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おしゃべりまとめ




◯しんじょうくん・みぞぐちくん
「夜の話じゃなくて、お友達としてお話して良い?」
「いいよ」
「最近思ったの。溝口くんは、尽くすのが好きなタイプのマゾじゃん?」
「うん」
「そんで俺は、尽くすのが好きなタイプのサドじゃん」
「うん!」
「……今まで見たことない笑顔で頷かれた……嬉しいけど傷つくわー……」
「自覚症状があるんだなーと思って」
「まあいいや。小金井くんは、虐げるのが好きなタイプのサドじゃん」
「そうかな?」
「だって小金井くんって、他人のことみんな並列に見えてるでしょ?そこが最高なんだけどさあ、ぎりぎり人扱いされてるかどうか微妙なラインでこっちを弾いてくる女王っぷりっていうか?君臨するっていうか?」
「うーん、小金井くんは良い人だよ」
「君にはね!?君のモンスターペアレントだからね、あの人!」
「そうかなあ」
「そうだよ!それこそ自覚症状があってほしいところだよ!」
「でも小金井くん、みんなと仲良しだって言ってたよ」
「とんだ嘘つきだ!」
「何の話だっけ」
「は!?え、ああ、うん、えーと。それで、なんだっけ」
「新城くんはいっぱい喋ってくれるから、楽しいなあ」
「……溝口くんの口調と態度でそう言われると全然信じられなくて嬉しいなあ……」
「えっ?」
「聞こえてたでしょうが」
「なに?聞こえなかった」
「友達にはそういう態度なの?」
「ううん。新城くんだけ」
「アー!悪魔!」
「なんの話だっけ」
「そうそう、そうやって考えた時に、マイスイートハニーは、虐げるのが好きなマゾなんだろうなあ、と思って」
「んー。ん?矛盾してない?」
「結局中原くんの意のままになることが多いんだよ。あの子はやだやだちゃんだから、俺が中原くんの嫌がることをすると、結局嬉しいわけよ」
「それは聞いたことある。耳にタコができるくらい」
「かっわいいよねえ」
「それももう物真似できるくらい聞いた」
「だから、無意識のうちにだろうけど、自分を虐げるのが好きなマゾなんだろうなあ、って。時々巡り巡って俺のことまで自分の踏み台にしてくるし」
「へえー。中原くんのところに行ってきてもいい?」
「ざーんねーん!そういうと思いましたー!今日はお休みですー!うちで寝てますー!」
「昨日なにしたの?」
「それはちょっとここでは」
「マリオカート?」
「……溝口くんと友達の話はできそうにないってことが今分かったよ」
「徹夜でマリオカートしたの?」
「変な暗喩に聞こえる……」



◯しんじょうくん・なかのさん
「中野さんって何歳なの?」
「出流様たちとそう変わりませんよ」
「えっ!?そうなの!?」
「はい」
「いくつ!?すっげー年上かと思ってた!」
「同じぐらいです」
「そっかあ……うん……で、いくつなの?」
「小学生の時にはポケモンが流行りましたね」
「そうだけどさ、それ俺より年上なら逆算で分かるよね?いくつなの?」
「同じくらいだって言ってるじゃないですか。同じくらい、を定義する幅には個人差がありますよ」
「てめえサバ読んでんだろ!歳行ってんの隠すんじゃねえよ!クソ親父にいくつの時から芝居習ってんだよ!」
「なんて口が悪い……同い年ぐらいとして悲しいですね」
「あんたが実年齢を公表しないからだろ!」
「ウィキペディアには24歳と書いてありましたよ」
「だからそれが嘘だろうがよ!なにタメのふりしてんだ!」



◯しんじょうくん・なかのさん
「中野さんって芸名?」
「はい」
「中野竜比古?」
「はい」
「本名は?」
「野島です」
「名前は?」
「竜比古です」
「それは芸名でしょ?」
「本名は野島です」
「だから、本名の名前は?」
「なんでそんなこと気にするんですか?私のこと好きなんですか?ごめんなさい、タイプじゃなくて」
「なんで告ってもないのに振られたの?俺」
「出流様はどうして芸名つけなかったんですか?」
「今更別の名前で呼ばれてもわかんないから」
「はあ」
「そういえば、クソ親父の本名も知らないや。あの人なんて名前なの?」
「本人に聞いたらいいじゃないですか。私の口からお教えしていいものか、判断がつきません」
「中原くんに聞いてもらお。あの二人何故かなかよぴっぴだから」
「先日、スイーツバイキングに行ったらしいですね」
「は!?それ俺知らないんだけど!?」



