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ラジオ



「時間?」
「時間。はい」
「ゆうやけこやけでーす!」
「始まったぞ。おい、今日もスパチャしっかり投げろよ。な?」
「やめろ!石田黙れ!」
「今日はお前らが待ちに待ってたゲスト回なんだからな。金使うなら今だぞ。ここで投げとけば次回も誰か連れてこれるかもしれないんだからな?分かってるな?おい。俺に楽をさせろ。そのためにお前らはリスナーになったんだよな?あ?」
「やめろっつってんだろ!投げなくて良いです!こんな人間にお金を使わないでください!」
「ここで投げないなら劇場で俺たちのグッズを買え」
「皆さんに金を使わそうとするな!やめろ!」
「おい横峯。喋れ」
「もういいの?」
「ほら投げろ!今だぞ!今ァ!」
「わあああみんな素直!投げるな投げるな!石田の言うことを聞くなー!」

「今日は横峯くんが来てくれてまーす」
「どおもお」
「スタジオ配信なので音質がいいでーす」
「そうでーす。ゲストのおかげでーす」
「そうなん?」
「基本石田んちから配信してるから」
「背景とかもう俺のきったない部屋のままだし」
「やべー。見たことないんだよね」
「見たことないのによく来たよね……」
「ゆうやけくんが呼んだんじゃん」
「そう!こいつ!道端が!こいつあんなん、投げるなとか黙れとか言ってたくせして、ちゃーんと収益を見据えて人気者をキャスティングしてるんですよォ!どう思います!?俺だけじゃないよ、悪いの!」
「やめ、違う!ちがっ、横峯くんは友達だから!配信やってるって言ったら興味持ってくれて、あーじゃあ今度来るー?みたいなん冗談で言ったらマジでスケジュール開けてくれたんだって!」
「あーあ!おかげで同接数過去1じゃないですか!?おい横峯ぇ、お前いいやつだな〜!」
「うんー」
「俺お前と会ったの三回目ぐらいだけとお前のことだーい好きになっちゃったな〜!」
「ありがとー」
「横峯くん、今この人君のことお金にしか見えてないからお礼なんか言わなくて良いよ……」
「んー、てかそんな少なかったっけ?会ったこと」
「あー、俺とおる時に石田が通話繋いできて喋ったりはしてたから、会ってないけど話した回数は多いんよな」
「そんでか。あんまそんな感じしないから」
「金が絡むとテンションが上がるだけで、普段はもう少し落ち着いてるから……なんならもっとダウナーな人間だから……」
「そう。それに今俺は酔っ払ってる」
「は!?」
「さっきめちゃくちゃ酒飲んだ」
「なんで!?お前、配信前に飲むなっつったろ!」
「今日は飲酒してタガを外した方が絶対に面白くなると思って。わはは、見ろコメント、事故確定、最後まで目が離せないな!って書いてあるぞ!おう見ろ!最後まで!時間いっぱいまでやんぞ!」
「ただでさえ飲めないのに何でそんなことするんだよ!」
「あー、そっか。テレビじゃないからお酒飲んでもいいのか」
「いや良かないけど……」
「おうお前も飲め!これしかないけど」
「ありがとー」
「石田?石田、ジュースにして?石田、あの、横峯くんはいいけど、石田」
「うるっさい道端、べたべたすんな!」
「酒癖悪いよぉ……」

「……横峯くんずっとさっき渡したお土産見てんじゃん」
「……お腹空いて……」
「食べなよぉ!もうそっちのが多分みんな見たいよ!」
「えー、ほんとお?いただきます」
「なにあげたの。道端」
「なにって、なんか人気ある店の、フィナンシェ?だよ……お前絶対お礼とかしないだろうから……」
「うまいか?」
「うまい」
「寄越せ」
「いいよ」
「甘い。眠くなりそう」
「えっと、コメント読み……今日ほんと早いな……なにつながり?っと、えー、俺が横峯くんと仲良くなって」
「我妻と俺がそもそも仲良くて」
「あーそう、そんで、育くん繋がりで俺と横峯くんが会うようになって」
「町田侑哉とかあの、なんでお前が存在してるか分かんないあのグループの一員だろ」
「そう……それは本当にそう……未だにわかんない……」
「ていうか横峯超静か」
「食べてるから……」
「今日なにやるか?んーと、今日はー、横峯はゲームあんまやんないって言うから、普通にボードゲームを持ってきましたー。すごろく的なやつ」
「二人だとつまんないからなー、こういうの……」
「道端はクソ雑魚だしな」
「ざ、雑魚っていうな!」

