《弁当から見て》
有馬…片思いの相手。有馬と弁当の話はマルチエンディングなので、有馬から見ての弁当の立ち位置はその時の話の分岐によってかなり変わってくるのだけれど、弁当側から見ての有馬はいつでもどこでも変わらない。叶うことのない(と本人が頑なに信じ込んでいる)片恋相手。かっこ書きの中が弁当の単なる思い込みであるということが重要になってくるのが分岐２以降。すごくすごく大切で掛け替えのない、愛おしくて苦しくて、いっそ出会わなければ良かったなんて思う余地すら与えられない程に絶対的な、友達。今のところは、基本的には、友達。手放しに好きだと思わせてもらえるだけ幸せだ、って思ってる。欲無し。ちなみに好きが返ってきてテンパってる弁当の狼狽える姿が有馬のドツボだったりもする。噛み合わない二人だなあ。

伏見…察しがいい弁当なので、伏見と小野寺が普通の「仲良し」枠に収まらないことにはかなり前からなんとなく気づいていたし、伏見が時たま弱ることも、それを支えるために小野寺が必要なことも、なんとなく分かってた。全部なんとなくふんわり雰囲気でしか察しようとしないプラス本人に直接何も聞かないのは、弁当の性格上の問題。だからずっと、大変だなあ、って思ってる。思うだけだけど。伏見の考え方とか、何を思っているのかとか、そういうことには実際ほとんど共感できるところがない弁当だけれど、「明日の約束」を必ず伏見から取り付けてさよならしてた頃のことは、言わないだけで感謝してたりもする。なにも言わない、聞かない同士も、それはそれで。って感じ。

小野寺…弁当からすると、分かる、って一番思えるのが小野寺なんじゃないかと。オープンに後追いしてる分、突き放されて落ち込むのも分かりやすいのが小野寺で、そもそもひた隠しにしてるから突き放されることもないのが弁当、って考えると、結構似通ってるところもある。一歩踏み外すとクレイジーサイコホモになるところとかね。勉強面でも、かなり手をかけて面倒を見ている。元はと言えば伏見が冷たいからなんだけど、小野寺からも、弁当に教えてもらうと分かりやすい、って講義を頼む節がある。有馬に対しては下心ありきのサポート、小野寺に対しては友達として真っ当な支え。そこには大きな差があります。

こーちゃん…空気。ほぼ生まれた時から一緒だったせいで、隣にいるのが当たり前、けなし合うのも当然、離れていかないのが普通、になってる。弁当はとにかく、相手が隠していることとか悩みとか事情とか、そういった事柄を自分から聞くことを全くしないので、こーちゃんのことも多分実際問題全く知らない。慣れとか、一緒にいた時間の長さとかで、阿吽になってるところもあるかもしれないけど。自分が上京したことで幼馴染の精神がぐらっぐらになったことも、全く知らないし、想像もしてない。相変わらずうるせ、ぐらいにしか思ってない。自分の手の届く範囲の中からいなくなることなんて有り得ない、と無意識に断定している。突然いなくなったらどうなるんだろうね。

さくちゃん…爛れた関係の多い６人の中で！恐らくぶっちぎりでだんとつの！普通に仲良しな幼馴染です！久しぶりに会っても、昨日まで一緒にいたみたいに会話が出来るし、ちょっとした喧嘩をしてみたり、大事なことを相談してみたり、そういう普通の、ほんとに汚れなく普通の幼馴染。何度でも言いたい。普通の幼馴染。他人に興味なしの弁当が、さくちゃんに対しては思い遣りを見せた中学時代のごたごた期を鑑みてもらえると、特別感が増します。弁当とさくちゃんが２人で話してると時々会話が訳分からなくなったりするのは、弁当が話を全く聞かずに相槌を打つせいなんだけど、それを、だはー！って笑って許すさくちゃん。２人の間の清らかな感じを汲み取ってください。