◯なかはらくん・しんじょうくん
「ぶちー、ぶちにゃーん、ぶっちー、ごはんだにゃーん」
「……気持ち悪いからにゃんにゃん言うな」
「ぶちいなくなった」
「そこにいる」
「あ!お前!俺の上着に隠れるなって言ってるだろ!あいたー!」
「……ぶち。飯だぞ」
「こいつ引っ掻いた!俺の手!今日撮影あるんだよ!どうするの!」
「ぶち、謝れ」
「中原くんが代わりに謝って!ごめんだにゃんして!にゃん!」
「ぶち、行け。嚙みつけ」
「なんて命令するんだ!でもぶちはご飯に夢中なので中原くんの言うことは聞かないー、残念ー!ほら、ごめんだにゃんして、早く」
「チッ」
「かわいくないにゃーん!」
「うるさい」
「ぶちー、ママがひどいよ、パパは悲しい」
「ぶちを俺たちの子ども扱いするな」
「あいたあ……踏まれた……」
「構いすぎるから嫌われるんだ」
「中原くんだってぶちのこと大好きなくせに!俺もぶちどっちが好きなのよ!俺!?それとも俺!?」
「ぶち」
「ぐあー!悔しい!でも認める!ぶちにゃんかわいいもんねえ!」
「お前本当にうるさいぞ」
「……今日一緒の女優さん苦手な人なの……」
「へー」
「……だから無理やりテンション上げてんの、中原くんが甘やかしてくれたら頑張る……」
「知らん」
「わーん!ぶちー!ママが冷たいー!」
「ぶち、逃げろ。こっちおいで」
「俺も膝の上に乗せてよー!」
「ぶちの邪魔にならないならいいぞ」
「ゔわあ、えっ?いいの?やったー。お邪魔しまーす」
「静かにしろよ」
「くんくん」
「うるさい」
「あ″ぃっ、髪の毛抜けちゃう、いたたたた」



◯なかはらくん・けんざきさん
「中原くん、息子は迷惑かけてないかね」
「え、あ、はい、むしろ、いろいろしてもらって」
「気に入らないことがあったら殴ってやってくれ、まともな躾もしてやらなかった」
「……殴ってるんすけどね……」
「ん?」
「いえ……」
「中原くん、紅茶は好きかい?美味しい茶葉を頂いてね、今度お裾分けしよう」
「あの、剣崎さん、俺、そんなに構ってもらわなくても、えーと、剣崎さんもお忙しいでしょうし」
「迷惑だったか?すまない」
「あっや、そうじゃなくて、気を遣ってもらってるのは分かるんです。会ってくれる時いつも個室だし、俺なんかといるのが見られたら恥ずかしいから、それなら別にわざわざ時間割いてもらわなくても」
「何を言うんだ。私が中原くんと会いたいから時間を作っている。友人として、楽しみにしているのに、そんな言い方はないぞ」
「……ひぇ……」
「どうした。茶菓子でも口に合わなかったか」
「……違うんです……違うんすけど……」
「そうか?気に入ってもらえると嬉しいんだがな。私はここの和菓子が好きで、若い頃からよく通ったものだよ。昔馴染みなんだ」
「……ぉ、おいしいですよ」
「だろ!」
「……んん……」
「どうして顔を背ける。こっちを見て、話をしよう。ああ、そういえば、今度中原くんと行ってみたい場所があるんだ。先日リニューアルしたという水族館でな、夜は貸し切れるらしい。それなら誰かに騒がれることもない、君も気兼ねないだろう」
「あ、それなら、新城とも行こうって、こないだ」
「出流はだめだ。うるさい」
「えっ」
「二人じゃだめなのか?」
「……ぇっ」
「はは、冗談だよ、出流と行きなさい。こんな年寄りと二人なんて、介護のようだろう」
「嫌です!」
「お、おう、どうした」
「あっちがっ、剣崎さんも、あっ、中野さんも行きましょう!みんなで、二人じゃなくてみんなで!ねっ!」
「そうだな。君は良い子だ、楽しみを皆で分け合おうとするんだから」
「……ふへ……」
「耳まで真っ赤だ、中原くん。出流と久し振りに出掛けられるのが嬉しいのか?」
「……ちが……違います……全然……」