「はい4〜。ぎゃっくてーん」
「ぐう……」
「ビリの罰ゲームは一位が決められるんだからな!道端になにさそっかな〜!なあ横峯!」
「なにがいいかなー」
「……横峯くんがぶっちぎり一位だったのに石田がイキってるのめっちゃくちゃ腹立つ……!」
「いやあもうこれで一回休みとか踏まなければ俺は二位だから!道端になにさす?土下座?全裸?赤ちゃん言葉?」
「なんで倫理を守った罰ゲームを考えられないんだよお前は!」
「んー。でこぴんとか」
「いいね〜!五百回ぐらいやってへこまそっか」
「五百回やってたらやってる側の指もダメんなるだろうがよ……」
「あ!こっちにしよ!」
「えっ……」
「えっ……?」
「え?」
「……なんでそんな長い棒……ど……どこから持ってきたの……?」
「そこに置いてあった」
「それで最下位の俺に何をするの……?」
「ぶつ」
「ひっ、こわっ、怖い!!!治安が悪い!これだから暗がりに立たせられないタイプの人間は!」
「だって罰ゲームっていうから……でこぴん五百回分ぐらいはこれ一回で済むかなって」
「痛みをそういう観点で換算しないでくれる?」
「まあそんぐらいは痛めつけるってことだよ。な、横峯」
「罰ゲームだもんねえ」
「わ″ーッ!6出ろ6出ろ6出ろ」
「1出ろ1出ろ1出ろ」
「わはー、楽しい」

「道端の尊厳を傷つけたところで、次何やる」
「……………」
「ゆうやけくんまだ死んでるよ」
「そのうち蘇るだろ。あと持ってきたのが、オセロとー、あと将棋。ダイヤモンドゲームもある」
「こやけくんオセロすごい強いんじゃなかったっけ」
「我妻には負けたことない。道端にも」
「じゃあやだかな……」
「将棋は?」
「ルールわかんない」
「じゃあこれにするか」
「それなに?」
「ダイヤモンドゲーム」
「わかんない」
「……崩し将棋にする?」
「うん。わかんないけど」
「わかんないこたないだろ」
「やったことない。どやるの」
「山積みにして……こう、音を立てないように取る。順番に」
「ほーお。やってみる」
「練習しな。やったことないなら」
「うん。あれ。もっかいね」
「うん」
「あれ」
「ド下手くそか?」
「もっかい」
「もっとそおっとやんだよ。こう。ほら」
「……………」
「ヘタクソ!」
「ちょお、声でっか……うるさい……」
「一回ずつ全部ぱちんぱちん鳴ってんだよ!雑!下手!道端!お前これうまいだろ!やり方教えてやれ」
「……俺はもう罰ゲームやったから次回から参加しなくてもいいでしょ……」
「じゃあ次はお前が得意なの選べば良いだろ。あっち向いてホイとか。叩いてかぶってジャンケンポンとか」
「え?いいの?」
「いいよ」
「えっ……」
「なに?嫌なの?」
「……………」
「横峯くん、あっち向いてホイめちゃくちゃ弱いよ」
「そんな人間いる?」
「……苦手。な、気はする」
「道端得意じゃん。じゃんけん強いし。反射神経いいし」
「俺は、まあそうだけど」
「やってみて」
「やだあ……」
「叩いてかぶってでもいいよ」
「それもやだ……」
「やって。はい、棒、あとこれ頭守るのに使って。さーいしょーはグー」
「じゃーんけーん、ぽい」
「ぽい」
「はい」
「うぎゃっ」
「守る意思見せろや!」
「勝ち負け分かる前にゆうやけくんが叩いたあ!」
「叩いてない叩いてない……」
「どんくせっ。信じらんねえ」
「どっ、どんくさくない!」
「横峯くんごめんね。多分いつも周りにいる人の中の誰よりこいつ口が悪いからびっくりするかもしんないけど」
「俺でも勝てるわ。やるぞ」
「石田お前、じゃんけんクソ弱いじゃんか」
「こいつになら勝てるわ。さーいしょーはグー!」
「じゃーんけーん!」

「もっかい!」
「もういいもういい……」
「もっかいだけだから!」
「……そもそも石田が弱いからじゃんけんは横峯くんが勝つじゃん?でも横峯くんが遅いから石田の防御が通るじゃん?そうなると永遠に終わらないんよな……」
「もう帰れお前」
「いやだ」
「また来ていいから……」
「ほんと?やった」
「横峯くんて負けず嫌いなんだね」
「そっかな」
「いや全然諦めないから……」
「んー。自分ではそう思ったことないけど」
「負けず嫌いだろ。そうじゃなかったらあんなパフォーマンスするかよ」
「えー、見てくれたことあんの?恥ずい」
「外出んのヤだから直接はないけど、配信ライブとかは見た。道端は直接見たっけ」
「かっこよかったー」
「あんがとお」
「目立ちたがり屋で自己顕示欲の塊だからああいうことができるんだろ?自分が他人より上手で、こう見せたらかっこいいって知ってるからああなるんだ」
「あでもねえ、そんなようなことりっちゃんはゆってたよ。ベースくんがライブ前になるといっつも錯乱するから、暗示かけてる」
「宮本くん……気持ちわかるよ……」
「バンドマンなんかみんなそうだろ」
「すげえ偏見」
「あ!やべえ延長し損ねた!」
「何年やってんだバカ!終わっちゃうじゃんか!」
「枠取れたら続きやりますさようなら!」
「え?おわり?さよーならー」


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