魏怒羅

其の者、南海の海神にして王家の守護者也―――――











「俺は絶対にお前らを許さない。
アイツらに手を出した事、必ず後悔させてやる!!」

守り人を失った獣に遺されたのは、悲哀と憎悪、絶望のみだった





「新しくオープンした水族館のチケットが手に入ったんだけど、一緒に行かないか?」
「弟も連れて行っていいかしら」

昨今では珍しい程純情な少年の恋が実る日は果たしていつなのか





「美味そうだな~」
「お兄ちゃん、よだれヨダレ」

長じて後、波乱の運命を辿る事になる少年の幼い頃の日々





「何か今日パトカー多くない?」
「TV見てないの?この近くで今日日米韓首脳階段やるって言ってたよ」

小さな日常で交わる筈のない出来事が、一人の運命の歯車を大きく狂わせる





「ひっく…えっ、
お姉ちゃんどこ~?」
「ボウヤ、迷子か?」

2人のhero(主人公)が邂逅する時、もう一つの神話が紡がれ始める―――――










次章綿津見



※綿津見命(ワダツミノミコト)=日本神話に登場する海の神
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