◯その頃の しんじょうくん・なかのさん
「中原くんが誰かに落とされそうになってる匂いがする」
「出流様、台本読み合わせてる時に変な電波拾わないでください」
「今晩は、新城出流のことが世界で一番好き、もう妊娠しちゃう、って言うまで抱く」
「……そういう赤裸々なことは本人に言ってくださいよ……私ではなく……」
「ッチ」
「……急に凄まじく機嫌悪いし……」



◯こがねいくん・しんじょうくん
「そんでねー、そのコンビニの店員さんが、千円と五千円間違えてたみたいで。俺も焦ったよねー」
「へえ。すごいな」
「小金井くん、相槌間違えてるよ」
「そうか。聞いてなかった」
「うん、知ってる、携帯ずっといじってるもんね。誰?彼女?」
「いない」
「俺というものがありながら!」
「……………」
「あっ無視はやめて?小金井くん?独り言になっちゃう、全部奢るから二人で仲良くご飯食べよって言ったじゃん?ちゃんと奢るからさ?」
「ああ。忘れてた」
「もー……小金井くんすぐ俺の存在見失うんだからあ……」
「中原は?」
「二言目には中原くんの話だし。目の前に俺いるのに。俺の名前は新城出流なんですけど」
「じゃあ」
「あー 待って待って!ごめんて!中原くんは俺と喧嘩中です!多分家で泣いてます!電話して確認しようか!?」
「……………」
「正直に言ったのにその顔する!?俺のこと雨で濡れた段ボールかなにかに見えてない!?」
「段ボールの方が有用性がある」
「うん……生きててごめんね……?」
「無駄な時間。はあ」
「でも俺は楽しい……ふふ……」
「どうせこれも中原に言うんだろ」
「うん」
「……そう思って、俺が先に言っといた」
「あ!?なんてことするんだ!俺の楽しみを!さっきから中原くんとラインしてたな!?」
「新城がうざくてくさくてごめん、だそうだ」
「はー!中原くんもすーぐそういうこと言う!今日家帰ってやんねえから!」
「じゃあ俺が遊びに行こうかな」
「帰る!」
「それなら行かない」
「小金井くんの悪魔!俺と中原くんのスイートデイズを引き裂こうとする!」
「中原には早く目を覚ましてほしい」
「人間全般に冷たい小金井くんには中原くんの面倒は見れないからね!?あの人すっごいめんどくさいんだからね!?俺から奪ろうったって無駄だから!無理だから!中原くん俺のこと大好きだから!あげないから!ねえ小金井くん聞いてんの!?ねえ!」
「だそうだ」
『……………』
「小金井てめえ音声送ってんじゃねえよ!そういうとこほんっと好き!俺にもその扱いしてほしい!いつから通話繋いでたんだよ!」
『……しん』
「今から帰るから準備してベッドで待ってろ中原くん!はいお金!じゃあね小金井くん!キスしていい!?」
「だめ」
「はい!」



◯しんじょうくん・なかはらくん
「おまいりおまいりー」
「……新城って神社とか寺とか好きだよな」
「え?好きじゃないよ?神様信じてないし」
「え?」
「ん?」
「……見かけるとすぐ御詣りしたがるじゃん」
「うん」
「信心深いのかと……」
「ううん。ただのキャラ作り」
「……………」
「かわいいでしょ?中原くんばっかりかわいいとねー、俺置いて行かれちゃうからね。神様にお祈りする俺と神様を信じてない俺だったら、前者の方がかわいいでしょ?後者はアウトローくさいじゃん」
「……?」
「分かんないって顔に書いてある」
「意味分かんない……」
「じゃあ神様信じてるってことでいいや。おみくじ引こー」
「……んん……?」
「あ。見て。凶。うける」
「うけねえよ……」
「病気、治らず。勉強、捗らず。だめじゃん!あはは」
「いいこと書いてないの?」
「んー。あ、恋愛!運命の相手と出会う!」
「……今の相手とは縁を切るべしって書いてある」
「え?ちょっと読めないわ。どこ?」
「ここ、あっ」
「あー。手が滑ったー。かみさまゆるしてー」
「……御神籤破く奴初めて見た……」
「バチ当たるかな?」
「さあ……」
「でもほら。運命とか信じてないし。俺の運命ぐらい俺が決めるし。はは」
「……すげえ悪い顔なってっけど……」
「いっけない!にこっ!」
「馬鹿じゃない」
「好き?」
「んー……」
「お!ごきげんですな!」



