえよ」
「……………」
「あからさまに落ち込まれても困るんだけど。俺お前と同い年の男だってこと忘れないで欲しいんだけど」
「……トリックオアトリートしてほしかった」
「お菓子はいらないしいたずらはしない」
「いたずらしてよ!」
「今ちょっとお菓子禁止期間だから」
「弁当にデブって言われたの気にしてるんでしょ」
「デブとは言われてねーよ!てめえ俺のことデブだと思ってたんだな!?うらあ!」
「ぎゃっ、思ってない、思ってないです!」
「小野寺のこと嫌いになったから明日から口利かないから」
「やだああ」
「ふん」
「……プリンあげるから……」
「……………」
「ハロウィンの限定のやつ……かぼちゃのプリン……」
「……………」
「……じゃあ俺食べる……」
「なんで諦めんだよ!」
「うわ」
「……………」
「……プリン食べたいの?ハロウィンプリンだよ」
「……………」
「も、持ってくるね」
「早く」
「……ダイエットはいいの?」
「ハロウィンプリンは別とする」
「伏見って自分に甘いよね」
「うるさい、嫌いになるぞ」
「あっごめんなさい」



*ありま・こーちゃん
「航介って頭いいよね」
「……なに、藪から棒に」
「弁当がこの前なんか、なんだったかな、なんか教えてくれて、弁当って頭いいなあって思ってさ」
「今俺は有馬って頭悪いなって思った」
「俺?俺は頭悪いんだけどさ」
「……もっと抵抗しろよ」
「だから、弁当と同じ学校にいた航介は頭良いんだよなー、って改めて思ったわけ」
「この辺学校そんなにないから、選べないんだよ」
「暗算好き?」
「好きって言うか……文章よりは数字の方が得意だよ」
「ほらあ、頭良い」
「ごめん……基準が全然分かんない……」
「漢字もどうせいっぱい読めるんでしょお」
「いっぱい……?」
「新聞とか毎朝読むんでしょお!」
「それは毎朝読みたきゃ勝手に読めばよくないか!?」
「はあーあ!」
「……別に頭良くはない、当也のが結局最後まで勉強はできたし」
「そうなの」
「テストとか、一教科勝てても、総合じゃどっこいどっこいか負けてたし……」
「うん」
「はああ……」
「……えっ、なんかごめん……嫌なこと思い出させて……」



*みり(26)・まもり(16)
「まもちゃあん」
「おかえりー」
「お姉ちゃんのこと慰めてえ」
「よしよし、どうしたの」
「ひどいのお、高校生の時のお友達がね、みり太った?って言うの、太ってないのにい」
「ぐええ、重たい」
「重たい!?みり、重たいの!?ねえ、まもちゃん!?」
「ひゃっ、ご、ごめんなさい」
「わあああんまもちゃんまでみりのこと豚って言うううう」
「ぶたっ、ちが、重たいって言うのは、みり姉ちゃんが乗っかるから!」
「もお今日からご飯食べなあああい」
「みり姉ちゃん!違うんだよ!豚なんて言ってないし!ねえ!聞いてよ!」
「うええええん」
「ねえってば!あのっ、この前テレビで言ってたよ!細っこすぎる女の子はやだって!みり姉ちゃんくらいがちょうどいいんだよ!」
「……ほんとお……?」
「そうだよ!だから、ねっ、ご飯食べよう?」
「……でも豚になる……」
「豚なんて誰も言ってないよ……」
「みり一人でいっぱい食べたら、一人で豚になっちゃうでしょお」
「うん」
「まもちゃんも同じ量食べて」
「いいよ」
「優しい……まもちゃん、みりが同い年で血が繋がってなかったら彼女にしてくれる……?」
「するする」
「大好き……」
「でも真守だけじゃ心許ないから、てつた兄ちゃんにも一緒に食べてもらおう」
「そおしよー」

「てつた兄ちゃん最近横に大きくなったね」
「なんでだろおねー」



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