◯むさしちゃんさん・しんじょうくん
「お仕事です」
「ねむい……」
「うるさい。やりなさい」
「超売れっ子の俺に向かってその態度よ……」
「前々からあんたのような軽薄な男は嫌いなんです」
「マネージャー、そもそも男嫌いじゃん」
「ええ」
「なんで俺のマネージャーになったの?」
「お金欲しさです」
「……人間って汚いよねえ……」
「掃き溜めが何を言いますか、ほら、インタビューのアンケートですよ。書け」
「わーお、昨日がんばって覚えた台本が抜けて行くー」
「台本なんか一回読めばあんた合わせられるでしょう、天才、っふ、なんですから」
「天才のあと笑った?」
「うるさい、黙って書きなさい」
「俺、愛のない虐げには興奮できない……中原くんにマネージメントしてほしい……」
「1。最近楽しかった仕事」
「オフの日」
「それは仕事ではありません」
「お休みも仕事のうちだよ」
「……酒巻監督の『未滝ヶ原のラブソング』、今までやったことのない役柄で、自分の知らない自分を発掘でき、楽しかったです、と……」
「あー、勝手に書いてる」
「2。最近きつかったこと」
「……おうちに帰れないこと……」
「家があるから帰れないという事態が発生するんですよ。帰るべき家を作らなければいいのでは」
「天災かよ……」
「どうも」
「災害の方だよ?」
「どうも」
「俺武蔵ちゃんのそういうところ好き……」
「わたしは嫌いです。名前で呼ばないでください、男菌がうつるので」
「マネージャーちゃん……」
「ちゃん付けしないでください。吐き気がします」
「俺のことほんと嫌いだよね!?」
「最初からそう言ってます。金ヅ、間違えた、新城さん」



◯なかはらくん・なかのさん
「猫を飼い始めたそうですね」
「えっ、なんで知って」
「出流様から異様な量の写真が送られてくるんです」
「……ああ……」
「通知が999を超えた辺りで私は出流様をブロックしました」
「……なんかすいません……あいつ友達少ないから……」
「貴方込みで自慢したいんでしょう。剣崎様に送って差し上げればお喜びになるのに、出流様は絶対しないでしょうし」
「剣崎さん猫好きなんですか」
「いいえ?猫というより、貴方がたが普通に、一緒に暮らしているのが彼の方にとっては、きっと想像以上に嬉しいんですよ」
「……剣崎さんにも、写真送っときますね」
「猫、買ったんですか」
「拾ったんです。ぼろぼろで死にかけだったのを俺が勝手に拾っちゃって、病院で里子に出そうと思ったんですけど、新城が気に入って」
「そこまで面倒見ておいて、手放せるタイプではないでしょう」
「新城が?」
「いえ、貴方が」
「……そっすね……」
「黒白に金の目の猫でしたよね。お名前、なんて言うんですか?」
「ぶちです。ぶち」
「ぶちちゃん。今度遊びに行かせてください」
「……中野さん、猫好きなんですか?」
「ええ。大好きです。猫ほど愛らしい生き物はいません。大好きです」
「二回言った……」
「ぶちちゃんは普段どんなご飯を?お土産の参考にします」
「……普通のカリカリです……」



◯むさしちゃんさん・なかはらくん
「あ。金ヅルの連れ」
「うわあああ!?」
「うるさ」
「ひっ、誰っ、あっ、どうも……」
「後ろからど突いただけじゃないですか」
「後ろから……ど突いたんすか……?」
「どうしてこんなところに?テレビ局の関係者入口なんてところの近くでうろうろしてると、下手すると通報されますよ」
「新城がここに来いって……一緒じゃないんですか」
「まだ中です。如何わしい笑顔で気色悪かったので、置いてきました」
「そうですか……」
「そういえば、わたし、あなたの名前も知りません。ナカハラですよね」
「あ、はい」
「ナカハラ。うちの稼ぎ頭が迷惑をかけて申し訳ありません。もっと強く手綱を握っておいてください」
「……俺が?」
「もっと仕事に真面目に取り組むように家で毎日言い聞かせてください。お前は何のために仕事をしているのだ、と」
「何のためって言ってるんですか、あいつ」
「ナカハラのためだと」
「……殺す……」
「同感ですね。一緒にやりましょう」
「えっ!?目が笑ってない!怖い!」
「あー!武蔵こら!中原くんに唾つけんな!離れろ!ホーム!ゴーホーム武蔵!」
「今ちょうど、あなたを殺す算段をつけていたところです」
「もう二度と名前で呼ばないから殺さないでください!」



◯こがねいくん・みぞぐちくん
収監前
「犬だー」
「ああ」
「かわいいね」
「動物好きなのか?」
「うーん。うん」
「……?」

出所後
「犬欲しい」
「だめだ」
「いぬー!」
「自分の世話ができるようになってからにしてくれ。見ろ、この洗濯物の山。たため」
「やだ!一人暮らし飽きた!犬と住む!」
「犬と住んだところで家事はやってくれないからな」
「じゃあ犬の面倒を見る俺の面倒を小金井くんが見ればいいでしょ!わああ」
「泣き真似するな。養ってくれるんじゃなかったのか」
「犬の面倒見ながら小金井くんに面倒見られつつ小金井くんと犬を養っていくの!なんで分かんないの!」
「その狂った世界に巻き込まないでくれ」
「……帰りたい……」
「どこにだ」
「……看守さんの方が小金井くんより優しかった……」
「……………」
「いたい……ぶった……」



◯しんじょうくん・なかはらくん
「中原くんパンツはいてる?」
「……きっしょくわる……」
「はいてる?」
「はいてるよ……何だよいきなり……はいてなかったら気持ち悪いだろ……」
「何色のパンツ?」
「……………」
「ねえ、何色のパンツはいてるの?」
「……………」
「ねえ」
「覚えてねえよ!」
「はいてないの?」
「はいてるよ!何色かは覚えてねえっつってんだよ!」
「中原くんはパンツをはいていると言うけど、何色かは分からないという。もしかしたらはいていないかもしれないし、はいているかもしれないし、はいていたとしても黒かもしれないし白かもしれないしピンクかもしれないし青かもしれないし、紐パンかもしれないし、やっぱりはいてないかもしれない。シュレディンガーのパンツだ」
「……狂ってんのか……?」
「俺が見るまで中原くんのパンツの有無や色や形状や素材は分からない」
「……………」
「だから見たい」
「……気持ちが悪い……」
「気になる」
「お前のそういうところが本当に気持ち悪いと思うんだよ、俺は……」
「三大欲求の中だと性欲が強めに設定されてるから」
「弱めろよ……心底気色悪いわ……」
「あ!待って!でもパンツはいてなかったとしたら、中原くん今日一日ずっとはいてなかったんだとしたら、俺以外の生きとし生けるものすべてに対してノーパンの中原くんを見せたことになる。それは由々しき事態」
「……お前最後に寝たのいつ?」
「昨夜」
「三徹明けみたいなテンションに急になるのやめてくんね……?」
「中原くん、三徹明けだとこうなるの?今度徹夜してみて。ねっ」
「ならねえよ」
「そっかー。まあそれはそれとして、パンツ」
「嫌だ」
「はやく」
「何が悲しくてお前にパンツ見せなきゃならないんだよ」
「喜び勇んで見せるような中原くんは解釈違いだから、ドン引きしながらとても嫌々で構わないから、早く」
「……………」
「ちょっと!どこ行くの!」
「コンビニ……」
「なんで!」
「今のお前と同じ部屋にいることに身の危険を感じるから……」
「どこが!」
「全てだよ!」
「こんなに大サービスで甘えんぼでかわいこぶりっこした新城くんなのにー!」
「セクハラドスケベ犯罪者の間違いだろ……」
「え?よく聞こえなかった。もう一回」
「堂々と携帯で録音しようとしながらよくもまあもう一回とか言うよな……」
「分かった。じゃあドスケベだけでいいから」
「死ね」



◯しんじょうくん・なかはらくん
「膝枕してほしい」
「死んで」
「太ももに顔を埋めたい」
「死ねゴミクズ」
「ちゃんとこっち見て」
「あ?」
「ちゃんとこっち見て言いなさいよ!携帯見ながらじゃなくて!ほらもう一回!」
「ひっ……」
「言えよ!死ねゴミクズだろ!?もっと丁寧な言葉遣いでもいいんだぞ!?くたばりやがってください廃棄物様!?」
「ご、ごめんて……なに、疲れてんの……?」
「言えよ!」
「えっ、く、くたばりやがってください廃棄物様……」
「膝枕ァ!」
「あっはい……」
「よし!」
「……………」
「……………」
「……なんで俺、結局お前に膝枕してやってんの……?」
「俺の剣幕に負けたから」


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